水素自動車は本当に環境に優しい?未来を変える水素エネルギーの可能性を解説!
所属:日本経済大学
インターン生:インターン生: Y.Wさん

地球温暖化や脱炭素社会が世界的な課題になる中、「水素」というエネルギーが注目されています。水素自動車は走行時に二酸化炭素を直接排出しないことで知られていますが、水素は本当に環境に優しいのでしょうか。本記事では、水素の基本から水素自動車、水素コンロまで、東京スイソミルで学んだことを交えながら、水素エネルギーの可能性と課題について紹介します。
RAULのインターンシップに参加いただいた日本経済大学のインターン生: Y.Wさんが執筆してくれた記事だモ!内容がご参考になりましたら、ぜひともイイネやシェアしてほしいだモ!
なぜ今、水素エネルギーが注目されているのか
私たちの生活は、さまざまなエネルギーによって支えられています。朝起きて電気を使い、電車や自動車で移動し、学校や会社ではパソコンを使います。家に帰れば、冷蔵庫やエアコン、ガスなども使います。
このように、エネルギーは私たちの生活に欠かせないものです。
しかし、これまでの社会では、石炭、石油、天然ガスなどの化石燃料が広く利用されていました。化石燃料は私たちの生活を豊かにしてきましたが、その燃焼は二酸化炭素(CO₂)を発生させます。
では、私たちはこれまで、どのようにエネルギーを利用してきたのでしょうか。
約50万年前、人類は火を使い始めました
人間は長い間、日常生活のためにエネルギーを使ってきました。
人類は約50万年前に火を使っていたと言われています。火を使って調理したり、暖を取ったりすることで、生活をより便利にすることができました。
火の使用は、人類の生活を大きく変えた重要な出来事の一つです。
約300年前、産業革命で石炭が広く使われるようになりました
その後、約300年前に産業革命が始まり、石炭が広く使われるようになりました。
工場や蒸気機関が発展し、石炭が大量に使われるようになりました。
これによって工業の生産力が大きく向上し、人々の生活は大きく変わりました。
約100年前、石油と天然ガスがエネルギーの中心になりました
さらに、石油や天然ガスが広く利用されるようになると、自動車、飛行機、発電など、さまざまな分野でエネルギーを利用できるようになりました。
現在の便利な生活は、化石燃料によって支えられてきた部分が大きいです。
しかし、化石燃料を燃焼すると、大量のCO₂が排出されます。その結果、地球温暖化が進み、気候変動などの環境問題が発生しています。
| 時代 | 主なエネルギー | 主な利用 |
|---|---|---|
| 約50万年前 | 火 | 調理・暖房 |
| 約300年前 | 石炭 | 工場・蒸気機関 |
| 約100年前 | 石油・天然ガス | 自動車・発電・産業 |
| 現在 | 再生可能エネルギー・水素など | 脱炭素社会に向けた取り組み |
これからの社会では、今までの便利な生活を維持しながら、CO₂排出量を減らすことが求められています。
そこで、次世代のエネルギーの一つとして注目されているのが水素です。
水素とはどのようなエネルギーなのか
「水素」と聞くと、少し難しいものに感じるかもしれません。
しかし、水素は私たちの身近なところにも関係しています。
水素は「H₂」という気体
水素ガスは、化学式ではH₂と表されます。
水素原子2個からできている、とても軽い気体です。
水はH₂Oなので、水の中にも水素が含まれています。
ただし、水をそのまま燃料として使うことはできません。水から水素を取り出すためには、水を電気分解するなどの方法が必要です。
水素はどのように作られる?
水素は、さまざまな方法で作ることができます。
例えば、天然ガスなどの化石燃料を利用する方法や、水を電気分解する方法があります。
特に、太陽光や風力などの再生可能エネルギーから作った電気を使って、水を電気分解して水素を作る方法は「グリーン水素」と呼ばれ、脱炭素化に向けて期待されています。
ここで、一つ面白い疑問があります。
「ガス」と「水素」は同じではない?
普段、家庭で使っているガスコンロについて考えてみましょう。
「都市ガスには水素が含まれているなら、ガスと水素は同じではないのか?」と疑問に思う人もいるでしょう。
しかし、これは同じものではありません。
都市ガスの主な成分の一つはメタン(CH₄)です。メタンには炭素と水素が含まれています。
一方、水素はH₂です。
| 項目 | 都市ガスの主成分の一つ | 水素ガス |
|---|---|---|
| 代表的な物質 | メタン | 水素 |
| 化学式 | CH₄ | H₂ |
| 炭素 | 含む | 含まない |
| 燃焼時のCO₂ | 発生する | 直接発生しない |
この違いを知ると、水素エネルギーについてさらに理解しやすくなります。
水素は本当に環境に優しいのか
よく「水素は環境に優しい」と言われます。
実際、水素を燃料として使う場合、二酸化炭素排出量(CO₂)は使い方によって大幅に削減できます。
しかし、ここでは注意が必要です。
水素だからといって、必ずしも環境に優しいとは限りません。
重要なのは「水素はどのように生産されるのか?」ということです。
水素を利用するときだけを見るのではなく、水素を作る過程でどのくらいCO₂が排出されるのかについても考える必要があります。
水素には、製造方法によっていくつかの種類があります。代表的なものが「グレー水素」「ブルー水素」「グリーン水素」です。
グレー水素とは?
