環境への貢献―企業のCSR活動を考える―
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近年、企業によるCSR活動が重視されています。 日本の企業では、利害関係者への責任を果たすことを 目的としており、法令遵守やコーポレートガバナンス の向上、環境への取り組みなどを行っています。 今回は特に、環境に配慮した取り組みを行う企業に 焦点を当て、CSR活動の今後の可能性について 考えていきたいと思います。
CSR活動とは
CSRとはCorporate Social Responsibilityの略で、日本では一般に「企業の社会的責任」と訳されます。活動内容としては、上記の通り法令遵守や、人権問題、雇用問題、地域課題、環境問題に対する貢献が挙げられます。また、文化・芸術活動への支援などもCSRのひとつとされています。日本のほとんどの企業がCSR活動を行っていますが、CSR=慈善事業、社会貢献というイメージが強く、企業の事業内容には関係のないものが数多くあります。
グローバル的にみたCSR活動
EU諸国やアメリカでは、CSR活動に明確な意図をもっています。EU諸国は政策的にCSR活動を実施しており、2020年までに就業率向上、温室効果ガスの排出削減、貧困削減を目標としています。一方、アメリカでは社会貢献を果たしつつ、利益の追求を果たすCSV(Creating Shared Value)を取り入れようとしています。
日本でも、こうした戦略を導入し、企業の本事業を発展させるCSRを考えていくべきだと思っています。
CSR活動を行う企業
それでは、実際にCSRを行う企業を見ていきたいと思います。下記の表はCSR総合ランキングです。これは、企業のCSRを人材活用、環境、企業統治・社会性、財務の点から評価したものです。ここでは上位15社までに注目したいと思います。
日産自動車
この中で特に環境に対する取り組みへの評価が高いのは日産自動車です。日産自動車はCO2削減に力をいれており、新車のCO2排出量を2050年までに90%削減することを目標としています。そこで、今後は電気自動車や燃料電池車を導入していく計画です。また、電気自動車の蓄電能力を利用しながら再生可能エネルギーの使用量を拡大していく方針です。
このほかにも日産自動車では自然エネルギーに関する取り組みが行われています。特定規模電気事業者として、CO2排出量とコストを考慮し、環境負荷の少ない電力を調達しています。2014年は、神奈川県内4事業所へ約6700kw供給しました。
日産自動車のCSR活動は環境に配慮した自動車づくりを軸に進められていることがわかりました。そのためにはより、自然エネルギーの導入を本格化させ、より環境にやさしい取り組みを行っていく必要があるでしょう。また、日産自動車は日本国内では珍しく、本業をベースにしたCSR活動を行っています。環境にやさしいだけの取り組みでは、長く続けることは難しく、消費者の関心をひくこともできないでしょう。日産自動車の例は今後、日本企業のCSR活動の可能性を広げるきっかけになると思われます。
これからのCSR活動
世界的にみて、企業によるCSR活動は着々と変化しています。日本が今のまま、CSRを単なる社会貢献と捉えて植林を行っているようではグローバルの波には乗れません。本業をベースに、利害関係者への責任を果たし、環境問題などのあらゆる問題に対処していくべきなのではないでしょうか。そうすることで、私たちも利益を享受できますし、同時に企業も利益を得ることになるでしょう。CSR活動は社会に好循環を生み出すきっかけになると思われます。