人間がいる地球と人間がいない地球

  • 更新日:2020/08/28

所属:はこだて未来大学

インターン生:R.Iさん

人間がいる地球と人間がいない地球の写真

環境問題という言葉ができたのはつい最近の事だと思います。科学技術の発展やさまざまな要因により環境問題は起こります。その問題を起こしている人間がいなくなると地球はどのような変化を遂げるのかを考えてみました。

人間が引き起こす環境破壊

環境問題の中にもさまざまな種類があると思いますがその中でも特に現在危険になってきている環境破壊の例を挙げていこうと思います。

地球温暖化―これが環境問題を上げる中で一番なじみのある言葉だと思います。主な原因は温室効果ガスによる大気が暖められていることがあげられます。これは近年産業活動が活発化されたことにより以前よりも深刻な状況になってきている問題です。これに伴って、起こりうる問題を紹介していきたいと思います。

水の問題

人間が生活していくうえで絶対に欠かすことのできないものが水です。地球温暖化による水の問題はさまざまなところに現れます。一つが海面上昇です。地球温暖化により海水が膨張していることと、氷河や氷床の融解によるものが原因とされています。

今までで1901年から2010年までかけて約19cm海面が上昇しました。このままいくと、21世紀中に最大82cm上昇すると予想されています。今ではすでに海抜の低い国では高潮による被害が大きく出ており、潮が満ちると海水が住宅や道路に入り込むといった地域も出てきています。

さらに、海水が田端や井戸に入り込み作物が育たない、飲み水が海水となってしまうなど生活に大きな影響が出てきています。日本で見てみると、1m海面が上昇すると日本全国の砂浜の9割以上が失われると予想さています。また、40cmの上昇で沖に出ている120m分の干潟が消滅し、そこを住処としている生物の産卵や子育て、またそこを餌場としている渡り鳥にも影響が出るといわれています。

人体や経済的な問題:こちらは人間に対しての問題なのですが、地球温暖化により異常気象が多くなり、集中的な豪雨で資料が増加し洪水を引き起こし、台風やハリケーンの規模が今までよりも大きくなって人命や自然環境へのダメージが多くなりつつあります。

また、温暖化の影響により経済的なダメージも増えてくると考えられます。例として異常気象による建物の崩壊や農作物の栽培量の減少などがあげられます。すでに、1950年代から1990年代までの約40年間で異常気象によって受けた経済的打撃は10倍以上になっているといわれています。

その他の自然環境への影響:そのほかにも温暖化による影響はとても多くなっています。一つに気候の変化があげられます。冬場は大陸からの寒気の吹き出しが弱まり、雪の量が減ってしまいます。また夏場はモンスーンが強まり、雨の多い地域はさらに多く、少ない地域はさらに減るなどの変化が生じてしまいます。また、森林や草地なども温暖化により植生の分布が南方系のものに変化していきその土地自体の生態系を変えてしまう恐れもあります。

生物の生態系の破壊―環境破壊だけではなく他の生態家には悪影響を与えています。生態系破壊の原因:我々が生態系を破壊してしまう原因としては主に森林伐採、環境汚染、乱獲があげられます。

森林伐採

森林ではさまざまな生物が絶妙な関係を保って生態系を作り出しています。しかし、人口増加による食料の確保や薪炭材利用の増加などにより森林伐採を行いその生態系を壊してしまっています。また、「魚付き林」と呼ばれる河川の栄養源になる森林がなくなり地番が緩むと河川は氾濫しやすくなり、水中の生態家をも破壊してしまうことになります。

また、森林には温室効果ガスを中和する大きな役割を持っているため、伐採によって温暖化が進むことになります。温暖化が進んでいくと暖かい地域にしか生息しなかった昆虫が寒い地域に生息するようになり、寒い地域でしか生きられない生き物の住む場所がなくなり絶滅してしまう恐れも出てきます。

環境汚染

工場排水や下水道の設備遅れなどにより河川に生活排水が流されると、自然の浄化システムでは川の底や土手をコンクリで固めて整備するなど、人為的な工事によって自然の浄化システムが働かなくなってしまいます。

さらに、温室効果ガスを含む産業排出物や車の排気ガス、ごみ焼却時に出る煤煙による大気汚染です。大気汚染は温暖化や空気を汚すだけではなく雨に溶け込んで水や土壌も汚染してしまうため、森林や河川・海にも大きなダメージを与えているという現状があります。

