室外機を屋上に設置すると電気代は高くなる?原因と節約対策をわかりやすく解説
マンションやビルの空調計画で、室外機を屋上にまとめて設置するケースは少なくありません。省スペース化や騒音対策のメリットがある一方で、「屋上に置くと電気代が高くなるのでは」と気になる方もいるのではないでしょうか。
この記事では、室外機を屋上に設置した場合に電気代へ与える影響や、電気代が高くなりやすい理由、そのための対策、屋上設置ならではの注意点についてご紹介しています。室外機の設置場所を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。
室外機の屋上設置は電気代に影響する?まず知っておきたいポイント
まずは、室外機を屋上に設置することが電気代にどう関係するのか、基本的な考え方を見ていきましょう。
屋上設置だから必ず電気代が高くなるわけではない
室外機を屋上に設置したからといって、それだけで一律に電気代が高くなるわけではありません。地上設置であっても、日当たりや風通しが悪い場所に設置すれば効率が落ちますし、屋上であっても遮熱・通風対策がしっかりしていれば、効率よく稼働させることができます。設置場所そのものよりも、後述する「設置環境」が電気代に大きく影響します。
電気代は「設置環境」と「熱交換効率」で大きく変わる
室外機は、空気中の熱を吸収・放出することで冷暖房をおこなう「熱交換」という仕組みで動いています。周囲の空気が高温だったり、排熱がうまく逃げなかったりすると、この熱交換の効率が下がり、同じ冷暖房能力を発揮するためにより多くの電力が必要になります。つまり、電気代を左右するのは設置場所そのものというより、室外機の周囲の温度環境や風通しといった条件です。
屋上設置で影響を受けやすいケース
屋上は地上と比べて日射を遮る建物や樹木が少なく、直射日光が当たりやすい環境です。また、コンクリートやアスファルトの照り返しの影響を受けやすいことも特徴のひとつです。こうした条件が重なる屋上設置では、対策を怠ると電気代が高くなりやすいケースがあります。
屋上設置の室外機で電気代が高くなりやすい理由
続いて、屋上設置の室外機で電気代が高くなりやすい具体的な理由についてご紹介します。
直射日光で室外機の温度が上昇する
室外機が直射日光を受け続けると、本体や周囲の空気の温度が上昇します。周囲の温度が高い状態で稼働すると、熱交換の効率が下がり、設定した温度に到達させるためにより多くの電力を消費しやすくなります。
コンクリートの照り返しで周囲温度が高くなる
屋上はコンクリートやモルタルで仕上げられていることが多く、夏場は照り返しによって足元の空気が高温になりやすい環境です。室外機がこうした照り返しの影響を受ける場所に設置されていると、直射日光と合わせて周囲温度がさらに上がりやすくなります。
排熱がこもり熱交換効率が低下する
室外機は運転中に熱を排出していますが、周囲の風通しが悪いと、この排熱がこもってしまいます。排熱がこもった状態が続くと、室外機は熱くなった空気を再び吸い込むことになり、熱交換の効率がさらに下がってしまいます。とくに壁際や複数台をまとめて設置している場合は、風の通り道を意識した配置が重要です。
配管が長い場合は冷暖房効率が低下することがある
屋上に室外機を設置し、各階の室内機まで配管を伸ばす場合、配管が長くなるほど、冷媒が移動する間の熱のロスが生じやすくなります。配管の長さや高低差が大きいほど、機種によっては本来の性能を発揮しにくくなる場合があるため、設計段階での配管ルートの検討が大切です。
屋上設置でも電気代を抑えるための対策
ここからは、屋上に室外機を設置していても電気代を抑えるための対策についてご紹介します。
日よけや遮熱対策で直射日光を防ぐ
室外機の上部に日よけカバーやすだれ状の遮熱ネットを設置することで、直射日光による温度上昇を抑えやすくなります。ただし、吸排気口をふさいでしまうと逆効果になるため、風の通り道を確保できる製品を選びましょう。
