エコキュートの基礎工事とは?打ち基礎とエコベースの違い・費用・手順を解説
エコキュートを安全に長く使うためには、しっかりした基礎工事が欠かせません。基礎工事とは、満水時に400kgを超えることもある貯湯タンクを安定して支え、災害による転倒を防ぐための土台作りです。
本記事では、工法の違いや作業の流れも交えながら、エコキュートの基礎工事とは何か解説します。
エコキュートに基礎工事が必要な理由
そもそも、なぜエコキュートに基礎工事が必要なのか、疑問を抱えている方が多いかもしれません。基礎工事を行う理由は、思わぬ事故を防ぐために、法律で定められた基準を満たす必要があるためです。
ここでは、エコキュートに基礎工事が必要な理由を解説します。
エコキュートの転倒や破損を防ぐ
エコキュートに基礎工事が必要な理由は、本体の転倒や破損を防ぐためです。
エコキュート本体は重量物であり、地震や強風で転倒すると、配管破損や思わぬ事故につながります。貯湯タンクの満水時の質量は機種や容量によって異なり、400kgを超える機種が多く、600kgを超える機種もあります。転倒した際に人を巻き込むと、大けがにつながるおそれがあります。
基礎工事では、エコキュートの下にコンクリート製の基礎を設けます。不安定な地面に直接設置する場合と比較して、機器が安定しやすいほか、アンカーボルトを使って本体と基礎を固定することも可能です。しっかりとした基礎があれば、エコキュートの転倒事故を予防しやすくなります。
法律で定められた転倒防止基準を満たす
建築基準法施行令に基づく国土交通省の告示では、満水時の総質量が15kgを超える給湯設備について、転倒・移動を防止するための基準が定められています。
主なポイントは、次のとおりです。
<法律で定められた転倒防止基準>
- 設置場所や機器の質量、アスペクト比などに応じて適切に固定すること
- 条件に応じた種類・径・本数などのアンカーボルトを使用すること
例えば、地階・1階・敷地の部分に質量350kg超600kg以下の給湯設備を設置し、底部のみを固定する場合、アスペクト比4以下では径12mm以上・埋込長さ50mm以上のあと施工アンカーを3本以上、アスペクト比5以下では径10mm以上・埋込長さ40mm以上のあと施工アンカーを4本以上使用する基準があります。
エコキュートの新たな基礎工事が不要なケース
すべての設置で、基礎工事が必須となるわけではありません。すでに基礎を設置している場合は、既存の基礎をそのまま活用できるケースがあります。
例えば、電気温水器からエコキュートに交換する場合や、同容量・同サイズのエコキュート同士を交換する場合です。このようなケースでは、既存の基礎にひび割れや沈下などの劣化がなく、寸法や強度、アンカー位置などが新しい機種の施工条件を満たしていれば、新たに基礎を作り直さずに再利用できる場合があります。
ただし、タンク容量を大きくする場合や、設置場所を変更する場合、基礎の劣化が目立つ場合などでは、再工事が必要な可能性もあります。最終的な判断は専門業者が行うため、基礎工事の実績が豊富で、信頼できる業者に調査を依頼しましょう。
エコキュートの基礎の種類
エコキュートの基礎の種類は、大きく「打ち基礎」と「エコベース」の2つです。それぞれ特徴が異なるため、設置場所の地盤や予算、工期の希望に合わせて基礎の種類を選びましょう。
ここでは、打ち基礎とエコベースのどちらを選ぶべきか、選び方を解説します。
打ち基礎(土間コンクリート)
打ち基礎とは、コンクリートを現場で打設して作る基礎です。地面にコンクリートを打ち、土間のような足場を作成するため、土間コンクリートと呼ばれることもあります。アンカーボルトをコンクリートに直接打ち込むため、強度を高められることが特徴です。
メリット
打ち基礎のメリットとして挙げられるのは、次の3つです。
<打ち基礎のメリット>
- 耐久性が高い
- 見た目がきれい
- 設置場所の形状に合わせて自由に作れる など
