エコキュートで後悔する人はいる?やめとけと言われる理由や選び方について解説
毎月の光熱費を大幅に減らせる可能性があるエコキュートは、近年の光熱費高騰により、さらに注目度を高めています。しかし、ネット上では「導入して後悔した」「やめとけばよかった」という声を目にすることも珍しくありません。
この記事では、エコキュートを導入して後悔する理由や、それでもエコキュートが選ばれる理由を詳しくご紹介します。後悔しないエコキュートの選び方も解説するので、エコキュートを購入するか迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
エコキュートで「後悔した」「やめとけばよかった」と言われる理由
エコキュートは光熱費を抑えやすく、災害時にも役立つ給湯器です。しかし、タンク容量・水圧・設置場所・電力プランなどを確認せずに導入すると、後悔につながることがあります。
まずは、エコキュートで「後悔した」と言われる理由を8つ見てみましょう。デメリットや注意点になり得るポイントを事前に把握することが、失敗を防ぐコツです。
導入にかかる初期費用が高い
エコキュートのネックとなるのが、導入時にかかる初期費用の高さです。一般的なガス給湯器と比べると、初期費用には次のような違いがあります。
【エコキュートとガス給湯器の初期費用の目安】
| エコキュート | ガス給湯器(エコジョーズ) | |
|---|---|---|
| 初期費用の目安 | 30万円~85万円 | 16万円~22万円 |
エコキュートの初期費用は、ガス給湯器と比べて高くなりやすい傾向にあります。ランニングコストを抑えやすいことはエコキュートのメリットですが、電気代の削減効果だけで初期投資を回収するまでには一定の期間がかかるため、導入前に費用対効果を確認しておくことが大切です。
お湯切れのリスクがある
エコキュートは、深夜に沸かしたお湯をタンクに貯める「貯湯式」です。家族構成や使用量に合わないタンク容量を選ぶと、日中にお湯を使い切る「お湯切れ」が起きる場合があります。追加でお湯を作る「沸き増し」も可能ですが、その分の電気代がかかるため、節約効果が薄れる点には注意が必要です。
水圧が弱く感じる可能性がある
水道圧に近い形で給湯するガス給湯器に対し、一般的なエコキュートは貯湯タンクを保護するため、給湯圧を調整しています。そのため、ガス給湯器からエコキュートへ交換すると、以前よりもシャワーの勢いが弱く感じられる場合があります。
水圧の目安を比較してみましょう。
【給湯器の水圧比較】
| エコキュート 標準圧タイプ | 約170~190kPa |
| エコキュート 高圧タイプ | 約280~320kPa |
| エコキュート パワフル高圧タイプ | 約500kPa |
| ガス給湯器 | 約500kPa |
※水圧はメーカーや機種、給水元圧、配管の状態、シャワーヘッドの種類によって異なります。
このデメリットはメーカー側も把握しており、高圧タイプやパワフル高圧タイプ、水道直圧給湯に対応したエコキュートも販売されています。勢いのあるシャワーを好む場合や、2階以上でお湯を使う場合は、標準圧タイプではなく高圧タイプ以上のエコキュートを選ぶとよいでしょう。
騒音トラブルにつながる可能性がある
エコキュートのヒートポンプユニットは、夜間から早朝にかけて稼働することが多く、設置場所によっては運転音や振動が気になる場合があります。音の大きさ自体が極端に大きいわけではありませんが、周囲が静かな深夜は音が目立ちやすいため注意が必要です。
隣家の寝室や窓の近くを避ける、防振対策を行う、音が反響しやすい場所を避けるなど、設置場所を工夫しましょう。
電力プランの変更が必要になる
エコキュートの節約効果を高めるためには、夜間の電気料金が割安になるプランや、太陽光発電の余剰電力を活用しやすいプランなど、生活スタイルに合った電力プランを選ぶことが重要です。ただし、日中の在宅時間が長く、エアコンなどの家電を多く使う家庭では、夜間単価だけで判断すると電気代が思ったほど下がらない場合があります。
導入前に、現在の電気使用量や在宅時間をふまえてシミュレーションしましょう。
使用可能な入浴剤が限られる
エコキュートは、タンク内にお湯を循環させて保温や追い焚きを行うため、使用できる入浴剤が限られます。硫黄や泥などを含む入浴剤を使用すると、エコキュートが故障する可能性があるため注意しましょう。使用できる入浴剤は、メーカーや機種により異なるため、取扱説明書の確認が必要です。
設置スペースを確保する必要がある
