スポーツ×環境問題 あなたも地球のサポーターに!!
所属:専修大学
インターン生:K.Tさん

近年、「環境問題」、「ゼロエミッション」「SDGs」などたくさんの環境対策に関する言葉をメディアで見聞きする機会が増えた一方、どこか遠い話に感じられがちです。また実際に環境対策に取り組んでいる人は少ないと思います。しかし今、大好きなチームを応援することが、実は地球を守る行動につながっています。そんな身近で新しい環境との関わり方を紹介します。
RAULのインターンシップに参加いただいた専修大学のK.Tさんが執筆してくれた記事だモ!内容がご参考になりましたら、ぜひともイイネやシェアしてほしいだモ!
なぜ今スポーツ界が環境対策に乗り出すのか?気候変動が脅かす「サッカーの日常」
関係性が薄いと思われがちな「スポーツ」と「環境問題」ですが、近年の地球温暖化や異常気象は、スポーツ開催そのものを揺るがす深刻な脅威となっています。
これまでのように快適に試合を観戦し、選手が最高のパフォーマンスを発揮するという当たり前の日常が、気候変動によって脅かされ始めているのです。
ここでは、なぜJリーグをはじめとするスポーツ界が環境対策を最優先課題として掲げるようになったのか、その背景にある切実な現状と理由を詳しく解説します。
猛暑や豪雨による試合中止・日程変更の実態
近年、日本の夏は過去最高気温を更新し続けており、猛暑や酷暑がスポーツ界に与えるダメージは無視できないレベルに達しています。
日中の激しい暑さは選手たちの体に著しい負担をかけ、熱中症のリスクを高めるだけでなく、パフォーマンスの低下や怪我の増加を引き起こす要因となります。
また、スタジアムに足を運ぶサポーターにとっても、長時間の野外観戦は健康上の大きなリスクとなりえます。
さらに、猛暑だけでなく大型化する台風や線状降水帯による局地的なゲリラ豪雨も大きな脅威です。
急激な大雨によってピッチが冠水したり、公共交通機関がストップしたりすることで、試合のキックオフ直前に延期や中止を余儀なくされるケースが増加しています。

出典:公益社団法人 日本プロサッカーリーグ
上記のグラフからも読み取れるように、近年のJリーグでは台風の激甚化や線状降水帯の発生にともない、不可抗力による試合中止や日程変更が明らかに常態化しつつあります。
一度試合が中止になれば、代替開催日の確保など、クラブ側にも甚大な経済損失が発生します。
気候の異常は、もはやテレビのニュースの中の出来事ではなく、毎週楽しみにしている週末のサッカー観戦を直接脅かす身近な危機となっているのです。
スポーツができる健全な地球環境を守るという新しい使命
こうした危機を背景に、スポーツ界における環境対策の捉え方は大きく変化しました。
これまでの環境対策といえば、CSRと呼ばれる企業の社会貢献活動の一環として、樹木を植えたりゴミ拾いを行ったりするボランティア的なイメージが強いものでした。
しかし現在、スポーツ界にとっての「気候変動対策」は、単なるボランティアではなく、スポーツビジネスやスポーツ文化そのものを存続させるための必須の防衛策へと進化しています。
健全なスポーツ環境がなければ、スポーツを楽しむことすらできないという根本的な事実、世界中のスポーツ団体が気づき始めています。
サッカーをはじめとするスポーツには、国境や世代を超えて人々を魅了し、大きな熱狂を生み出す圧倒的な発信力があります。
自分たちの愛する競技場やピッチを守るためにスポーツ界が自ら環境対策の先頭に立ち、その姿勢を社会に示すことこそが、現代のスポーツ界に課された使命であります。
Jリーグが進める「気候アクション」とは?
