エコキュートの高圧タイプとは?標準圧との違いやメリット比較、選び方について解説

  • 更新日:2026/09/02

エコキュートの水圧は、導入後の使い心地を左右する重要なポイントです。強い水圧にこだわりがある場合は、各メーカーが販売する「高圧タイプ」のエコキュートを選びましょう。本記事では、高圧タイプの仕組みやメリット・デメリット、選び方のポイントなどを、メーカーの比較も交えながら解説します。

目次

エコキュートの高圧タイプとは?

エコキュートの高圧タイプとは、一般的な標準圧タイプと比較して、強い水圧を実現する機種のことです。まずはエコキュートに水圧の種類がある理由や、水圧タイプごとの違いについて解説します。

エコキュートに水圧の種類がある理由

一般的なエコキュートは、水道直圧ではなく、貯湯タンクを経由して給湯する方式です。ただし、日立の「水道直圧給湯」のような例外もあります。貯湯タンクを経由して給湯する「貯湯式」のため、機種によって水圧に差が出やすいことが特徴です。

貯湯式とは、一度貯湯タンクにお湯を貯めてから給湯するシステムであり、タンクを保護するために減圧弁を使って圧力を調整します。そのため、水道の圧力をそのまま活かせるガス給湯器と比べて、水圧が低くなりやすい構造です。

「標準圧」「高圧」「パワフル高圧・ウルトラ高圧」の違い

メーカーによって呼び方は異なりますが、現在のエコキュートでは高圧タイプが標準的で、さらに給湯圧力を高めたパワフル高圧・ウルトラ高圧などがあります。80~100kPa程度の標準圧は、主に旧型の電気温水器などで見られます。

【エコキュートの水圧タイプ比較表】

タイプ 水圧の目安
標準圧 80~100kPa
高圧 170~210kPa程度
パワフル高圧・ウルトラ高圧 290~330kPa程度

ガス給湯器は水道直圧式が一般的で、給湯時の水圧は給水元圧や配管条件などによって異なります。そのため、一律に500kPaとはいえません。パワフル高圧・ウルトラ高圧タイプを選ぶと、一般的な高圧タイプより強い給湯圧力を得られます。

高圧タイプが水圧を確保できる仕組み

高圧タイプは、高耐圧の貯湯タンクを採用し、減圧弁の設定圧力を高めることなどにより、一般的なタイプより高い給湯圧力を実現しています。一部の機種では、混合弁の配置の工夫や加圧機能の強化により、2階・3階でも安定した出湯が可能です。

高圧タイプのメリット

高圧タイプを選ぶことにより、シャワーを快適に使いやすくなるほか、複数個所で同時にお湯を使いやすくなります。具体的なメリットを3つご紹介しましょう。

2階・3階でもシャワーが快適に使える

パワフル高圧・ウルトラ高圧などの対応機種では、エコキュートを1階に設置して2階・3階で給湯する場合でも、一般的な高圧タイプより十分な出湯量を確保しやすくなります。タンクからの高さがあっても水圧が落ちにくく、上階でも快適な水量を確保できます。2階に浴室がある住宅や3階建ての住宅では、特に恩恵を感じやすいでしょう。

キッチン・お風呂など複数箇所で同時使用できる

同時給湯時の水圧低下が起きにくく、家族が多い家庭でもストレスが少ないことがメリットです。例えば、朝の忙しい時間帯に、キッチンとシャワーを同時に使う場合でも、一般的なタイプより出湯量を確保しやすくなります。ただし、給水元圧や配管条件、使用状況によって流量が低下する場合があります。これにより、お湯を使う時間帯を分ける工夫が要らなくなり、生活リズムが狂いにくくなるでしょう。

標準圧では出しにくい勢いのあるシャワーが使える

シャワーにマッサージ効果や爽快感を期待するユーザーが満足しやすいことも、高圧タイプを選ぶメリットと言えます。ガス給湯器からエコキュートに買い替える際も、水圧に関する不満を抱えにくくなるでしょう。洗髪時のすすぎやすさやお湯張りの速さも向上し、生活の利便性が向上します。

高圧タイプのデメリット

高圧タイプには先述したメリットがある一方で、いくつかのデメリットや注意点もあります。「標準圧タイプよりも高いお金を支払ったのに、期待外れだった」といった感想を持たないように、あらかじめ本章でご紹介する3つのデメリットを把握しておきましょう。

