IHクッキングヒーターとガスコンロの違いを徹底比較|メリット・デメリットや向いている人を解説

調理器の選択肢となるのが、オール電化住宅との相性が良いIHクッキングヒーター(IHコンロ)と、従来のご家庭で使われてきた「ガスコンロ」の2種類です。「結局、IHとガスはどちらを選ぶべき?」「IHとガスで悩んだらどちらを選ぶのが正解?」と、疑問を抱えたままになっている方が多いかもしれません。
この記事では、IHクッキングヒーターとガスコンロの違いを7つのポイントから徹底比較したうえで、それぞれのメリット・デメリットを解説します。IHが向いている人・ガスコンロが向いている人の特徴もご紹介するので、調理器を選ぶ際の参考にご活用いただければ幸いです。
IHクッキングヒーターとガスコンロの違いとは?
IHクッキングヒーターとガスコンロにはさまざまな違いがあります。重要なのは、それぞれの違いを理解して、ご家族の理想やライフスタイルに合った調理機器を選ぶことです。ここでは、IHクッキングヒーターとガスコンロの違いについて、7つの項目に分けてわかりやすく解説します。
火力の違い
ガスは炎で鍋全体を包み込む「直火」の調理が特徴で、鍋振りや炙り調理が可能です。一方のIHは、磁力線で鍋自体を発熱させる仕組みのため熱効率が高く、お湯を沸かすスピードなどはガスよりも早い傾向にあります。近年のIHは高火力モデルも増えており、一般的な家庭料理で火力不足を感じる場面は少なくなっています。
光熱費の違い
光熱費は、お住まいの地域のエネルギー事情に左右されます。一般的に「都市ガス」と「IH」を比べると、都市ガスとIHでは、光熱費に大きな差が出にくい傾向があります。
一方で「プロパンガス」と「IH」を比較した場合は、IHの方が大幅に安くなることが一般的です。また、IHではガスを使用しないため、ガスの基本料金を削減してトータルの光熱費を圧縮できます。
安全性の違い
IHは火を使わないため、袖口への着火や火災のリスクが低く、高齢者や小さな子どもがいる家庭でも安心です。ガスコンロも最近は全口にセンサー搭載が義務付けられており、消し忘れ防止などの安全機能が進化しました。しかし直火を使うという前提は変わらないため、火災リスクの低さという点では、IHにメリットがあります。
掃除のしやすさの違い
IHは天板がフラットな強化ガラスで作られているため、調理後も布巾でサッと拭くだけで汚れが落ちます。一方、ガスコンロには「五徳(ごとく)」などの凸凹があり、油汚れや吹きこぼれがたまりやすいです。キッチンの清潔感を保ちたい方や、掃除の手間を省きたい方は、IHを選ぶと使いやすさを実感しやすいでしょう。
使える調理器具の違い
ガスコンロは鍋の素材を選ばず、土鍋やアルミ鍋もそのまま使えます。一方のIHは、原則として鉄やステンレスなど磁石が付く素材の鍋しか利用できません。最近はアルミ鍋も使える「オールメタル対応」のIHも増えていますが、非対応の鍋を使うとエラーが出て加熱できないため、注意しましょう。
設置費用・交換費用の違い
ガスからの交換の場合、ガス管の閉止作業や200Vの専用コンセントを新設する電気工事が必要になるため、IHのほうが初期費用は高くなる傾向にあります。ただし、長期的なメンテナンス性や掃除の手間、オール電化により削減できる光熱費を考えると、初期費用に見合うメリットを感じやすいでしょう。
停電時・災害時の違い
電気はガスよりも復旧が早いと言われていますが、停電中はIHが使えないため、カセットコンロなどの備えが必要です。ガスは停電時でも点火できるモデルが多いですが、ガスの供給自体が止まると復旧まで時間がかかります。IHとガスのどちらを選ぶかにかかわらず、非常時の調理手段を考えておくと良いでしょう。
ガスコンロのメリット・デメリット
ガスコンロにはメリット・デメリットがあります。それぞれのポイントを確認しておきましょう。
ガスコンロのメリット
