エコキュートは停電時に使える?お湯が出る条件・復旧方法・災害時の注意点について解説
災害などにより停電したとき、エコキュートが普段どおりに使えるのか気になっている方は多いでしょう。エコキュートは貯湯タンクにお湯を貯めておく仕組みのため、停電中でもお湯を使える場合があります。ただし、停電時特有の注意点も多いため、いつもと同じようにエコキュートを使うことはおすすめできません。
本記事では、停電時にエコキュートのお湯が出る条件や、停電中にお湯を使うときの注意点などを解説します。停電と断水が同時に起きたときの使い方や、停電から復旧したときのチェックポイントもお伝えするため、災害時の備えとして参考にしてみてください。
エコキュートは停電時でも使える?
停電時でも、エコキュートの貯湯タンク内に残っているお湯を使える可能性があります。ただし、電気が止まっているため、新たな沸き上げはできません。
また、断水していない場合は、蛇口やシャワーからお湯が出る機種が多く、災害時の生活用水として役立てられます。機種や状況によって利用できる機能が異なるため、事前に確認することが大切です。
停電時にエコキュートでできること・できないこと
停電中は、エコキュートで電気を使う機能が大幅に制限されます。一方で、タンク内にお湯が残っていれば、基本的な給湯は可能なケースが多いです。
まず、停電時にエコキュートでできること・できないことを整理しておきましょう。
【停電時にできること・できないこと】
| できること | できないこと |
|---|---|
| ・蛇口やシャワーからの給湯 ・生活用水としての利用 |
・沸き上げ ・自動湯はり、追いだき ・リモコンの操作 |
所定の条件を満たす場合は給湯が可能であり、蛇口やシャワーからお湯が出なくても、貯まったお湯を取り出して生活用水として活用できます。一方で、電力を利用した操作ができなくなるため、沸き上げや湯はりなどの機能を使ったり、リモコンを操作したりはできません。
ここからは、それぞれの項目を詳しく解説します。
蛇口やシャワーからタンク内のお湯を使える場合がある
貯湯タンクにお湯が残っていれば、停電中でも蛇口やシャワーからお湯を出せます。エコキュートは、沸かしたお湯を貯湯タンクに貯めておき、必要なタイミングで供給する貯湯式の給湯機です。貯湯タンクには一定のお湯が貯められているため、災害時でもタンク内のお湯や水を利用できます。
ただし、停電中はリモコンで給湯温度を変更できません。また、機種によっては、停電中に蛇口やシャワーからお湯を使えない場合があります。心配な場合は、ご自身が使用しているエコキュートが、停電中もお湯を出せる機種かどうかを確認しておきましょう。
タンク内のお湯は生活用水としても使える
貯湯タンク内のお湯は、生活用水として利用できます。
- 手洗い
- 掃除
- トイレの流し水
- 体を拭く
- 食器洗い など
<貯湯タンクのお湯の使い道>
3~5人家族向けのエコキュートの場合、満タン時には370Lほどのお湯が貯湯タンクに貯まっています。これは、一般的な浴槽の約2杯分に相当する湯量です。飲用水としては利用できませんが、災害時の生活用水として大いに役立つでしょう。
リモコン操作・追いだき・自動湯はりはできない
停電中は、電気を使う機能が制限されます。具体的には、リモコン操作や追いだき、自動湯はりといった機能です。これらの機能を利用する際は電気が必要になるため、停電時には使用できません。
特に注意しなければならないのは、蛇口やシャワーからお湯を出すときです。普段のようにリモコンを使って温度をコントロールできないため、タンク内の高温のお湯がそのまま出てくる可能性があります。やけどすることがないように、手元で温度を確認してからお湯を使い始めましょう。
停電中にお湯を使うときの注意点
停電中にお湯を使う場合は、普段とは異なる注意が必要です。やけどやお湯切れを防ぐために、これから解説する3つのポイントを確認しましょう。
熱湯によるやけどに注意する
停電中は、リモコンによる温度調節ができません。そのため、タンク内にある高温のお湯がそのまま出てきた場合、やけどをするリスクがあります。お湯を使う場合、最初は少量ずつ出し、直接触れる前に湯温を確認しましょう。特に子どもや高齢者がいるご家庭では、慎重に対応することが重要です。
また、後述する方法で貯湯タンクから生活用水を取り出す際も、やけどには十分に注意しましょう。手元や足元が見えにくくなる、深夜・早朝といった時間帯の作業は危険を伴います。できる限り、日中の明るい時間帯を選んで作業するのがおすすめです。
タンク内のお湯を使い切らないようにする
停電中は沸き増しできないため、お湯はできる限り節約して使いましょう。貯湯タンク内のお湯を使い切ってしまうと、電気の供給が再開するまでお湯が使えなくなります。貴重な生活用水を無駄にしないために、できる限りお湯の無駄遣いをなくすことが大切です。
飲料水としては使わない
非常用取水栓から取り出した湯水は、生活用水として使用し、飲用は避けてください。タンク内の湯水の飲用可否や条件はメーカーや機種によって異なるため、取扱説明書に従ってください。
停電時にエコキュートのお湯が出る条件
停電時にエコキュートを使うためには、次の条件を満たさなければなりません。
- 貯湯タンクにお湯が残っている
- 水道や給水圧に問題がない
- 混合水栓や配管に異常がない
<停電時にエコキュートのお湯が出る条件>
上記3つのポイントについて、詳しく解説します。
貯湯タンクにお湯が残っている
