東京の暑さはなぜ? ヒートアイランド現象を身近な生活から考える
所属:日本経済大学
インターン生:インターン生:B.A.さん

夏になると、東京の街を歩いているだけで「どうしてこんなに暑いのだろう」と感じることがあります。特に、建物や道路が多い場所では、昼だけではなく夜になっても暑さが残っているように感じます。私自身も東京で生活する中で、駅から学校まで歩くときなどに、道路からの熱や建物の多さによって暑さを強く感じることがあります。 東京の暑さは、夏の気温が高いことだけが原因ではありません。都市の中に建物や道路が増え、緑や水のある場所が少なくなったことや、建物、自動車、エアコンなどから出る熱も関係しています。このような都市特有の暑さの原因の一つが「ヒートアイランド現象」です。 本記事では、ヒートアイランド現象とは何か、なぜ東京の街が暑くなりやすいのか、暑さが私たちの生活にどのような影響を与えているのかを考えます。また、行政や企業が行っている対策だけではなく、私たち一人ひとりの生活の中でできることについても考えていきます。
RAULのインターンシップに参加いただいた日本経済大学のインターン生:B.A.さんが執筆してくれた記事だモ!内容がご参考になりましたら、ぜひともイイネやシェアしてほしいだモ!
ヒートアイランド現象とは
ヒートアイランド現象とは、都市の中心部の気温が、その周りの地域より高くなる現象のことです。気温の分布を地図で見ると、都市の高温になっている場所が島のように見えることから、この名前が付けられています。
東京のような大都市では、多くの人が生活しているため、たくさんの建物や道路があります。道路にはアスファルトが使われ、建物にはコンクリートなどが使われています。これらは太陽の熱を受けると温まり、その熱をすぐには逃がさず、周りに熱を出します。そのため、街の中に熱がたまりやすくなります。
一方、土や植物がある場所では、植物から水分が出たり、土や水が熱を吸収したりすることで、周りの温度を下げる働きがあります。しかし、都市化が進むと、そのような自然の場所が少なくなります。
つまり、東京の暑さは「夏だから暑い」というだけではありません。都市のつくりそのものが、暑さを感じやすくしているということが重要です。
なぜ東京の街は暑くなりやすいのか
東京の街が暑くなりやすい理由は、一つだけではありません。いくつかの原因が重なって、都市の中に熱がたまりやすくなっています。
① アスファルトやコンクリートが多い
東京の道路や歩道には、アスファルトやコンクリートが多く使われています。これらは太陽の光を受けることで温度が上がります。
夏の日に道路を歩いていると、空気の温度だけではなく、足元からも暑さを感じることがあります。特に日差しが強い時間帯には、道路そのものが熱くなっています。
自然の地面や植物が多い場所と比べると、アスファルトやコンクリートが多い都市では、熱がたまりやすくなります。
② 緑や水が少なくなっている
植物には、周りの温度を下げる働きがあります。木がある場所では日陰ができるため、直接太陽の光を受けるよりも涼しく感じます。また、植物が水分を出すことによって、周りの熱を減らす働きもあります。
東京には公園や街路樹などの緑がありますが、建物や道路が多い地域では、自然が十分にあるとは言えません。
一方、大きな緑地は都市の中で「クールアイランド」のような役割を持つことがあります。皇居のような大きな緑地は、周辺の市街地より気温が低く、周辺の暑さをやわらげる効果が確認されています。
このことからも、東京の中に緑を残すことは重要だと考えられます。
③ 建物や自動車などから熱が出ている
東京では、たくさんの建物や自動車があります。建物ではエアコンなどの機械が使われています。また、自動車などからも熱が出ています。
夏になると、室内を涼しくするためにエアコンを使います。しかし、室内を冷やす一方で、室外機から外へ熱が出ます。
一人ひとりが出す熱は小さくても、東京のようにたくさんの人が生活している場所では、全体として大きな量になります。
④ 建物が多く、風が通りにくい場所がある
都市では、高い建物がたくさん建っています。建物の配置によっては、風が通りにくくなることがあります。
風があると、たまった熱が移動しやすくなります。しかし、風が弱い場所では熱がその場に残りやすくなります。
そのため、東京の暑さを考えるときには、建物や道路だけではなく、街全体の風の通り方について考えることも必要です。
暑さは私たちの生活にどう影響するのか
ヒートアイランド現象は、単に「暑くて嫌だ」という問題だけではありません。私たちの日常生活にもさまざまな影響があります。
① 外を歩くことが大変になる
夏の東京では、駅から学校や会社まで歩くだけでも暑さを感じます。特に日陰が少ない道路では、長い時間歩くことが大変になります。
信号を待っているときも、道路からの熱や太陽の光を直接受けるため、暑さを強く感じます。
街路樹などによって日陰ができれば、歩く人が受ける暑さを減らすことができます。
