電気自動車(EV)の維持費はいくら?電気代の目安やガソリン車との比較、節約のコツを解説

  • 更新日:2026/07/23

環境への配慮やエネルギー代の視点から、電気自動車、いわゆるEVの導入を検討している方もいるでしょう。自動車は買ったらそれでおしまいになるわけではなく、所有している間にかかる維持費も含めて検討すべき資産です。

この記事では、電気自動車(EV)を維持するためにかかる費用や走行にかかる電気代、ガソリン車との比較や電気代を抑えるコツについてご紹介しています。電気自動車の購入を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。

目次

電気自動車(EV)の維持費:内訳と年間相場

まずは、電気自動車を購入したあとにかかる維持費の内訳や年間相場について見ていきましょう。

一口に維持費といっても、実際はさまざまな費用を内包しています。維持費が妥当かどうかを考えるためにも、何にどのくらいの費用がかかるのかを知っておくことは大切です。

維持費の主な内訳

電気自動車の維持費としては、走行にかかる電気代、税金、保険料、車検代、メンテナンス費用がかかります。

電気自動車が走行するためには、自宅や外部の電気スタンドでの充電が必要です。そのため、ガソリン代の代わりに電気代がかかります。充電にかかる電気代は、どこでどれだけの頻度で充電するかによって変動するでしょう。

自動車の維持にかかる税金は、自動車重量税と自動車税の2種類です。自動車重量税は新車登録時と車検の際に支払う税金で、自動車税は毎年支払う税金になります。かつては環境性能割という税金も課されていましたが、2026年3月31日をもって廃止されました。

自動車を購入すると、もしものときに備えて加入する保険の保険料もかかります。自賠責保険はどの自動車オーナーも加入が義務付けられており、車検のたびに保険料の支払いが必要です。任意保険は必ずしも加入する必要はありませんが、加入するのであれば定期的な出費が発生するでしょう。

自動車は定期的に点検を受ける必要があり、車検と法定点検によって点検費用が発生します。車検は新車登録から初回が3年後、その後は2年ごとです。また、法定点検は12ヶ月点検と24ヶ月点検があるのが特徴です。

電気自動車はエンジン車と異なりエンジンオイルの交換が不要で、回生ブレーキを活用するためブレーキパッドも摩耗しにくい傾向があります。ただし、タイヤやブレーキフルードなどの消耗品は定期的な交換が必要です。

年間の維持費相場はどれくらい?

電気自動車の年間維持費は、走行距離や新車登録からの経過年数によって異なります。ここでは、年間10,000km走行する場合を例に、購入年を0年目として維持費の目安を見ていきましょう。

1年目は、自動車税6,500円、任意保険料57,000円、法定点検20,000円、電気代51,646円で、合計135,146円です。現行制度では、新車登録翌年度まで自動車税(種別割)の軽減措置が適用されるため、2年目以降は税額が25,000円となります。

2年目は、自動車税25,000円、任意保険料47,000円、法定点検20,000円、電気代51,646円で、合計143,646円です。任意保険は事故を起こさず保険を使用しなければ、等級の上昇に伴って保険料が下がるケースが一般的です。

3年目は、自動車税25,000円、車検費用40,000円、自賠責保険17,650円、印紙代1,600円、任意保険料40,000円、電気代51,646円で、合計175,896円です。車検費用は発生しますが、現行制度では電気自動車は新車登録時と初回車検時の自動車重量税が免税となるため、自動車重量税はかかりません。

4年目は、自動車税25,000円、任意保険料36,000円、法定点検20,000円、電気代51,646円で、合計132,646円です。車検のない年は、任意保険料を除けば維持費はおおむね同程度で推移します。

5年目は、自動車税25,000円、車検費用40,000円、自賠責保険17,650円、印紙代1,600円、自動車重量税20,000円、任意保険料35,000円、電気代51,646円で、合計190,896円です。現行制度では、2回目の車検以降は自動車重量税が課されるため、車検のある年は維持費が高くなる傾向があります。

このように、現行制度では電気自動車の年間維持費は約130,000~190,000円が目安です。

EVは自動車税・重量税が優遇されている

電気自動車を購入すると、車検費用や保険料などはガソリン車と同じようにかかりますが、税金の減免による優遇制度を利用できます。

通常のガソリン車は排気量に応じて自動車税の税額が決まり、場合によっては110,000円になることもあるでしょう。一方、電気自動車はエンジンを搭載していないため一律25,000円となっています。さらに、新車登録の翌年度に限ってはおおむね75%減免となっており、6,500円の納税で済むのです。

さらに、車検時に支払う自動車重量税は、電気自動車の場合新車登録時、初回車検時の分が100%減免になります。そのため、ガソリン車を購入するよりも電気自動車を購入したほうが税金の面ではメリットが大きいです。