もっとも重要な条件は、貯湯タンクにお湯が残っていることです。停電前に沸かしたお湯が残っていれば、エコキュートを使える可能性があります。停電が予想される場合は、事前に満タン近くまでお湯を貯めておきましょう。
水道や給水圧に問題がない
お湯を蛇口やシャワーから出すためには、水道からの給水圧が必要です。そのため、断水していたり、給水圧が低下していたりする場合は、お湯が出にくくなります。停電と断水が同時に起きている場合、蛇口やシャワーからは給湯できません。
混合水栓や配管に異常がない
水栓や配管の不具合でも、お湯が出ない場合があります。例えば、配管の詰まりや凍結、損傷なども、お湯が出なくなる原因のひとつです。停電以外のトラブルが隠れている可能性もあるため、すべての蛇口をひねり、どの箇所に異常が発生しているかもチェックしましょう。
停電と断水が同時に起きたときのエコキュートの使い方
停電と断水が重なると、蛇口やシャワーからの給湯は不可能です。しかし、貯湯タンク内の水を非常用水として取り出せる可能性があります。その手順を確認しておきましょう。
①断水しているか確認する
まず、混合水栓を水側にして短時間開き、水が出るか確認します。水が出ない場合は断水している可能性があるため、蛇口を閉めて次のステップへ進みましょう。
②お湯が出ない場合は貯湯タンクの水を使う
お湯が蛇口から出ない場合でも、タンク内にはお湯が残っているケースが多いです。この場合は、タンク内の水を非常用水として使えます。
大規模災害では、公的支援がすぐに届かない可能性があるため、家庭では最低3日分、可能であれば1週間分の水や食料を備蓄することが推奨されています。エコキュートがあると、この間もトイレや手洗い、洗濯などに使う水を確保できるため、快適に生活しやすいでしょう。
③非常用取水栓から水を取り出す
貯湯ユニットの下部などにある非常用取水栓からタンクのお湯を取り出しましょう。手順の例は、次のとおりです。
- 給水止水栓を閉める
- 漏電遮断器を「切(OFF)」にする
- 逃し弁レバーを上げる
- 非常用取水栓にホースを差し込み、水栓を開く
- 非常用取水栓を閉め、逃し弁レバーを下げる
<非常用取水栓から水を取り出す手順>
非常用取水栓の場所や手順は、機種によって異なります。取扱説明書を手元に用意してから作業を始めましょう。非常用取水栓からは熱湯が出ることがあるため、湯水に直接触れないでください。取り出し用のバケツを用意し、安全を確保して作業しましょう。
夜間や早朝など、周囲が暗い時間帯に作業する場合は、ライトで照らして安全を確保することが重要です。
④取り出した水は生活用水として使用する
取り出した水は飲用せず、トイレや掃除などの生活用水として使用しましょう。取り出した湯水は生活用水として使用し、飲用は避けてください。
停電から復旧した後に確認すべきこと
停電復旧後は、リモコン表示や時刻、ブレーカーの状態を確認してください。なお、エコキュートが浸水・冠水した場合は通電せず、点検・修理を依頼してください。
リモコンの表示・時刻設定・沸き上げ設定
停電でリモコンの時刻がリセットされる場合があるため、日時の設定がずれていないか確認しましょう。沸き上げ設定も、停電前の内容に戻っているか、念のため確認が必要です。
誤った時刻が表示されている場合や、時間が「–:–」「0:00」と表示されている場合は、取扱説明書を読みながら再設定してください。時刻がずれたままだと沸き上げのタイミングがずれ、機種や電気料金プランによっては電気料金に影響する可能性があります。
ブレーカーや漏電遮断器の状態
分電盤のブレーカーや本体側の漏電遮断器が「切」または「OFF」になっていないか確認します。非常用取水のために自分で切った場合は、断水復旧後の手順を取扱説明書で確認してから戻してください。自動的に切れていた場合や、戻しても再び切れる場合は、再投入を繰り返さず、販売店やメーカーに点検を依頼してください。
停電後にお湯が出ない場合はエラー表示
停電から復旧した後にお湯が出ない場合は、リモコンにエラーコードが表示されているか確認します。エラーコードが表示されている場合は、機器、配管、給水状態などに異常がある可能性があります。
エラーコードが表示された場合は取扱説明書を開き、エラーコードの内容とエコキュートの状態を照らし合わせましょう。対処法がわかる場合は、取扱説明書の案内に沿って対応します。対応が難しいと感じた場合は無理に操作せず、メーカーや販売店に相談することをおすすめします。
まとめ
エコキュートの貯湯タンクにお湯が残っている場合、停電時でもエコキュートから生活用水を取り出せる可能性が高いです。ただし、普段どおりにエコキュートを使うと思わぬトラブルに巻き込まれるおそれがあるため、以下の点には十分に注意しましょう。
- 熱湯によるやけどに注意する
- タンク内のお湯を使い切らないようにする
- 飲料水としては使わない
<停電中にお湯を使うときの注意点>
また、停電から復旧した後は、すぐにエコキュートを再起動せず、以下の3点を確認しましょう。
- リモコンの表示・時刻設定・沸き上げ設定
- ブレーカーや漏電遮断器の状態
- 停電後にお湯が出ない場合はエラー表示
<停電から復旧した後に確認すべきこと>
エコキュートのお湯は、手洗いや掃除、トイレの流し水などに活用できます。停電時は慌てずに生活用水を取り出す方法を確認し、復旧までのつなぎとして役立てましょう。
エコモは各地を飛び回って、電力・エネルギーや地球環境についてお勉強中なんだモ!色んな人に電気/ガスのことをお伝えし、エネルギーをもっと身近に感じてもらいたいモ!


