エコキュートは、エアコンの室外機に似た「ヒートポンプユニット」と、お湯を貯める「貯湯タンクユニット」の2台で構成されています。そのため、ガス給湯器と比べて、より広い設置スペースが必要です。また、設置場所に加えて、搬入経路やメンテナンススペースも確保しなければなりません。
停電時は新しくお湯を沸かせない
エコキュートは電気でお湯を沸かすシステムのため、台風や地震などで停電が発生すると、復旧するまでは新しくお湯を沸かせません。仮に水道は普段どおりに利用できたとしても、システムやリモコンが動かないため、通常どおりの湯張りができない点にも注意しましょう。
それでもエコキュートが選ばれる理由・メリット
エコキュートには先述したようなデメリットがありますが、年々普及が進んでいます。エコキュートの累計出荷台数は、2025年3月時点で1,000万台を突破しました。
ここでは、エコキュートを導入して後悔したとの声もあるなか、それでもエコキュートが選ばれる理由をご紹介します。
給湯にかかる光熱費を抑えられる
エコキュートを導入する最大のメリットは、給湯の光熱費を抑えられることです。エコキュート以外の給湯器と、ランニングコストを比較してみましょう。
【ランニングコストの比較】
| 給湯器の種類 | ランニングコストの目安(年間) |
|---|---|
| エコキュート | 約36,000円 |
| ガス給湯器 | 約64,800円 |
| 電気温水器 | 約157,200円 |
| 石油給湯器 | 約92,400円 |
※東京電力エナジーパートナーエリアにおける一定条件での試算です。機器本体費用、設置・施工費用、基本料金、燃料費調整額などは含まれていません。
ガス給湯器と比較すると、給湯にかかるランニングコストを抑えやすく、電気温水器と比べても大幅な削減が期待できます。ただし、上記は一定条件での試算であり、実際の費用は使用湯量や契約プラン、燃料単価、機種などによって変動します。
断水・停電時に貯湯タンクのお湯を活用できる
断水・停電時には、タンク内のお湯や水を非常時の生活用水として使える場合があります。貯湯タンクにはまとまった量のお湯や水が貯められているため、災害時に不足しがちなトイレの流し水や、手洗い・掃除用の水として活用できます。
ただし、タンク内のお湯や水は飲用には向きません。また、停電中はリモコン操作や通常どおりの湯張りができない場合があるため、非常用取水栓の使い方を事前に取扱説明書で確認しておきましょう。
火災のリスクを抑えられる
エコキュートは、ガスや灯油を燃焼させずにお湯を沸かすため、燃焼に伴う火災や一酸化炭素中毒のリスクを抑えやすいこともメリットです。小さな子どもや高齢者と同居しているご家庭にとって、燃焼を伴わない給湯器を選べる点は安心材料のひとつといえるでしょう。
補助金により負担を軽減できる可能性がある
国や自治体は、省エネ性能の高い住宅設備の普及を推進しており、エコキュートを導入する方に対して補助金を支給している場合があります。一例として「給湯省エネ2026事業」では、所定の条件を満たすエコキュートの導入時に、1台あたり7万円が補助されます。性能加算要件を満たす場合は、さらに1台あたり3万円の加算を受けられる可能性があります。
ただし、補助金制度は予算上限に達すると終了する場合があるため、導入前に最新情報を確認しましょう。
太陽光発電・蓄電池と相性がよい
太陽光発電や蓄電池と組み合わせると、エコキュートの節電効果や防災性を高められる場合があります。太陽光発電の余剰電力を活用して昼間に沸き上げる機能を備えた機種なら、電力会社から購入する電力量を抑えやすくなります。
ただし、実際の節電効果は、発電量、天候、電力プラン、機種の機能、沸き上げ設定によって変わります。また、停電時にエコキュートを稼働させたい場合は、蓄電池の200V対応、全負荷・特定負荷の種類、配線設計、出力容量などの条件を事前に確認することが大切です。
子どもや高齢者の入浴見守りに便利な機種もある
スマホ連携、入浴検知、見守り機能などが搭載された機種もあり、子どもや高齢者と同居する方が安心して暮らしやすいでしょう。浴室内での不慮の事故や、入浴中の異変に気づきやすくなるなど、事故対策の一助になります。
省エネ性が高く、環境負荷を抑えやすい
エコキュートは、空気中の熱を利用するヒートポンプ技術を採用しています。これにより省エネ性を大幅に高められ、環境負荷を抑えやすく、地球環境の改善に役立つこともメリットです。
後悔しないエコキュートの選び方
エコキュートの導入で後悔しないためには、製品ごとの特徴やスペックを確認し、生活スタイルに合ったものを選ぶことが大切です。ここでは、後悔しないエコキュートの選び方を4つのポイントで解説します。
ライフスタイルに合う電力プランを決める