室外機の周囲に十分なスペースを確保する
室外機の前後左右や上部に十分なスペースを確保することで、排熱がこもりにくくなり、熱交換の効率を保ちやすくなります。複数台を並べて設置する場合も、間隔を空けて風の通り道を確保することが大切です。
フィンやフィルターを定期的に清掃する
室外機の熱交換をおこなう「フィン」と呼ばれる金属の羽根部分にほこりや汚れが溜まると、熱交換の効率が落ちる原因になります。資源エネルギー庁によると、フィルターの目詰まりを解消するだけで、年間約990円の省エネにつながるとされています(家庭用エアコン1台を基準とした試算)。定期的な清掃を心がけましょう。
エアコンの設定温度や自動運転を見直す
資源エネルギー庁の試算では、冷房の設定温度を27℃から28℃に1℃緩和するだけで、年間約940円の省エネにつながるとされています*1。屋上設置に限らず、無理のない範囲で設定温度を見直すことや、自動運転モードを活用することも、電気代の抑制につながります。
劣化したエアコンは高効率機種への更新を検討する
資源エネルギー庁によると、今どきの省エネタイプのエアコンは、10年前の機種と比べて約17%の省エネになるとされています。屋上設置の室外機は直射日光や風雨の影響を受けやすく、劣化が進みやすい環境でもあるため、古い機種を使い続けている場合は更新を検討する価値があります。
屋上設置時に確認しておきたいポイント
最後に、室外機を屋上に設置する際に知っておきたいメリット・デメリットや注意点についてご紹介します。
屋上設置のメリット・デメリット
メリット(設置スペース・騒音対策など)
屋上設置の主なメリットは、地上や各階のベランダにスペースを取らずに済むことです。また、室外機の稼働音が居住スペースや隣接する建物から離れるため、騒音対策としても選ばれることがあります。複数台をまとめて設置しやすいことも、集合住宅やビルで屋上設置が採用される理由のひとつです。
デメリット(メンテナンス・直射日光・配管距離)
一方で、屋上は日常的に人が出入りする場所ではないため、点検やメンテナンスの際にアクセスしづらいというデメリットがあります。また、直射日光や風雨にさらされやすく、配管も長くなりがちです。設置時にはこうしたデメリットを踏まえた対策をあわせて検討することが大切です。
業務用・家庭用で注意点は異なる
家庭用エアコンの室外機を屋上に設置するケースは限られますが、ビルや商業施設で使われる業務用の空調設備では、屋上に複数台の室外機(室外ユニット)をまとめて設置することが一般的です。業務用は台数が多く、稼働時間も長くなりやすいため、家庭用以上に設置環境の管理が重要になります。
電気代が急に高くなった場合のチェックポイント
室外機まわりの電気代が急に高くなった場合は、フィンやフィルターの汚れ、周囲の障害物による風通しの悪化、日よけの劣化や破損などがないか確認しましょう。原因が特定できない場合は、専門業者に点検を依頼することも検討してください。
まとめ
室外機を屋上に設置すること自体が、必ずしも電気代を高くする原因になるわけではありません。直射日光や照り返し、排熱のこもりといった設置環境への対策をしっかりおこなうことで、屋上設置でも効率よく空調設備を運用できます。
なお、室外機を屋上に設置する際は、重量のある機器を安全に屋上まで運搬・設置する作業が必要になります。荷揚げには専門的な技術や経験が求められるため、経験豊富な業者に依頼することが安心につながります。大阪・神戸・京都・名古屋などの関西エリアを中心に、建設現場での資材の荷揚げをおこなっている「松揚」では、室外機のような重量機器の運搬にも対応しています。屋上への設備設置を検討している方は、ぜひ相談してみてください。
エコモは各地を飛び回って、電力・エネルギーや地球環境についてお勉強中なんだモ!色んな人に電気/ガスのことをお伝えし、エネルギーをもっと身近に感じてもらいたいモ!

