新たな温暖化対策 CO2を集めて埋める!
所属:桜美林大学
インターン生:A.Sさん
長年にわたる国際的課題、地球温暖化対策。みなさんはどんな取り組みが日本で行われているか知っていますか?温室効果ガスの代表格、CO2(二酸化炭素)削減に関する取り組みをご紹介します。
日本のCO2排出量
日本は温室効果ガスの排出量世界第5位。直接排出量で換算すると二酸化炭素の排出量は発電所等から約40%が排出されています。さらに2012年以降、原子力発電所の停止を受け、代替電源として多くの火力発電所が稼働されました。発電部門の中では火力発電が最も多くのCO2を排出しています。石炭や石油、天然ガスなど化石燃料が使われているので排出量が多くなってしまいます。
新たな取り組み 「CCS」
低炭素な燃料への切り替えや植物によるCO2吸収など間接的な対策が多く行われてきました。しかし今回の新たな取り組みは、排出されるCO2を直接管理するというものです。その技術が「CCS」です。CCS(Carbon dioxide Capture and Storage)とは工場や発電所などの大規模排出源から大気に排出する前にCO2を分離・回収し、地下深くの地層まで運び長期間にわたり安定的に貯留する技術です。現在日本では北海道・苫小牧でCCSの導入に向けた実証実験が行われています。調査や設備建設を進め、今年2016年4月から実際にCO2を圧入予定です。2020年の実用化に向け、進められています。
世界では…
世界ではヨーロッパやカナダで既に3か所でCCSの実用化が始まっています。また地層に貯留させるだけでなく、枯渇油田に圧入し、原油を増産させる動きを見せています。いずれは枯渇するとされている石油や天然ガスが繰り返し使える循環型資源になったら画期的ですね。
温暖化対策にどれくらい貢献するの?
将来のCO2排出削減が期待されるCCSプロジェクト。IEA(国際エネルギー機関)によると、2050年に世界のCO2排出量を半減させる場合、半減量の約2割をCCSが担うとされています。日本だけでなく世界でも火力発電は重要な電源です。地球温暖化問題と拮抗するCO2排出量を抑えられることができたら温暖化対策への大きな前進となるのではないでしょうか。日本では4月から実証実験が開始されるのでCCS事業のモニタリング結果がニュースに出てくるかもしれません。