パワフル高圧・ウルトラ高圧タイプは本体価格が高くなる場合がある

高圧タイプは一般的なタイプより本体価格が高くなる傾向があります。一方、通常は高圧タイプに交換することだけを理由に、特別な設置工事が必要になるわけではありません。メーカーや機種によって差がありますが、機種によっては、本体価格が数万円程度高くなる場合があります。コストが上がる分のメリットを感じられるかどうか、事前によく検討しましょう。

水道使用量が増え、水道代が上がる可能性がある

高い給湯圧力で同じ時間シャワーなどを使用すると、使用湯量が増える場合があります。使い方によっては、水道代に影響する可能性があります。高い給湯圧力でシャワーなどを長時間使用すると、使用湯量が増える可能性があります。機種によっては、一般的なタイプより出湯量が増える場合があり、使用時間や使い方によっては、水道代に影響する場合があります。

地域の水道本管の水圧によっては効果が出にくい場合がある

供給元の水圧が低いエリアでは、高圧タイプの性能を十分に発揮できないケースがあります。高圧タイプを選んだとしても、もともとの圧力以上の給湯はできません。あらかじめ地域の給水圧を確認しておくと、「期待外れだった」といった感想を持つリスクを引き下げられます。

高圧タイプはどんな人におすすめ?

高圧タイプには、先述したメリット・デメリットがあり、すべての方におすすめできるものではありません。高圧タイプを購入してメリットを感じやすいのは、以下の項目に該当する人です。

<高圧タイプがおすすめできる人の特徴>

  • 3階建て住宅・2階浴室の家庭
  • 家族が多く同時にお湯を使う機会が多い家庭
  • シャワーの勢いを重視する人

これらの特徴を持つ方になぜ高圧タイプがおすすめなのか、わかりやすく解説します。

3階建て住宅・2階浴室の家庭

3階建て住宅にお住まいの人や、浴室を2階に設置している人には、高圧タイプがおすすめです。エコキュートを1階に設置する場合、重力の影響を受けるため、2階・3階部分ではどうしても水圧が弱まります。そのため、高低差がある住宅ほど、高圧タイプの恩恵を受けやすいのです。

家族が多く同時にお湯を使う機会が多い家庭

次のように、家族構成の人数が多く、同時にお湯を使う機会が多い家庭にも高圧タイプがおすすめです。

<高圧タイプをおすすめできる家庭の例>

  • 1人がシャワーを浴びている間に、別の家族がキッチンで手洗いや皿洗いをする
  • 朝の忙しい時間帯に洗面所で顔を洗ったり、キッチンで朝食の支度をしたりする
  • お風呂の湯張りをしている間に、キッチンで調理や洗い物をする
  • お風呂掃除とキッチン掃除を同時に進行する
  • ペットのシャンプーをしている間に、家族が洗面所やキッチンで水を使う

特に朝の忙しい時間帯は、家族が別々の場所でシャワーを使う機会が増えるため、水圧不足によるストレスを感じやすいでしょう。複数個所でシャワーを同時に使用する機会が多い家庭には、それぞれの場所で高い水圧を維持しやすい高圧タイプが適しています。

シャワーの勢いを重視する人

好みの問題ではありますが、シャワーの勢いを重視する方にも高圧タイプがおすすめです。シャワーの勢いが強いと、次のようなメリットを感じやすくなるでしょう。

<シャワーの水圧を強くするメリット>

  • 洗浄力が向上し、すすぎ時間を短縮しやすくなる
  • 洗い流しに要する時間を短縮でき、入浴時間を短くできる
  • 心地よい刺激により、高い爽快感が得られる
  • 髪が長い方もストレスなくシャンプーができる

特にガス給湯器からエコキュートに交換する場合は、これまでと比べて大幅な水圧低下を実感しやすいです。ガス給湯器から交換した際の水圧低下をできるだけ抑えたい人は、パワフル高圧・ウルトラ高圧タイプや水道直圧タイプを検討すると良いでしょう。

【メーカー別】高圧・パワフル高圧タイプの特徴比較

多くのメーカーが、高圧・パワフル高圧タイプのエコキュートをラインナップに加えています。どのメーカーを選ぶべきか悩んでいるという人に向けて、主要メーカー別に、高圧・パワフル高圧タイプの特徴を比較できる一覧表をご用意しました。