日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)は、気候変動に対応するための指針として「Jリーグ気候アクション」を立ち上げ、本格的な取り組みを進めています。
全国60ものクラブが地域密着という最大の強みを活かし、どのような方針で脱炭素や環境保全に取り組んでいるのか、その全体像をご紹介します。
CO2排出量の「見える化」と公式戦の再生可能エネルギー運営
Jリーグの環境対策において、最初の一歩となったのが温室効果ガス排出量の正確な把握です。
各クラブやスタジアムの会計データをもとに年間約1,200試合におよぶ公式戦のCO2排出量を可視化し、削減に向けた施策を講じています。
さらに、リーグ全体で電力由来のCO2排出量を実質ゼロにする取り組みを推進するなど、スタジアム運営のクリーン化を急速に進めています。
国際指標「Sport Positive Leagues(SPL)」へ参加
Jリーグは、スポーツを通じたサステナビリティの取り組みを数値化し、進捗を客観的に把握する国際イニシアチブ「Sport Positive Leagues(SPL)」へアジアではじめて参画しました。
エネルギー、廃棄物、交通といった12の重要項目で各クラブの活動データを分析・スコア化することで、他クラブや欧州主要リーグとの比較が可能となり、より高い目標へ向けた動機づけや先進事項の共有がスムーズに行われています。
ファンや子供たちを巻き込む「意識変容」の推進
Jリーグの強みは、地域住民やファンとの圧倒的な距離の近さにあります。
特任理事や元選手など影響力のある存在を活用した子供向けの環境教育イベントや、スタジアムでのファン参加型エコ企画を通じて、環境問題を自分ごととして捉えてもらうための工夫を凝らしています。
地域を愛する情熱そのまま環境への配慮へと繋げていくアプローチが、Jリーグ独自の特色です。
Jリーグと海外クラブの先進的な環境対策アイディア3選
環境対策は世界的な潮流であり、国内外のサッカークラブが地域の特色や最新技術を活かした独自のアイディアを打ち出しています。
ここでは、Jリーグから厳選した2つの先進事例と、欧州サッカー界から一つの代表的な取り組みをご紹介します。
水戸ホーリーホック:農業×太陽光発電「ソーラーシェアリング」の挑戦
茨城県をホームとする水戸ホーリーホックは、農地の上部空間に太陽光パネルを設置し、売電を行いながら下部で農作物を栽培する「ソーラーシェアリング」に取り組んでいます。
再生可能エネルギーの創出と地域農業の活性化を同時に達成するモデルであり、地域社会の課題解決と環境保全を掛け合わせたJリーグらしい好事例と言えます。
ヴァンフォーレ甲府:100%リユースカップ導入によるゴミの劇的削減
山梨県のヴァンフォーレ甲府は、地元NPOや企業と協働し、2004年からスタジアムのドリンク発売で繰り返し使える「リユースカップ」を100%導入しています。
デポジット制や自動回収機の活用により高い回収率を維持し、スタジアムから排出されるプラスチックゴミを大幅に削減することに成功しました。
一人の行動が明確な数値となって成果に現れる、サポーター参加型エコ活動のパイオニアです。
フォレストグリーン・ローヴァーズ:世界一緑なクラブが示す徹底した環境主義
イングランドのフォレストグリーン・ローヴァーズは、国連から初めて「カーボンニュートラル認定」をうけたクラブです。
スタジアムも電力はすべて再エネで賄われ、ピッチの芝生には有機肥料を使用し、選手や観客に提供する食事もすべてヴィーガン料理という徹底ぶりを見せています。
一つのクラブが本気で環境に向き合うことで、世界中のメディアやファンを惹きつける事例となっています。
私たちサポーターができること!4つのエコアクション
クラブやリーグが主導する環境対策を本当に意味のあるものにするためには、スタジアムに脚を運ぶサポーター一人ひとりの行動が不可欠です。
大好きなチームを応援しながら、個人の観客がスタジアムですぐに実践できる5つのエコアクションをご紹介します。
マイボトル・マイバックの持参
スタジアム内でのプラスチックゴミを減らすため、飲み物はマイボトルで持ち込み(スタジアムの持ち込みルール要確認!)、グッズの購入時にはマイバックを使用しましょう。
公共交通機関や徒歩、自転車での来場
観客の移動に伴うCO2排出は、試合開催における環境負荷の大部分を占めています。
自家用車ではなく、電車やシャトルバスといった公共交通機関を利用するだけで大きな貢献になります。
スタジアムでの正確なゴミ分別
食べ終わった容器や飲み残しを決められたルール通りに分別することは、リサイクル率を上げ、資源の再利用を促すための第一歩です。
地産地消・環境配慮型のスタジアムグルメを選ぶ
地元の食材を使った料理や、フードロス削減に取り組む店舗のメニューを選ぶことで、輸送時に発生するCO2の削減や地域経済の循環をサポートできます。
まとめ:大好きなスポーツを未来へ繋ぐために、一人ひとりが地球のサポーターに!!
夏の猛暑や激甚化する台風など。気候変動はすでに私たちの愛するサッカーの日常を脅かす存在となっています。
しかし、スタジアムには単に影響を受けるだけの場所でなく、多くの人が集まり、環境への意識を変えていける絶好の場所でもあります。
Jリーグや世界各国のクラブが進める先進的な取り組みは、スポーツの熱狂がそのまま社会を良くするエネルギーになることを証明しています。
Jリーグは地域とともに歩む「Jリーグ百年構想」を掲げてきました。未来を次の世代に繋ぐには、スポーツの土台である地球環境を守ることが欠かせません。
100年後も大好きなチームを応援するために、次の週末にスタジアムへ向かう一歩から、地球のサポーターとしての行動を始めてみませんか。