お湯を使う時間帯や太陽光発電の有無に合わせて、最適な電力プランを検討することが重要です。夜間にお湯を沸かす使い方が中心であれば、夜間料金が割安になるオール電化向けのプランが候補になります。一方で、日中の在宅時間が長い家庭や、太陽光発電の余剰電力を活用したい家庭では、昼間の電気料金や売電単価とのバランスも確認しましょう。
家族構成に合うタンク容量を選ぶ
お湯切れを防ぐために、家族構成に合うタンク容量を選びましょう。家族人数ごとのタンク容量の目安は、次のとおりです。
【家族人数ごとのおすすめタンク容量】
| 家族の人数 | おすすめのタンク容量 |
|---|---|
| 1~2人 | 180~300L |
| 3人 | 370L |
| 4人 | 370~460L |
| 5人以上 | 550L以上 |
上記に加えて、入浴回数やシャワー時間も考慮しましょう。お湯の使用量が多い場合は、目安よりもひと回り大きいサイズのタンク容量を選ぶのがおすすめです。
2階以上の場合は高圧タイプを選ぶ
2階・3階でシャワーを使うご家庭には、高圧タイプやパワフル高圧タイプがおすすめです。先述したとおり、一般的なエコキュートはガス給湯器と比べて水圧が弱く感じられる場合があります。さらに、2階以上でお湯を使う場合は水圧が下がりやすいため、標準圧タイプでは物足りなさを感じる可能性があります。
水圧を重視する場合は、高圧タイプ以上の機種を選び、設置前にメーカーや施工業者へ使用環境に合うか確認しておくと安心です。
騒音レベルが低いタイプを選ぶ
稼働音が気になる場合は、低騒音タイプのエコキュートを購入しましょう。また、設置場所の工夫も必要です。隣家の寝室や窓から離して設置すると、稼働音や振動が伝わりにくくなり、騒音トラブルを予防しやすくなります。
エコキュートがおすすめの家庭・おすすめしない家庭
ここまでのメリット・デメリットを踏まえて、エコキュートがおすすめの家庭・おすすめしない家庭を整理します。
エコキュートがおすすめの家庭
エコキュートがおすすめなのは、以下に該当するご家庭です。
- 毎月のガス代・給湯費を抑えたい家庭
- 家族人数が多くお湯を使う量が多い家庭
- オール電化住宅に住んでいる
または検討している家庭 - 太陽光発電や蓄電池を導入している家庭 など
<エコキュートがおすすめの家庭>
給湯にかかるランニングコストを抑えたい場合は、エコキュートがおすすめです。お湯を使う機会が多いご家庭や、オール電化住宅にお住まいの方は、よりエコキュートの恩恵を受けやすくなります。
エコキュートをおすすめしない家庭
エコキュートをあまりおすすめできないのは、以下に該当するご家庭です。
- タンクやヒートポンプユニットの設置スペースを確保できない家庭
- 標準圧タイプではシャワーの水圧に不満が出やすい家庭
- 隣家との距離が近く、設置場所を調整しにくい家庭
- お湯の使用量が非常に少なく、ランニングコスト削減の効果を感じにくい家庭 など
<エコキュートをおすすめしない家庭>
まずは、ヒートポンプユニットと貯湯タンクユニットの両方を設置するスペースを確保できるか確認しましょう。お湯の使用量が少ないご家庭では、光熱費削減のメリットを感じにくい場合があります。水圧を重視する方や騒音が気になる方は、機種選びや設置場所を工夫することで、導入後の後悔を避けやすくなります。
まとめ
エコキュートで後悔したと言われる理由は、「導入にかかる初期費用が高い」「お湯切れのリスクがある」などです。しかし、これらの多くは、機種選びや設置方法の工夫によって回避しやすくなります。
エコキュートをおすすめできるご家庭・おすすめできないご家庭は、次のとおりです。
【エコキュートがおすすめの家庭・おすすめしない家庭】
| おすすめの家庭 | おすすめしない家庭 |
|---|---|
| ・毎月のガス代・給湯費を抑えたい家庭 ・家族人数が多くお湯を使う量が多い家庭 ・オール電化住宅に住んでいるまたは検討している家庭 ・太陽光発電や蓄電池を導入している家庭 |
・タンクやヒートポンプユニットの設置スペースを確保できない家庭 ・標準圧タイプではシャワーの水圧に不満が出やすい家庭 ・隣家との距離が近く、設置場所を調整しにくい家庭 ・お湯の使用量が非常に少なく、ランニングコスト削減の効果を感じにくい家庭 |
エコキュートならではのメリットを感じる方は多く、累計出荷台数は2025年3月時点で1,000万台を突破しています。メリット・デメリットの両方を把握したうえで、ご自身の生活スタイルにエコキュートが合っているか、検討してみてはいかがでしょうか。
エコモは各地を飛び回って、電力・エネルギーや地球環境についてお勉強中なんだモ!色んな人に電気/ガスのことをお伝えし、エネルギーをもっと身近に感じてもらいたモ!


















