ソーラーパネル導入による相乗効果
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電気料金増加や環境問題解決に伴いソーラーパネルを導入し、電気代を自給自足で賄おうとする家庭や組織が増加しています。この記事ではボストンで住む家のソーラーパネル導入までの経緯や今後について紹介します。
今日、電気料金増加や環境問題解決に伴いソーラーパネルを導入し、電気代を自給自足で賄おうとする家庭や組織が増加しています。この記事では私がボストンで住む家のソーラーパネル導入までの経緯や今後について紹介します。少しでも多くの方にソーラーパネル、さらに環境に配慮した暮らしになじみをもっていただけたら幸いです。
私はアメリカのマサチューセッツ州、ボストンという街に留学しています。冬はー20度まで冷え、雪も60センチほど積もります。自宅は大家さん自身が建設した家なので断熱性に優れていませんでした。大家さんは環境問題に常に関心を持っており様々な取り組みを行っています。2010年にアメリカにおける石油価格が上昇したことをきっかけに、再生可能エネルギーを家庭に導入し、電気代を自分たちで賄おうと考えました。自宅の裏庭が広かったこともあり、地面にパイプを通して地下の一定の温度を保つ熱を利用する地熱発電を導入する事を考えました。しかし、パイプ工事は予想外に大掛かりなものになるということで次の案を考え始めました。そこでマサチューセッツ州はオバマ大統領が発案した、ソーラーパネルを導入した家庭の税額控除のプログラムがあるので、ソーラーパネルを導入することが決定しました。
2011年10月にソーラーパネル27枚の導入が完了しました。マサチューセッツ州では、州がエネルギー会社に、会社のエネルギーのいくらかを再生可能エネルギーで賄うことを要求しています。エネルギー会社は、そのエネルギーを一般家庭などからも購入することが可能です。一般家庭では、そこからの利益や、州からの税額控除のプログラムにより、ソーラーパネルを導入してから約10年ですべてのコストが返ってくる計算になります。 2014年の夏、大家さんは新しい車、電気自動車を購入することを考えていました。しかし、その時点では、自宅のソーラーパネルの数だけでは、自宅の電気と電気自動車を十分に賄うだけの電気を作り出すことはできませんでした。そこで電気自動車の購入と共に、新たにソーラーパネルの枚数を増やすことを検討しました。ソーラーパネルの初期費用は比較的高いものの、長期的に考え、日々の車のガソリン代を考えると、ソーラーパネル増加の方が理想的だと考えました。そしてついに2015年2月に新たに7枚のソーラーパネルを導入しました。さらに電気自動車、日産リーフを購入し、ソーラーパネルで生み出した電気を利用し、車を充電しています。
そして今年は風力発電の導入を検討しています。風力発電を導入すると、太陽光発電から生み出された電力と合わせて、その電力を蓄える蓄電池が必要になるでしょう。今までは家庭用蓄電池は価格が高く、ソーラーパネルを導入している一般家庭は蓄電池を買うというよりは、電気自動車などを購入し、作り出した電気を有効活用していました。また、固定価格制度という制度で電力会社に電力を売っていました。これは自宅のソーラーパネルで家庭の電気使用量を上回る電力を生み出した際に、10年間固定で電力会社に売ることができる制度です。しかし今後はこの電力の買い取り価格が減少すると予想されています。
2015年、テスラが新しい家庭用蓄電池を発表し、話題を呼んでいます。従来の家庭用蓄電池の価格の半分以下ということで、予約が殺到しています。今日、水不足や台風などの自然災害が頻繁に起こっています。そこで災害時や非常時に、電力を自宅で蓄えることは重要になってくると思います。私の住むボストンの家でもテスラの家庭用蓄電池の購入を検討しています。
このように私は、地熱発電の家庭利用の検討、ソーラーパネルの導入から始まり、電気自動車の購入、更には風力発電の導入計画、最新の蓄電池の購入計画を行うなど、環境問題に最先端に取り組む暮らしをしています。日本では2011年の東日本大震災を発端に、原子力発電の脆弱性、安定的なエネルギー供給に対して真剣に向き合わなければならなくなっています。みなさんも、ソーラーパネルの導入を考えてみてはどうでしょうか。そこからうまれる相乗効果は、環境問題に向き合うきっかけを与えてくれるでしょう。