耐久性が高いことに加えて、デザインの自由度が高いことがメリットです。エコキュートのサイズや形状に合わせて基礎を作れるため、美しい見た目に仕上げられます。外観にこだわりたい方や、省スペースに設置したい方には、打ち基礎が特におすすめです。
デメリット
打ち基礎のデメリットは、次のとおりです。
<打ち基礎のデメリット>
- 工期が長い(コンクリート養生が必要)
- 費用が高めである など
打ち基礎はコンクリートの養生だけで数日がかかるため、後述するエコベースと比べて工期が長引きます。専門的な施工技術が必要なこともあり、費用が高めなこともデメリットです。お金と時間をかけてでも打ち基礎を選ぶメリットを感じられるのか、慎重に検討しましょう。
エコベース(基礎ブロック)
エコベースとは、工場であらかじめ作られた既製の基礎ブロックを組み合わせて設置する基礎です。製品ごとの施工条件に従って適切に設置することで、必要な耐震性能を確保しつつ、打ち基礎と比べて簡単に工事でき、難しい工程を省いて設置できます。
メリット
エコベースのメリットは、主に次の2つです。
<エコベースのメリット>
- 費用が安い
- 工期が短い(即日施工も可能)など
エコベースを選んだ場合、当日中に基礎工事が完了する可能性が高いです。打ち基礎とは違い、コンクリートが固まるまで待つ必要がなく、素早く基礎工事が完了します。また、工事に使用する資材が安いため、工事費を抑えられることもメリットです。
デメリット
エコベースのデメリットをリストアップします。
<エコベースのデメリット>
- 地盤が緩い場所には不向き
- 打ち基礎に比べ見た目がやや劣る など
エコベースは、地盤が緩い場所には設置できない場合があり、希望した場所に設置できるとは限りません。また、既製品であるため、打ち基礎と比べてデザインの自由度が下がり、見た目がやや劣る可能性があります。
エコキュートの基礎工事の流れ
エコキュートの基礎工事は、基礎の種類によって工事手順が変わります。ここでは、打ち基礎とエコベースの2パターンに分けて、基礎工事の流れをわかりやすく解説します。
打ち基礎の工事手順
打ち基礎の工事は、大きく5つのステップで行われます。
<打ち基礎の工事手順>
- 基礎を作る場所を掘削して地面を平らにする
- 砕石を敷き詰めて地盤を安定させる
- 木枠を組み、基礎の形を整える
- 生コンクリートを流し込み、アンカーボルトを埋め込む
- コンクリートを所定の期間養生し、十分な強度を確認してから本体を設置する
ここまでの工程を丁寧に進めることにより、耐久性が高い打ち基礎が完成します。
エコベースの工事手順
エコベースの工事手順は、次のとおりです。
<エコベースの工事手順>
- 設置場所の土や草を除去する
- 砕石を敷き詰めて、地盤を強化する
- プレキャスト製のエコベースを設置する
- 水平器を使用して傾きの有無を調べる
- 本体とエコベースをアンカーボルトで固定する
打ち基礎とは違い、生コンクリートが乾くまで待つ必要がありません。そのため、工事時間を短縮しやすく、設置当日からエコキュートを利用できる場合もあります。
エコキュートの基礎工事・設置にかかる費用相場
エコキュートの基礎工事単体の費用相場は、希望する工法によって異なります。施工業者にもよりますが、費用相場の目安は、打ち基礎・エコベースのそれぞれで次のとおりです。
【エコキュートの基礎工事・設置にかかる費用相場】
| 工法 | 費用相場 |
|---|---|
| 打ち基礎 | 3万円~5万円程度 |
| エコベース | 2万円~3万円程度 |
設置工事全体の費用相場の目安は、10万円~20万円前後です。エコキュートを初めて設置する場合や、ガス給湯器から切り替える場合は基礎工事が必要となるケースが多く、費用相場がやや割高になります。
一方、既存の基礎をそのまま活用できるエコキュート同士の交換では、基礎工事費がかからない場合が多く、工事費の総額を抑えやすいでしょう。何らかの事情により、配管延長などの追加工事が発生した場合は、費用相場がさらに上がります。