② 夜になっても暑さが残る
東京の夏では、夜になっても暑いと感じることがあります。
昼間に道路や建物が受けた熱がすぐになくなるわけではありません。そのため、日が沈んだ後も街の中に熱が残ります。
夜の気温が下がりにくいと、寝るときにも暑さを感じやすくなります。暑い状態が続くことで、十分に休めない人もいると考えられます。
③ 電気の使用量にも関係する
暑くなると、エアコンを使う時間が長くなります。暑い日に室内で快適に生活するためには、冷房は大切です。
しかし、多くの人が冷房を使うことで、電気の使用量も増えます。また、冷房設備から外へ熱が出ることもあります。
そのため、都市の暑さを考えるときには、暑さだけではなく、エネルギーの使い方についても一緒に考える必要があります。
④ 人だけではなく、街の環境にも影響する
暑さが続くと、人間だけではなく植物や動物などにも影響があります。
また、都市の中で緑が少なくなると、さらに暑さを感じやすくなる可能性があります。
だからこそ、暑さへの対策は「人間が涼しくなること」だけを考えるのではなく、人と自然が一緒に生活できる街をつくることも大切だと思います。
行政や企業が進めている対策
東京の暑さを減らすためには、一人ひとりの努力だけではなく、行政や企業の取り組みも必要です。
東京都では、ヒートアイランド対策として、遮熱性舗装や保水性舗装、河川や公園の緑化、街路樹、屋上緑化、壁面緑化など、さまざまな対策が進められています。
① 遮熱性舗装
遮熱性舗装は、道路の表面に太陽の熱を吸収しにくくする材料を使う方法です。
東京都では、夏の道路の温度上昇を抑えるため、遮熱性舗装などを実施しています。
道路は東京の街の中で大きな面積を占めているため、このような対策は重要だと思います。
② 緑化
緑化も重要な対策の一つです。
公園や街路樹を増やしたり、建物の屋上や壁を緑化したりすることで、街の中に自然を増やすことができます。
木があることで日陰ができ、歩いている人が感じる暑さを減らすこともできます。
また、皇居のような大きな緑地が周辺の街に冷たい空気を届ける効果も確認されています。
③ 保水性舗装
保水性舗装は、舗装に水を保つ機能を持たせる方法です。
水が蒸発するときには熱が使われるため、道路の温度上昇を抑えることが期待できます。
東京都でも遮熱性舗装と保水性舗装をヒートアイランド対策として実施しています。
④ 建物の緑化
建物の屋上や壁面に植物を取り入れることもできます。
東京では土地が限られているため、新しい公園をたくさん作ることが難しい場所もあります。そのため、すでにある建物の屋上や壁を利用することには意味があります。
【東京で行われている暑さ対策】
| 対策 | 目的 |
|---|---|
| 遮熱性舗装 | 道路の温度上昇を抑える |
| 保水性舗装 | 水の蒸発を利用して温度上昇を抑える |
| 街路樹 | 日陰をつくり、暑さをやわらげる |
| 屋上緑化 | 建物に緑を増やす |
| 壁面緑化 | 建物の壁に緑を取り入れる |
| 公園整備 | 都市の中に自然を増やす |
一人ひとりにできること
ヒートアイランド現象を減らすために、行政や企業だけが行動する必要はありません。
私たち一人ひとりの普段の生活の中にもできることがあります。
もちろん、一人の行動だけで東京全体の気温を大きく変えることは難しいです。しかし、多くの人が同じような行動を続ければ、少しずつ街の環境を変える力になると思います。
① 電気を必要以上に使わない
使っていない部屋の電気を消したり、エアコンを必要以上に強くしないようにしたりすることができます。
特に夏は冷房を使う機会が増えるため、無理のない範囲でエネルギーを大切に使うことが重要です。
ただし、暑い日に冷房を我慢しすぎる必要はありません。健康を守ることを一番に考えながら、無理なく省エネすることが大切です。
② 緑を大切にする
家で植物を育てたり、地域の緑を大切にしたりすることもできます。
ベランダで植物を育てるなど、小さなことでも自然を増やすことにつながります。
③ 徒歩や自転車、公共交通機関を利用する
近い場所に行くときには、徒歩や自転車を利用することもできます。
また、東京では電車やバスなどの公共交通機関が多いため、状況に合わせて利用することで、自動車から出る排熱や環境への負担を減らすことにつながります。
④ 打ち水などを取り入れる
暑い時期には、道路や家の周りに水をまく「打ち水」もあります。
ただし、いつでも効果があるわけではなく、時間や場所を考えて行うことが大切です。
昔からある方法ですが、現代の生活の中でもできる身近な暑さ対策の一つだと思います。
⑤ 暑さを我慢しない
暑さ対策というと、「我慢して電気を使わない」という考え方になりやすいですが、それは良くありません。
暑い日は水分をとり、必要に応じて冷房を使い、日陰を利用することも大切です。
ヒートアイランド対策では、街全体の温度を下げることと同時に、今ある暑さから人を守ることも重要です.