【メーカー別に見た高圧・パワフル高圧タイプの特徴比較】

メーカー 名称 水圧の目安 特徴
パナソニック ウルトラ高圧 325kPa前後 高耐圧タンクの採用により快適性が向上し、2階・3階部分への出湯に強い
ダイキン パワフル高圧給湯 330kPa前後 パワフル高圧給湯330kPaに対応し、シャワーを快適に使いやすく、湯はりもスピーディー
三菱電機 ハイパワー給湯 290kPa 一部の機種は「お急ぎ湯張り」機能を搭載しており、湯張り時間を約25%短縮できる
日立 ナイアガラ出湯 水道直圧(給水元圧に依存) 水道圧を利用して給湯し、2か所同時給湯や3階でのシャワーにも対応
コロナ 高圧力パワフル給湯 300kPa前後 メーカー保証期間が5年と長いため安心して購入しやすく、外部クラウドとの通信機能も有しており利便性が高い

同じ高圧タイプでも、メーカーによって特徴が異なるため、ご自身に合ったタイプのメーカー・機種を選びましょう。

シャワーの水圧が弱いと感じたときの確認ポイント

すでに設置しているエコキュートの水圧が弱いと感じる場合は、次の点を確認しましょう。

<シャワーの水圧が弱いと感じたときの確認ポイント>

  • 止水栓が閉まりすぎていないか
  • シャワーヘッドの詰まり・目詰まりがないか
  • 配管から水漏れしていないか
  • 地域の水道圧が低くないか
  • 3か所以上で同時にお湯を使っていないか

これらのポイントを確認しても改善しない場合は、高圧タイプのエコキュートへの買い替えを検討するのもひとつの手です。交換費用がかかりますが、水道に関するストレスを減らせるため、コスト以上の価値を感じられる可能性が高いでしょう。

エコキュートの販売店や施工業者に相談すると、普段のお湯の使い方に合ったメーカーや機種をおすすめしてもらえる場合もあります。交換する機種などが要件を満たす場合は、「給湯省エネ2026事業」などの補助制度を利用できることがあります。

まとめ

エコキュートの高圧タイプとは、一般的な機種よりも強い水圧を実現できる機種です。高圧タイプのメリット・デメリットをまとめます。

【高圧タイプのメリット・デメリット】

メリット デメリット
・2階・3階でもシャワーが快適に使える
・キッチン・お風呂など複数箇所で同時使用できる
・標準圧では出しにくい勢いのあるシャワーが使える
・パワフル高圧・ウルトラ高圧タイプは本体価格が高くなる場合がある
・水道使用量が増え、水道代が上がる可能性がある
・地域の水道本管の水圧によっては効果が出にくい場合がある

高圧タイプは、標準圧タイプと比べてシャワーの勢いが強く、2階・3階でもお湯を快適に使えることがメリットです。水圧不足によるストレスを感じている場合は、高圧タイプへの交換を検討しましょう。エコキュートを買い替える際には、対象要件を満たせば補助金を活用できる場合があり、お得に水圧への不満を解消できます。

<この記事を書いた人>
エコモ博士

RAUL株式会社 プライスエナジー運営事務局
エコモ博士のエコらいふナビ

エコモは各地を飛び回って、電力・エネルギーや地球環境についてお勉強中なんだモ!色んな人に電気/ガスのことをお伝えし、エネルギーをもっと身近に感じてもらいたいモ!

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オール電化・ガス併用を比較したい方
「オール電化家庭とガス併用家庭を徹底比較!電気代・ガス代などの光熱費の違いと節約術」記事へのリンク
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オール電化家庭はガスの代わりに電気を使用します。ガス代が無くなる一方で、当然電気代は増加します。しかし、光熱費全体で見たときに、電気代に一本化することがかなりお得になるケースがあります。太陽光や蓄電池なしでも十分な光熱費削減が期待できます。
「エコキュートとガス給湯器のコスト比較!光熱費はエコキュートがお得!」記事へのリンク
省エネ性能が高い
エコキュートは、ヒートポンプ技術と呼ばれる大気熱を利用したお湯の沸き上げ方法を採用しています。この技術により、エネルギーの使用量が約1/4に抑えることが可能です。この省エネ技術により、ガス給湯器よりも光熱費が安くなります。
「オール電化に使える補助金まとめ!エコキュート・太陽光発電・リフォーム補助金を解説」記事へのリンク
補助金でお得に導入
国は省エネ・脱炭素の推進のために数々の補助金を、オール電化向けに用意しています。エコキュートであれば給湯省エネ事業、太陽光・蓄電池であれば子育てエコホーム支援事業などです。これら補助金を利用してお得にオール電化に切り替える方が増えています。
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