手抜き基礎工事に要注意!よくあるNG例
基礎工事は、見た目だけでは良し悪しを判断しにくいものです。しかし、手抜きがあると地震などの災害が発生した際の転倒リスクが高まります。よくあるNG例をリストアップするので、基礎工事の内容や状態に問題がないかチェックしましょう。
<基礎工事のよくあるNG例>
- 転倒防止金具(アンカーボルト)が未設置
- アンカーボルトの埋め込み深さが足りていない
- 基礎の高さや水平が不十分
- 基礎が平板を並べただけで簡易すぎる
- 基礎の厚みが薄く、満水時の重量に耐えられない
手抜き基礎工事を見抜くポイントは、現地調査を依頼したタイミングで、基礎の状態や使用するアンカーボルトの仕様を説明してもらうことです。担当者の説明が曖昧な場合や、相場と比べて極端に安い見積もりを提示された場合は、悪徳業者の可能性があるため注意しましょう。
一方で、エコキュートに関する施工実績が豊富な業者や、施工写真を見せてくれる業者、充実した保証を用意する業者は信頼に値します。見積もりの内訳を丁寧に記載する業者や、基礎工事の内容をわかりやすく教えてくれる業者なら、さらに安心です。
エコキュートの基礎工事に関するよくある質問
この記事の最後に、エコキュートの基礎工事に関するよくある質問にお答えします。わからないことがある場合は、エコキュート本体の販売店や、基礎工事を担当する施工業者に問い合わせましょう。疑問点や不明点をクリアにしてから依頼することが、エコキュートをスムーズに設置するコツです。
エコキュートの基礎工事はDIYでできる?
エコキュートの基礎工事をDIYすることは、推奨しません。施工基準・保証・安全面の観点から、基礎工事は専門業者に依頼するのが基本です。
基礎を作る際は、建築基準法で定められた転倒防止基準を満たす必要があります。そのためには、アンカーボルトの径や本数、埋め込み深さなどの細かい規定をクリアしなければなりません。DIYで施工基準を満たせない場合、法令で定められた転倒防止基準に適合しない施工となるおそれがあります。
DIYで不十分な施工をすると、地震などの災害が発生した際にエコキュートが転倒したり、配管が破損したりするリスクが高まります。最悪の場合は人命にかかわるトラブルにつながる場合があるほか、メーカー保証が適用されなくなる可能性もあり、DIYは得策とは言えません。
既存の基礎はエコキュート交換時にそのまま使える?
同容量・同程度のサイズへの交換では、既存の基礎を新しいエコキュートに流用できる場合があります。ただし、基礎の寸法や強度、劣化状態、アンカー位置などの確認が必要です。
基礎工事が必要かどうかは、施工業者が現地調査を行った際に判断します。的確な判断力を持つ施工業者に基礎工事を依頼できるように、実績が豊富で信頼できる業者を選びましょう。
まとめ
エコキュートに基礎工事が必要な理由は、法律で定められた転倒防止基準を満たし、エコキュートの転倒や破損を防ぐためです。基礎工事には「打ち基礎」と「エコベース」の2種類があり、それぞれメリット・デメリットが異なります。
【基礎工事の種類】
| 工法 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 打ち基礎 | ・耐久性が高い ・見た目がきれい ・設置場所の形状に合わせて自由に作れる |
・工期が長い(コンクリート養生が必要) ・費用が高めである |
| エコベース | ・費用が安い ・工期が短い(即日施工も可能) |
・地盤が緩い場所には不向き ・打ち基礎に比べ見た目がやや劣る |
エコキュートを安全に使用するためには、しっかりとした基礎工事が不可欠です。悪徳業者・手抜き工事を見抜くポイントをチェックして、信頼できる施工業者に現地調査と基礎工事を依頼しましょう。
エコモは各地を飛び回って、電力・エネルギーや地球環境についてお勉強中なんだモ!色んな人に電気/ガスのことをお伝えし、エネルギーをもっと身近に感じてもらいたいモ!


