「暑さを減らす」だけではない考え方
ここまで、東京の暑さを減らす方法について考えてきました。
しかし、私はヒートアイランド対策を「気温を何℃下げるか」だけで考えるのは少し違うと思います。
なぜなら、同じ気温でも、木陰がある場所と、日差しを直接受ける場所では、私たちが感じる暑さが違うからです。
例えば、駅から学校まで歩くときに、日陰のある道を歩くことができれば、同じ気温でも少し楽に感じることがあります。
そのため、これからの東京では、
「街全体の温度を下げる」
だけではなく、
「人が暑さを感じにくい街をつくる」
という考え方も必要だと思います。
① 街を冷やす
緑化、保水性舗装、遮熱性舗装などによって、街にたまる熱を減らします。
② 日陰を増やす
街路樹や緑地などを増やし、歩く人が直接太陽の光を受けない場所を増やします。
③ 暑さから人を守る
冷房、水分補給、日傘、休憩できる場所などを利用し、暑い環境で無理をしないようにします。
この3つを組み合わせることが、これからの東京には必要だと思います。
私が考える、これからの東京
東京は、多くの人が住み、多くの会社や学校が集まっている大きな都市です。
便利な生活ができる一方で、建物や道路が多いことで、自然が少なくなっている場所もあります。
私は、これからの東京では「便利さ」と「自然」をどちらか一方にするのではなく、両方を大切にすることが必要だと思います。
例えば、駅の近くに木陰のある場所を増やしたり、ビルの屋上を緑化したり、道路の一部に植物を取り入れたりすることができます。
また、新しい建物を作るときにも、建物そのものだけではなく、周りの環境について考えることが大切です。
東京には、皇居、新宿御苑、公園、河川など、多くの自然があります。
これらの場所をつなげていくことで、都市の中に「涼しく過ごせる場所」を増やすことができると思います。
このような場所を守るだけではなく、街の中に小さな緑を増やしていくことも重要です。
【私が考える東京の未来】
| 今の東京で感じる問題 | これから必要なこと |
|---|---|
| 道路や建物が多い | 緑や水を取り入れる |
| 日陰が少ない場所がある | 街路樹などを増やす |
| 道路に熱がたまる | 遮熱・保水性舗装を利用する |
| エネルギーを多く使う | 省エネを進める |
| 夏に歩くことが大変 | 涼しく休める場所を増やす |
まとめ
東京の夏が暑い理由は、単純に「夏だから」ということだけではありません。
建物や道路が増え、緑や水のある場所が少なくなったこと、そして建物や自動車などから出る熱が増えたことなど、さまざまな原因があります。これらが重なることで、都市の中に熱がたまりやすくなり、ヒートアイランド現象につながっています。
東京都では、遮熱性舗装や保水性舗装、街路樹、公園、屋上緑化、壁面緑化など、さまざまな対策が進められています。
しかし、行政や企業だけで東京の暑さを解決することはできません。私たち一人ひとりも、省エネを意識したり、緑を大切にしたり、公共交通機関を利用したり、暑い日は無理をせずに日陰や冷房を利用したりすることができます。
私は今回、ヒートアイランド現象について調べて、東京の暑さは「自然の問題」だけではなく、私たちの街のつくり方や生活の仕方にも関係している問題だと感じました。
一人の力だけでは東京全体を変えることは難しいかもしれません。しかし、一人ひとりの小さな行動が集まれば、街の環境を変えるきっかけになります。
これからの東京には、便利で住みやすいだけではなく、暑い夏でも人と自然が一緒に過ごしやすい街が必要だと思います。
そのために、行政、企業、そして私たち一人ひとりが、それぞれの立場からできることを続けていくことが大切です。
参考資料
- 環境省「ヒートアイランド現象について」
- 東京都環境局「ヒートアイランド対策」
- 東京都建設局「遮熱性舗装・保水性舗装」
- 環境省「皇居におけるクールアイランド効果」