電気自動車(EV)の電気代はいくら?計算方法と目安

続いて、電気自動車の電気代について具体的な目安を計算する方法について見ていきましょう。

電気自動車の電気代は、どの程度の走行距離なのか、どこで充電するのかなどの条件によって異なります。大まかな傾向でいえば走行距離が短いほど電気代が安く、また自宅で充電するほど電気代が安くなるでしょう。一方で、走行距離が長く自宅外の充電施設を使用するほど電気代が高くなる傾向にあります。

電気代の計算方法

電気自動車の電気代を計算する方法には、走行距離から求める方法と充電量から求める方法の2種類があります。

走行距離から求める計算式は、以下の通りです。

電気代(円)=1ヶ月の走行距離(km)÷電費(km/kWh)×電気料金単価(円/kWh)

充電量から求める計算式は、以下の通りになります。

電気代(円)=1ヶ月の電気消費量(kWh)×電気料金単価(円/kWh)

走行距離から電気代を求める際に使用する「電費」とは、1kWhの電気で何km走行できるかを示す指標です。ガソリン車における燃費にあたり、一般的には「km/kWh」で表されます。

自宅充電の場合の1ヶ月あたりの電気代目安

電気自動車の電気代は、どこでどのような方法で充電するかによって変動します。自宅や一部の施設では普通充電で、一般的な充電施設では急速充電で充電するためです。

自宅で充電する場合、3kW~6kWの設備で数時間から数十時間かけて充電することが多いでしょう。自動車で1ヶ月に走行する平均的な距離は362kmとされており、平均的な電気自動車の電費は6km/kWhです。電気料金単価を31円/kWhとした場合の電気代目安は、以下のようになります。

362km÷6km/kWh×31円/kWh=1,870.333…

つまり、自宅で充電する場合の1ヶ月あたりの電気代の目安は約1,870円です。

外出先で充電する場合の料金

外出先で利用できる充電設備はガソリンスタンドのように誰でも利用できる施設ばかりではなく、月額会員登録しないと利用できないところも多いです。

会員登録さえしておけば車種・メーカーを問わずに利用できるところもあれば、充電できる対応車種を限定しているところもあります。1ヶ月ごとにかかる月額基本料金は施設やプランによって異なり、急速充電が利用できるプランと、普通充電のみのプランでも差があるため注意しましょう。

会員にならなくても利用できる施設もありますが、頻繁に利用する場合は会員になっておいたほうが割引などを利用できてお得です。例えば、通常のプランでは月額1,100円、普通充電が1分あたり3.3円、急速充電が1分あたり99円になる施設で急速充電用のプランを契約すると、月額4,400円で急速充電が100分まで無料に、100分超過後は1分あたり44円になることもあります。

電費別・走行距離別の電気代シミュレーション

電気自動車の電費は、車種によっても異なります。電費別に平均的な走行距離の362km、少なめの200km、多めの400kmを走る場合の電気代を見ていきましょう。

電気料金単価を31円/kWhとした場合の、電費と月間走行距離ごとの電気代の目安は以下の通りです。

電費(km/kWh) 200km走行 362km走行 400km走行
6 約1,033円 約1,870円 約2,067円
7 約886円 約1,603円 約1,771円
8 約775円 約1,403円 約1,550円

同じ距離を走行する場合でも、電費が高い(1kWhあたりでより長い距離を走れる)車種ほど、電気代を抑えられます。一方、走行距離が長くなるほど、電気代は高くなる傾向があります。

電気自動車とガソリン車の維持費・燃料費を比較

続いて、電気自動車を導入した場合ガソリン車と比べて維持費がどう変わるのかを見ていきましょう。

電気自動車は、ガソリン車と比べると税金の面での優遇が受けられます。一方で、ガソリン車と同様に走行にはエネルギーの補給が必要であり、車検や保険などの維持費もかかります。これらが維持費の差にどの程度影響しているのかを見ていくことが大切です。

電気代とガソリン代はどちらが安い?

まずは1ヶ月の走行に必要な電気代とガソリン代について見ていきましょう。

電気自動車の場合、1ヶ月の間に362km走行するのに必要な電気代は約1,870円です。ガソリン車のガソリン代も、同様の考え方で計算できます。燃費を14.0km/L、ガソリン単価を170円/Lとする場合、計算は以下の通りです。

362km÷14.0km/L×170円/L=4,395.71…

つまり、1ヶ月のガソリン代は約4,396円ということになります。電気自動車に比べると、ガソリン車のほうが約2.4倍のエネルギー費用がかかることになるでしょう。

税金・保険料・車検費用の違い

ガソリン車は排気量によって自動車税の料金が異なり、2.0Lでも36,000円の税金がかかります。電気自動車と異なり減免制度がないため、自動車税や自動車重量税が安くなったり、免除されたりしない点にも注意が必要です。