グレー水素は、天然ガスなどの化石燃料を使って生産される水素です。
水素の製造過程でCO₂が発生するため、製造過程に環境への影響があります。
ブルー水素とは?
ブルー水素も化石燃料から生産されます。
しかし、製造時に発生したCO₂を回収・貯蔵することで、CO₂排出量の削減を目指しています。
グリーン水素とは?
グリーン水素は、太陽光や風力などの再生可能エネルギーから電力を生み出し、水を電解して生成されます。
製造時のCO₂排出削減により、特にカーボンニュートラルの達成が期待されています。
| 水素の種類 | 主な製造方法 | CO₂排出への特徴 |
|---|---|---|
| グレー水素 | 化石燃料を利用 | 製造時にCO₂が発生 |
| ブルー水素 | 化石燃料+CO₂回収など | CO₂排出を抑える |
| グリーン水素 | 再生可能エネルギー+水の電気分解 | CO₂排出を大きく抑えることが期待される |
つまり、水素について考えるときには、「使うとき」だけを見るのではなく、「作るところ」から考える必要があります。
水素自動車は本当に環境に優しい?
水素エネルギーと聞くと、多くの人が最初に思い浮かべるのは水素自動車ではないでしょうか。
水素自動車の代表的な例が、燃料電池車(FCV)です。
燃料電池車はどのように機能するのか?
FCVは、水素と空気中の酸素を利用して電気を作り、それがモーターを動かします。
簡単に言えば、プロセスはこうです。
水素→燃料電池→電気→モーター→車が走る
ガソリン車とは、車を動かす仕組みは全く異なります。
ガソリン車との違い
| 項目 | ガソリン車 | 燃料電池自動車 |
|---|---|---|
| 燃料 | ガソリン | 水素 |
| 動力 | エンジン | モーター |
| 走行時のCO₂ | 排出する | 直接排出しない |
| 主な排出物 | CO₂など | 水 |
FCVは、走行時にCO₂を直接排出しないことが大きな特徴です
そのため、環境への影響を減らすための自動車の一つとして期待されています。
水素自動車のメリット
水素自動車には、次のようなメリットがあります。
- 走行時にCO₂を直接排出しない
- モーターで走るため静か
- 水素を比較的短時間で補給できる
- 長距離移動への利用も期待されている
しかし、水素自動車にも課題がある
一方で、水素自動車には課題もあります。
特に大きいのが、水素ステーションの数です。
ガソリンスタンドと比べると、水素を補給できる場所はまだ限られています。
また、水素を作るためのコストや、水素を運ぶための設備も必要です。
そのため、「水素自動車ならすぐにすべての問題を解決できる」というわけではありません。
水素自動車を本当に環境に優しい自動車として普及させるためには、水素の製造方法やインフラ整備も一緒に考える必要があります。
水素は車だけじゃない!家庭で使う「水素コンロ」
人々が水素と聞くと、多くの人は自動車を思い浮かべますが、水素は自動車だけに使われるわけではありません。
水素は発電や産業など複数の分野で利用される見込みです。
その中でも特に「水素コンロ」と「水素キッチン」に興味があります。
普段使っているガスコンロ
現在では、多くの家庭がガスコンロやIH調理用ヒーターを使用しています。
ガスコンロは、都市ガスやLPガスを燃料として使用します。
ガスを燃焼させて火を起こし、その熱を利用して調理します。
しかし、化石燃料を含むガスを燃焼すると、CO₂が発生します。
そこで、「調理に使っているガスの代わりに、水素を使うことができるのか?」という疑問が生まれました。
水素コンロとは?
水素コンロは、調理用燃料として水素を利用するコンロです。
水素を燃焼させた場合、燃料そのものに炭素が含まれていないため、燃焼時にCO₂を直接排出しないという特徴があります。
しかし、水素コンロは現在のガスコンロほど一般的ではありません。
そのため、今すぐ家庭用ガスコンロを水素コンロに置き換えることができるわけではありません。
水素コンロは将来のエネルギー利用の可能性の一つとして考えることができます。
水素が家庭で使われる未来は来る?