ガスコンロのメリットは、主に次の5つです。
<ガスコンロのメリット>
- 強い火力で本格調理しやすい
- 鍋やフライパンの種類を選ばない
- 停電時でも使える(乾電池式の場合)
- 火加減が直感的にわかりやすい
- 炙り調理や鍋振りがしやすい
ガスコンロの魅力は、直火を活かした本格的な調理と、調理器具を選ばない汎用性です。強い火力で鍋全体を加熱できるため、炒め物や中華料理など、強い火力のほうがおいしく仕上がりやすい料理をする場合には特に適しています。
乾電池で点火するタイプであれば、停電などの非常時でも普段どおりに食事が作れるという、災害時の強みも備わっています。火が目に見えるため直感的に料理しやすく、「直火で海苔を炙る」「フライパンを振って炒める」といった調理を楽しめることも、ガスコンロならではの魅力です。
ガスコンロのデメリット
ガスコンロのデメリットとしては、次の4つを挙げられます。
<ガスコンロのデメリット>
- やけどや火災のリスクがある
- 夏はキッチンが暑くなりやすい
- 五徳やバーナー周辺の掃除が大変
- ガス代が高くなる場合がある
ガスコンロでは火を直接扱うため、洋服への着火や、消し忘れによる火災の発生といった、安全面に関するデメリットには注意しなければなりません。また、燃焼時の熱が周囲に逃げるため、夏場のキッチンは高温になりやすく、調理の負担になる可能性があります。
ガスコンロの構造上、五徳などのパーツに汚れがたまりやすく、天板のフラットなIHに比べると、メンテナンス性にやや難があることもデメリットです。また、ガスの基本料金と従量料金が発生するため、オール電化住宅と比べて光熱費がかさみやすい点にも注意しましょう。
IHクッキングヒーターのメリット・デメリット
IHクッキングヒーターにもメリットとデメリットが存在します。ガスコンロのメリット・デメリットとも比較しながら、どちらがご自身に合っているのかを検討しましょう。
IHクッキングヒーターのメリット
IHクッキングヒーターのメリットは、主に次の4つです。
<IHクッキングヒーターのメリット>
- 火を使わずに安全性が高い
- 夏でもキッチンが熱くなりにくい
- フラットで掃除しやすい
- 加熱効果が高く調理時間を短縮できる
IHは火を使わないため、袖口への引火や火災などの事故を防ぎやすいことが最大のメリットです。高齢者や小さな子ども、ペットと同居しているご家庭でも、安心して調理ができるでしょう。エネルギーのほとんどを鍋の加熱に使うため、キッチンが暑くなりにくく、夏場でも快適に料理ができます。
五徳のないフラットな天板は、拭くだけで掃除が完了するため、メンテナンス性の高さもIHクッキングヒーターのメリットのひとつとして挙げられます。また、熱効率が高いこともIHクッキングヒーターならではのメリットです。お湯を沸かす時間などを短縮しやすく、より効率的に家事をこなしやすいでしょう。
IHクッキングヒーターのデメリット
IHクッキングヒーターのデメリットは次のとおりです。
<IHクッキングヒーターのデメリット>
- 対応していない調理器具がある
- 停電時には使えない
- 導入コストが高くなることがある
- 機種によっては火力制限がある
- 鍋振り調理には向かない
磁力を利用する仕組みを用いるため、土鍋や銅鍋、アルミ鍋などは原則として使用できません。IIHは電気を使って加熱するため、停電時は一切使えなくなることも覚えておきましょう。緊急時の備えとして、カセットコンロとガスボンベを常備するなどの対策が求められます。
また、天板から鍋を離すと加熱が止まるため、フライパンを振るような調理には不向きです。そのため、ガスから切り替えた直後は操作感の違いに戸惑うかもしれません。さらに、機種によっては火力が制限されるケースもあり、強い火力を必要とする調理には不向きです。
IHクッキングヒーターとガスコンロはどちらがおすすめ?