乱獲

こちらは直接的には環境破壊とは別ですが乱獲による生態家の破壊もとても大きな問題になっています。私たちはさまざまな用途のために生物を捕獲している。食用や毛皮などから衣服などを作るのが主な用途となっています。また、それ以外にも人間に被害を及ぼす動物や人間にとって不利益な動物も駆除されたりするなどそういった目的でも生態系が壊れてしまっています。

絶滅してしまったまた絶滅危惧種になっている生物の例

ニホンオオカミ

1905年に奈良県で目撃されたのが最後とされています。原因としては江戸時代に狂犬病がニホンオオカミの間で流行し、大量に駆除されたためと言われています。しかし、直接の現認は定かではなく古くから人間と共存していたニホンオオカミですが一気に絶滅するのではなく流し時間をかけて絶滅していったと考えられます。

アオウミガメ

カメ目ウミガメ科の絶滅危惧種とされている動物です。体内の脂肪が青いためにアオウミガメと呼ばれ食用としての乱獲と護岸工事による砂浜の減少が絶滅危惧種とされている原因となっています。

オオワシ

タカ目タカ科の絶滅危惧になっている動物です。環境破壊によって巣をつくる森が失われてしまい食料となる魚が減少したため今では世界で5000羽にまでなってしまいました。

珍しい例

クニマス

クニマスはサケ科ヒメマスとごく近い種で、日本国内の秋田県田沢湖にしか生息していませんでした。1940年ごろまで生息していたとされ強酸性の水が湖に導入されたことによる水質悪化により絶滅したとされていました。

しかし、2010年に別の湖から発見されました。生き残っていた理由としては、クニマスの移植が行われたときに失敗したと思われていたが実は生き残っていてそれが育ったといわれています。絶滅したといわれている生物がもう一度発見されるという件は今回が初めてということでとても注目されました。

酸性雨

こちらは日本ではあまりなじみがないかもしれないが近年日本でも酸性雨が降ってきています。

酸性雨の原因

酸性雨の原因としては工場や自動車から排出される大気汚染物質が雲となりそれを含んだ強い酸性の雨が降ることにあります。大気汚染物質とは硫黄酸化物と窒素酸化物が主な原因物質です。これらは工場や火力発電などから出る硫黄物質を燃焼すると、硫黄酸化物となります。

これは火山の噴煙などにも含まれています。また、ボイラーや焼却炉といった窒素化合物が参加されたものが窒素酸化物であり、自動車の排気ガスもその一つとして挙げられます。このほかにも、有害大気汚染物質を出すものがたくさんあり、そういったものが雲になり酸性雨となって地上に降ってしまいます。

ほかの原因としては、中国大陸からの大気汚染物質が飛来してきていることも原因の一つとなっています。中国の工業化が進みそれに伴って使用しているエネルギーとなっている石炭や石油などの燃焼による大気汚染物質が多く含まれています。その結果、大気中に含まれる大気汚染物質が偏西風などの影響で日本へと流れてきているのが現状としてあります。

酸性雨の影響

酸性雨は自然にとっても人間にとっても大きな問題を起こします。さまざまな問題があるのですがその中からいくつか紹介したいと思います。湖沼などへの影響―湖や沼に酸性雨が降ることで、そこに生息する生物が減少、死滅してしまいます。「死の湖」とも呼ばれ生物が生息できなくなってしまう湖も多く存在します。

森林への影響―森林に酸性雨が降ることで、森林が枯れ、土壌も汚染され砂漠化してしまいます。そこに生息する生物もまた、減少し死滅してしまい「黒い森」とも呼ばれ、立ち枯れの状態も見られます。水生生物への影響―海や川などに酸性雨が降ることで水生生物は生息できない状態になり、産卵できない状態となってしまいます。ほかには異常な遺伝子ができることで雌雄同体など異常生物が増加してしまいます。

人体への影響―人体への影響はさまざまで髪の色が緑色に変色する、目やのど、鼻や皮膚を刺激するなどがあげられます。また、金属は酸に溶け出しやすいので、土壌の固定などで使われているアルミニウムなどを酸性雨が溶かしてしまいます。溶け出した物質が河川や海などに溶け出すことによって、飲料水などに混ざり、アルミニウムなどの化学物質が私たちの体に蓄積することによってアルツハイマー病などの病気の原因の一つになっています。