今の私たちにとって、水素を家庭で利用する生活は、まだ「未来のもの」に見えるかもしれません。
しかし、環境問題を考えると、単に自動車を変えるだけでは不十分ではありません。
私たちは家庭でも、電気やガスなど、さまざまなエネルギーを使っています。
将来的に、水素を家庭でも利用できるようになれば、交通だけでなく、日常生活の脱炭素化にもつながる可能性があります。
水素エネルギーのメリット
水素には多くの可能性があります。
ここでは、特に重要なメリットを4つ紹介します。
①CO₂排出量の削減につながる
水素を利用することで、利用する場所でのCO₂排出を抑えられる可能性があります。特に燃料電池自動車では、走行時にCO₂を直接排出しません。ただし、先ほど紹介したように、水素の製造方法によって環境への影響が変わることに注意が必要です。
②再生可能エネルギーと組み合わせられる
太陽光や風力などの再生可能エネルギーは、天候や時間によって発電量が変化します。
例えば、太陽光発電は夜には発電できません。
そこで、再生可能エネルギーによって作った電気を利用して水素を作り、必要なときに利用するという方法が考えられています。
③エネルギーを貯める方法になる
電気をそのまま長期間保存することは簡単ではありません。
一方で、電気を利用して水素を作り、その水素を貯蔵しておくことで、エネルギーを別の形で保存することができます。
そのため、水素は再生可能エネルギーを有効に利用するための手段としても期待されています。
④さまざまな分野で利用できる
水素は自動車だけではありません。
| 分野 | 利用例 |
|---|---|
| 自動車 | 燃料電池自動車 |
| 家庭 | 水素コンロなど |
| 発電 | 水素を利用した発電 |
| 産業 | 工場などのエネルギー利用 |
| エネルギー | 貯蔵・輸送 |
このように、水素には「一つの用途だけではない」という特徴があります。
水素社会にはまだ課題がある
水素には大きな可能性がありますが、普及するためには解決しなければならない課題があります。
課題①水素を作るためのコスト
水素を作るには設備やエネルギーが必要です。
特にグリーン水素を大量に製造するためには、再生可能エネルギーによる電力や水電解装置などの整備が必要です。
そのため、コストをどのように下げるかが重要になります。
課題②水素ステーションなどのインフラ
水素自動車を普及させるには、水素を補給できる場所が必要です。
どれだけ車が安くなっても、水素を入れる場所が少なければ利用しにくいです。
そのため、自動車だけではなく、水素ステーションなどのインフラも同時に整備する必要があります。
課題③水素の輸送と貯蔵
水素はとても軽い気体です。
そのため、大量の水素を効率的に運び、保存するためには技術が必要です。
「水素を作る」だけではなく、
つくる→ためる→はこぶ→つかう
という全体の流れを考える必要があります。
課題④安全に利用するための仕組み
水素をエネルギーとして利用するためには、安全性も重要です。
水素を扱う設備を適切に管理し、利用する人が正しい知識を持つことが必要です。
新しいエネルギーを普及させるためには、「便利だから使う」だけではなく、「安全に使える仕組み」を作ることも大切です。
東京スイソミルを訪れて感じた水素の可能性
私は今回、東京スイソミルを訪れて、水素について実際に学ぶ機会がありました。
それまで、私は水素と聞くと、水素自動車や燃料電池などを思い浮かべていました。しかし、実際に施設を見学して、水素は自動車だけではなく、発電や産業など、さまざまな分野で利用されていることを知りました。
特に、印象に残ったのは、水素をどのように作るのかということです。水素は利用する場所でCO₂を直接排出しないという特徴がありますが、すべての水素が同じように環境に優しいわけではありません。水素を作る方法によって、CO₂の排出量も変わることを知りました。
また、実際に水素について学んだことで、今までよりも水素を身近に感じるようになりました。水素自動車だけでなく、将来は家庭やさまざまな場所でも水素が使われる可能性があります。
東京スイソミルを訪れる前は、水素は少し遠い存在だと感じていました。しかし、今回の見学を通して、水素はこれからの生活や社会と関係するエネルギーの一つだと感じました。
まとめ
今回、水素について調べてみて、最初に思っていたよりも、水素は私たちの生活と関係が深いことが分かりました。
最初は「水素=水素自動車」というイメージが強く、水素についてあまり詳しく知りませんでした。しかし、調べていくと、水素は自動車だけではなく、発電や産業、家庭など、いろいろなところで使える可能性があることを知りました。
また、水素は環境に優しいというイメージがありますが、作り方によってCO₂の排出量が変わることも分かりました。そのため、単純に「水素だから環境にいい」と考えるのではなく、どのように作られた水素なのかを見ることも大切だと思いました。
実際に東京スイソミルを訪れたことで、水素を少し身近に感じることもできました。特に、水素自動車だけではなく、さまざまな分野で水素を利用することが考えられていることが印象に残りました。
今回の記事を書くために水素について調べたことで、私自身もエネルギーについて考えるきっかけになりました。
これから水素が私たちの生活の中でどのように使われていくのか、楽しみにしています。