IHクッキングヒーターとガスコンロそれぞれの特徴を踏まえ、どのような人に向いているかをまとめました。
IHクッキングヒーターが向いている人
IHクッキングヒーターが向いている人の特徴は次のとおりです。
<IHクッキングヒーターが向いている人>
- 小さな子どもや高齢者がいる家庭
- 掃除をラクにしたい人
- オール電化を検討している人
IHクッキングヒーターは直火を使わないため、高齢者や子どもがキッチンに近づいても安全です。五徳を使わないフラットな構造もIHクッキングヒーターならではの特徴であり、サッと拭くだけで掃除が完了する手軽さも魅力と言えます。また、太陽光発電との相性も良く、オール電化を検討している方にもIHクッキングヒーターがおすすめです。
ガスコンロが向いている人
ガスコンロが向いているのは、以下の項目に該当する人です。
<ガスコンロが向いている人>
- 料理にこだわりたい人
- 停電時の安心感を重視したい人
直火を使った直感的な調理を楽しめることがガスコンロの魅力です。火力制限もなく、「直火で炙る」「フライパンを振って炒める」といった調理ができるため、料理にこだわりたい人にはガスコンロが向いています。また、停電時もガスがとおっていれば調理できるため、災害時の安心感を重視したい人もガスコンロを選ぶと良いでしょう。
IHクッキングヒーターとガスコンロに関するよくある質問
この記事の最後に、IHクッキングヒーターとガスコンロに関するよくある質問4つにお答えします。
IHとガスはどちらが電気代・ガス代を抑えやすい?
ご家庭の使用状況にもよるため一概には言えませんが、基本的にはプロパンガスをご利用中の場合は、IHのほうが安くなる可能性が高いです。都市ガスの場合は大きな差はありませんが、オール電化の深夜割引プランなどを活用すれば、IHのほうがさらにお得になる可能性があります。
IHは本当に安全なの?
火を使わないため、ガス漏れや火災の心配がありません。ただし、天板が熱くなっていることに気づかず素手で触れてしまうと、やけどをするリスクはあります。安全性の高さを過信しすぎないように注意しましょう。
ガスコンロは災害時でも使える?
電池式であれば停電時も使えます。ただし、ガス供給自体が遮断された場合は、復旧を待たなければなりません。また、夜間などの暗がりで調理をするのは危険です。ガスコンロ特有の「火災」「爆発」といったリスクに警戒しながら利用する必要があります。
IH対応の鍋は見分けられる?
底に「SGマーク」がついているものや、磁石が付くものであれば、基本的にはIHクッキングヒーターで使用可能です。最近の製品には「IH対応」と表記されている場合があり、このマークがあれば安心してIHクッキングヒーターで利用できます。
まとめ
まずはガスコンロとIHクッキングヒーターのメリット・デメリットを改めて整理します。
【ガスコンロとIHクッキングヒーターのメリット・デメリット】
| ガスコンロ | IHクッキングヒーター | |
|---|---|---|
| メリット | ・強い火力で本格調理しやすい ・鍋やフライパンの種類を選ばない ・停電時でも使える(乾電池式の場合) ・火加減が直感的にわかりやすい ・炙り調理や鍋振りがしやすい |
・火を使わずに安全性が高い ・夏でもキッチンが熱くなりにくい ・フラットで掃除しやすい ・加熱効果が高く調理時間を短縮できる |
| デメリット | ・やけどや火災リスクがある ・夏はキッチンが暑くなりやすい ・五徳やバーナー周辺の掃除が大変 ・ガス代が高くなる場合がある |
・対応していない調理器具がある ・停電時には使えない ・導入コストが高くなることがある ・機種によっては火力制限がある ・鍋振り調理には向かない |
上記のメリット・デメリットから、それぞれをおすすめできる人の特徴は次のとおりです。
【ガスコンロ・IHクッキングヒーターをおすすめできる人】
| ガスコンロがおすすめの人 | IHクッキングヒーターがおすすめの人 |
|---|---|
| ・料理にこだわりたい人 ・停電時の安心感を重視したい人 |
・小さな子どもや高齢者がいる家庭 ・掃除をラクにしたい人 ・オール電化を検討している人 |
IHクッキングヒーターとガスコンロにはそれぞれ異なるメリット・デメリットがあります。どちらか一方が優れているというわけではなく、人によって向き不向きが変わるものだと考えましょう。毎日使うものだからこそ、納得のいく調理器を選んで、日々の料理時間をより楽しいものにしてくださいね。
エコモは各地を飛び回って、電力・エネルギーや地球環境についてお勉強中なんだモ!色んな人に電気/ガスのことをお伝えし、エネルギーをもっと身近に感じてもらいたモ!


















