ローカル食品が温暖化対策に貢献するわけ

  • 更新日:2020/08/28

所属:トレント大学

インターン生:A.Nさん

ローカル食品が温暖化対策に貢献するわけの写真

多くの一般住民は近所にあるスーパーマーケットで買い物をします。しかし、そこで売られている商品はどこから来るのでしょうか。それが地元からなのか、遠くの国からなのか、大多数の人は知りません。

皆さんは、自分の食べている野菜や穀物がどこから来ているか知っていますか?

多くの一般住民は近所にあるスーパーマーケットで買い物をします。しかし、そこで売られている商品はどこから来るのでしょうか。それが地元からなのか、遠くの国からなのか、大多数の人は知りません。都市化した町に住みなれた私は、ローカル食品がなぜ温暖化対策に貢献するかを知る機会をいただいて、「持続可能性」という言葉の意味を勘違いしていたことに気付きました。

カナダ留学する私が通う大学の一画に、Seasoned Spoonというオーガニックカフェが存在します。非営利団体によって営まれており、環境学を専攻している生徒の間では教材として使われる一面もあります。そのカフェに「持続可能性を重視して作られた貯蔵庫」があると聞き、短期間のボランティア活動に参加した時のことです。きっと大変な技術が駆使されて建てられた貯蔵庫が見られると思っていた私の目に飛び込んで来たのは、木と土とコンクリートで出来たオールドファッションな小屋でした。そこでの私の仕事は、貯蔵庫内で使われる木の棚に白のペイントを施し、建物内の天井や壁にカビ防止剤を塗ることでした。

「ルートセラー(root cellar)」をご存知でしょうか?自給自足を目指して農業を営む方達が自宅で穀物の貯蔵をするために建てる地下貯蔵庫のことを言います。小規模農業が盛んに見られる北米ですが、寒い地域では冬に農作物を収穫することが難しいため、貯蔵庫にて穀物を蓄えています。自分の農地で獲れた農作物だけでなく、グリーンハウスを使う他の地元農家などから買い取った作物を保存することも出来ます。

ルートセラーは、所謂「手作り冷蔵庫」です。そのため、ある程度の暗さを必要とし、適切な湿度を一定に保たなければなりません。ルートセラーにも色々ある中、カフェで使われている18畳くらいの貯蔵庫には太陽光発電システムが導入されていました。入口のすぐ近くに設置された小さなソーラーパネルを用いて、スイッチ式の電球や換気扇をまかなっているのです。この自家発電は、私の一つ目の持続可能性の認識でした。再生エネルギーを用いて資源とコストの無駄を省く様子は、環境問題に敏感なカナダの地元の方達の自然に対する配慮に思えました。

「地元でも同じ野菜が栽培されているのに、遠くから来た方が好まれるって不思議ですよね」。私の二つ目の認識は、私がその時受けていた授業「Canadian Food System (カナダの食糧システム)」の教授、ポーラのこの一言にありました。もし自分の食べている物が遠方から来るとすると、その運送距離の分だけCO₂が排出されます。このフードマイレージを短く出来れば、CO₂排出量の削減に貢献できるのではないでしょうか?その役割が、ルートセラーの一つのメリットです。地元の農場で獲れた野菜が、地元を離れることなく地元の人達に消費される。ある程度の量を貯蔵出来るため、他の農場から食料を受け取る場合でもトラックでの短い運送距離で十分な量を得られます。地元で獲れる物を遠方から取り寄せる必要などなく、余分なフードマイルを削ることができます。

もう一つのメリットは、自然の恵みをそのまま楽しめるという点です。その土地の食べ物をそれ相応の時期に食べられるところは、グローバル化したスーパーマーケットやレストランでは得られない価値です。私はよくSeasoned Spoonカフェで食事をするのですが、驚いたことに毎日メニューが違うのです。その日の食材によって出される食事が変わり、同じメニューが出たとしても、前日と同じ味に仕上がることはありません。シーズンごとに食材が変わり、季節の味わいが楽しめます。

こうした「おいしくて安全な食」は、生産者の努力で作られた良い環境から生まれます。私はSeasoned Spoonカフェを通して、自分が食べている物がどこから来ているのかを自分の目で確認することが出来ました。そこでは、その農業の規模の大きさに限らず、色々な方法を駆使しながらより良い食品栽培に取り組む姿が見られました。ローカル食品は、土地の健康を維持することを優先します。そうした環境を積み重ねることによって、「次につながる栽培」をすることが出来ます。

スーパーで買い物をするという事実が一般的に日常化した今、私たちは「食べ物への親しみ」を忘れているかもしれません。技術の進歩によって色々な物を手に入れることが出来るようになりましたが、それらはどのような環境問題を引き起こすのでしょうか。持続可能性とは、未来を考えた環境作りから始まります。一人一人が毎日の食事を見直せば、大きな変化へと繫がるのではないでしょうか。

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エコモ博士
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