人間が存在しない地球の姿―今までは、さまざまな人間による地球への被害を書いてきましたが今度は逆に人間が一人もいなくなると地球はどのように変化していくのかを考えてみたいと思います。また、それぞれの専門の科学者が予測データを参照してシミュレーションしたものではあるのですが絶対ではないためご了承おねがいします。

また今回のシミュレーションのどの段階で人間のせいで起こっていた環境問題がなくなるのかについても同時に紹介しようと思います。

時間の経過ごとに何が起こるのかを紹介しようと思います。

地球上から人間がいなくなって数時間後―発電所が機能しなくなります。世界中のほとんどの電気が消えます。水力発電所はしばらくの間は動くと予想されています。この時点で温室効果ガスを排出する火力発電所や車、家電製品などが動く心配がなくなり温室効果ガスの排出量が激減すると考えられます。

人間が消えて2,3日後―排水ポンプが機能しなくなりほとんどの地下鉄が洪水になります。

人間が消えて10日後―ペットや家畜を含む、人に飼育をされている動物たちの餓死による大量死が始まる。その規模は、鶏で数十億匹、牛やその他の動物で数百万匹の死という数になり犬などのペットは群をなして野生で生活していくようになります。

人間が消えて1か月後―原子力発電所の冷却水が蒸発し、福島原発とは比較にならないほどの放射線が漏れることになります。しかし、地球は私たちが思っているよりも早く放射能汚染から回復すると予想されています。

人間が消えて1年後―人類が地球の軌道上に配置していた何千個という衛星が地球に落ちてきます。一番高い衛星が地上に落ちるまでには長い歳月がかかると予想されています。

人間が消えて25年後―4分の3の広場や道が植物で覆われ始める。植物が生い茂ると、草食動物が住みだします。すると、草食動物を狙った捕食者も現れ始め街に動物がうろつき始めます。また、緑が増えたことで二酸化炭素の量がもっと減っていき空気がとてもきれいになっていくと考えられます。この時点ですでに工場などもストップしているため酸性雨の原因となるものが排出されることもなくなり、人間が作り出していた環境問題はほとんどが解決に向かっていきます。

人間が消えて300年後―ペンキを塗り、腐食を防ぐ人間がいないためエッフェル塔などの金属の建物や鉄の橋などが壊れ始めます。コンクリートで固められた鉄棒なども当初の3倍に膨張し、ひび割れが起こり高層ビルの崩壊が始まります。

アメリカによって埋め立てられていた巨大な沼地が再び現れ、住処を奪われていた何百という鳥や動物が帰ってきます。また水質汚染などの問題も時間の経過とともに徐々に少なくなってきています。また鯨などの大きな海洋生物も本来の繁栄を取戻し、海も生物の宝庫となると予想されます。

人間が消えて500年後―現代の近代都市は緑で覆われると予想されます。この時点で、生態系はあるべき姿を取戻し、住処などを奪われていた動物などがそれぞれ群れをつくり本来の食物連鎖を形成しながら生きていけるようになると予想されます。

人間が消えて1万年後―私たちの文明が存在していた証拠の痕跡が万里の長城やピラミッドなどの意思でつくられたものだけになりほかの建造物などは跡形もなく消えてしまいます。そして、どこまでいっても自然だけが広がる地球へと変化を遂げます。

以上、このシミュレーションをも見てみるとわかるように我々がいなくなるだけど100年もあれば我々が抱えていた環境問題がほとんど解決に向かっていくと予想されることが分かります。

私たちのこれからの在り方

今まで、環境問題について聞いたことや少し勉強したことはあったがここまで深く、調べたことがなかったので今回調べてみて衝撃を受けることが多くありました。私自身も地球上から人間がいなくなったら地球は今までの平穏を取り戻すとは思っていたのですがもっと長い年月がかかると考えていました。

しかし、実際は500年後ぐらいにはもう地球は緑に覆われて1万年後には元通りになるとわかり驚きでした。またこの事実から、いかに私たちが地球上に与えている被害が大きいかを改めて実感することもできました。私たち一人一人にできることは小さいかもしれません。

しかし、一人一人の意識を変化していかなければ今よりも未来、取り返しのつかないことになってしまうかもしれません。まず、このいまの現状を少しでも多くの人に知ってもらう必要があると私は感じました。

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エコモ博士
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