自賠責保険の保険料は基本的に同じですが、任意保険はさまざまな条件によって保険料が変わります。電気自動車かガソリン車かだけで料金が決まるわけではないものの、任意保険の保険料は電気自動車のほうが高い傾向にあるのが特徴です。

車検や法定点検における費用は、ガソリン車と電気自動車でそれほど差はありません。一方、ブレーキパッドが摩耗したときに取り換えるなど、不定期の交換で済む電気自動車に比べ、ガソリン車は定期的にエンジンオイルを交換する必要があります。

トータルで見ると電気自動車のほうが維持費は安い

自動車の維持費をトータルで考えると、電気自動車は約130,000~190,000円で推移するのに対し、ガソリン車は約190,000~260,000円で推移します。従って、維持費は電気自動車のほうが安いです。

ガソリン車と比べると電気自動車は購入費用が高い傾向にありますが、その後の運用を考えれば電気自動車のほうがお得だといえるでしょう。

電気自動車の維持費・電気代を抑える5つのコツ

続いて、電気自動車を維持する上で維持費や電気代を抑えるコツについて見ていきましょう。

ガソリン車と比べると安く済むとはいえ、電気自動車の維持費はそれなりに高くつきます。家計のことを考えるのであれば、削れる部分はできる限り削ったほうが良いでしょう。

維持費・電気代を抑える5つのコツについてご紹介します。

自宅の電気料金プランを見直す

電気自動車を購入する場合、基本的には自宅で充電する必要があります。そこで、電気自動車に合わせてよりお得な電気料金プランを選択することが大切です。

電力会社によっては、電気自動車を購入した方向けの料金プランを用意しています。このような料金プランでは夜間など電気自動車を充電する時間帯の電気料金単価が通常より安くなり、充電費用を抑えられるのです。また、事前に単価が安くなる時間帯が通知され、その時間帯に充電すると料金を抑えられる、といったプランもあります。

こうした電気料金プランに乗り換えれば、自宅での充電費用を抑えられる可能性が高いです。

充電サービスの料金プランを比較する

自宅外で充電することが多い場合は、充電施設が提供している月額サービスの料金プランを見直すことも大切です。

プランによっては月額料金は安くても充電の単価が高い場合や、逆に月額料金は高いものの単価を低く設定している場合などがあります。充電にかける時間や頻度、走行距離などから、よりスタイルに合ったサービスを選択すると良いでしょう。

また、自治体の公共施設など無料で利用できる充電スポットを活用するのもおすすめです。

エコドライブで電費を向上させる

電気自動車の電気代を抑えるためには、エコドライブを心がけることが大切です。

ガソリン車でも電気自動車でも、急加速をするとエネルギーの消費が大きくなります。そのため、速度変化が大きい運転を繰り返していると電気代が高くつくのです。

また、電気自動車は車体が重く、急加速を繰り返すとタイヤの摩耗が進みやすくなります。急発進や急ブレーキを繰り返していると高頻度でタイヤを交換する羽目になり、維持費が高くついてしまうのです。

安全かつエコな運転を心がけ、維持費や電気代を抑えると良いでしょう。

軽EVへの乗り換えで税金を削減する

電気自動車にも、ガソリン車と同じように普通車と軽自動車の区分があります。一般的に、軽EVは普通車EVより購入費用や維持費を抑えやすい傾向があります。

普通車EVの自動車税は25,000円ですが、軽EVの自動車税は10,800円になります。自動車税は毎年かかる税金ですので、金額が減れば大きな節約効果を生むでしょう。

任意保険は代理店型とネット型を比較する

車に乗る上で大切なのが、もしもの場合に利用できる任意保険です。

自賠責保険への加入は義務ですが、任意保険はその名の通り必ずしも加入する必要がありません。しかし、自賠責保険だけでは補償に限界があるため、できる限り任意保険に加入しておいたほうが良いでしょう。

電気自動車の任意保険における保険料はガソリン車よりも高くなりやすいため、より丁寧に吟味することが大切です。任意保険には代理店型とネット型の2種類がありますが、代理店型の保険には代理店手数料がかかります。そのため、ネット型は代理店型より保険料を抑えやすい傾向があります。

十分な補償が受けられそうであれば、ネット型の任意保険を利用するのも良いでしょう。

まとめ

電気自動車はガソリン車と比べて1ヶ月に必要なエネルギーの費用が安く、税金の面でも優遇制度があります。保険料はやや高くなりやすいですが、総合的な維持費を抑えやすい傾向があります。より維持費を抑えたい場合は、電気料金プランの見直しなどをすると良いでしょう。

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<このページを監修した人>
エコモ博士

RAUL株式会社 プライスエナジー運営事務局
エコモ博士のエコらいふナビ

エコモは各地を飛び回って、電力・エネルギーや地球環境についてお勉強中なんだモ!色んな人に電気/ガスのことをお伝えし、エネルギーをもっと身近に感じてもらいたモ!

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