エコキュートとエコジョーズの違いとは?仕組みや費用、向いている人について解説

近年は給湯器のタイプが多様化しており、「エコワン」「エコフィール」などの機器も登場しました。なかでもエコキュートとエコジョーズは、どちらも省エネタイプの給湯器として人気です。しかし、仕組みや費用、使い勝手などには大きな違いがあり、エコキュートとエコジョーズのどちらを導入すべきか悩んでいる方も多いでしょう。
この記事では、給湯の仕組みから初期費用、ランニングコスト、設置スペース、災害時の使い勝手など、さまざまな面からエコキュートとエコジョーズの違いを比較します。最後までご覧いただくと、ご家庭のライフスタイルに合った給湯器の種類が見えてくるでしょう。
エコキュートとエコジョーズの違い
まずは、エコキュートとエコジョーズの違いがひと目でわかるように、比較表をご用意します。
【エコキュートとエコジョーズの比較表】
| 項目 | エコキュート | エコジョーズ |
|---|---|---|
| 給湯の仕組み | 電気+ヒートポンプ | ガス+排気熱再利用 |
| お湯の使い方 | タンクに貯めて使う貯湯式 | 必要なときに必要な量を沸かす |
| 初期費用 | 40万円~60万円 | 15万円~25万円 |
| ランニングコスト | 安め | 高め |
| 設置スペース | 広い | コンパクト |
| 災害時の使い勝手 | タンクのお湯が生活用水になる | 停電すると運転が停止する |
結論からいうと、ランニングコスト重視ならエコキュート、導入のしやすさ重視ならエコジョーズがおすすめです。ここからは、上記の比較項目ごとに、さらに詳しくエコキュートとエコジョーズの違いを解説します。
給湯の仕組み
エコキュートは、空気中の熱をヒートポンプで取り込み、電気の力で効率良くお湯を沸かす仕組みです。消費電力に対して3~6倍の熱エネルギーを取り出せるため、省エネ性が高く、地球環境の改善にも貢献できます。
一方のエコジョーズは、ガスでお湯をつくる瞬間湯沸かし式の給湯器です。ガスを燃焼させて、バーナーで瞬間的に水を加熱する方式であり、熱効率は一般的に80~95%程度とされています。
お湯の使い方
エコキュートでは、つくったお湯を貯湯タンクに貯めておき、必要なタイミングで使用します。そのため、大量にお湯を使うと、貯湯タンク内のお湯がなくなる「お湯切れ」が起こるリスクには注意が必要です。
一方のエコジョーズには、そもそもお湯を貯めるという概念がありません。イメージとしては電気ポットに近く、必要なときに必要な量だけお湯をつくり、キッチンや浴室に供給するのが特徴です。
初期費用とランニングコスト
初期費用とランニングコストの目安は、それぞれ以下のとおりです。
【初期費用とランニングコストの比較表】
| 項目 | エコキュート | エコジョーズ |
|---|---|---|
| 初期費用 | 40万円~60万円 | 15万円~25万円 |
| ランニングコスト(年間) | 4万円~5万円前後 | 7万円~8万円前後 |
エコキュートは、本体価格と工事費をあわせた初期費用がエコジョーズよりも高額です。一方、ランニングコストを抑えられる傾向にあり、長い目で見れば投資した金額を回収しやすいでしょう。
一方のエコジョーズは、本体価格と工事費が安い反面、ランニングコストが高い傾向です。初期コストを抑えられることはメリットですが、10年ほど使用した後の経済効果を考慮すると、エコキュートよりもやや不利になると考えなければなりません。
設置スペース
エコキュートは「貯湯タンクユニット」と「ヒートポンプユニット」の2つで構成されています。それぞれのサイズは、購入する機種の仕様や容量によっても異なりますが、エコジョーズと比べると大きめです。
一例として、ダイキンエコキュート「Aシリーズ」のサイズをご紹介します。
【ダイキンエコキュート「Aシリーズ」のサイズ】
| 型番 | EQA46ZFV 460L | EQA37ZFV 370L |
|---|---|---|
| 貯湯ユニット寸法 | 2,175×630×730mm | 1,825×630×730mm |
| ヒートポンプユニット寸法 | 635×825×300mm | 635×825×300mm |
一方、エコジョーズのサイズは、エコキュートと比べて1/10程度とコンパクトです。庭などの設置スペースが限られている場合や、マンションに設置する給湯器を探している場合は、エコキュートよりも設置しやすいでしょう。
災害時の使い勝手
エコキュートの場合、貯湯タンク内に貯まっているお湯は、停電時や断水時などの非常時でも生活用水として使えます。飲用水としては不向きですが、次のような用途で安全に使えるため便利です。
<エコキュートの水を災害時に使う方法>
- トイレの流し水
- 顔を洗う、体を拭く
- 食器洗い
- 掃除
一方のエコジョーズは、ガスと電気の両方を使わなければ使用できません。そのため、災害によりガスと電気のいずれかひとつでも供給がストップすると、運転停止になる可能性が高いです。
エコジョーズには、エコキュートのような貯湯タンクもなく、非常時の生活用水は確保できません。
エコキュートとは
エコキュートとは、空気中の熱を利用し、電気でヒートポンプを動かして効率的にお湯を沸かす給湯器です。
ガスを燃焼させずにお湯を沸かせることが特徴で、環境負荷の小ささも注目されています。また、ランニングコストの安さも魅力のひとつであり、エコキュートの導入後は光熱費が安くなるでしょう。
ここでは、エコキュートのメリット・デメリットを詳しく解説します。
エコキュートのメリット
エコキュートのメリットは、次のとおりです。
<エコキュートのメリット>
- ランニングコストを抑えやすい
- CO2排出量が少なく環境に優しい
- 停電しても貯湯タンク内のお湯を生活用水として使える
- オール電化住宅との相性が良い
- 購入時には補助金を利用できるケースが多い
エコキュートのデメリット
エコキュートのデメリットとして挙げられるのは、以下の点です。
<エコキュートのデメリット>
- 初期費用がエコジョーズよりも高い
- 広い設置スペースが必要
- お湯切れの可能性がある
- 稼働時の低周波音が気になる場合がある
エコジョーズとは
エコジョーズとは、ガスを燃焼させてお湯を沸かす際に発生する排熱を活用し、効率良く給湯できるガス給湯器です。従来のガス給湯器よりも熱効率が高く、ガス使用量を減らせる点が特徴で、省エネ性の高さも注目されています。
エコキュートと同じように、エコジョーズにもメリットとデメリットが混在しています。それぞれのポイントをリストアップして、整理しておきましょう。
エコジョーズのメリット
エコジョーズのメリットとして挙げられるのは、主に以下の点です。
<エコジョーズのメリット>
- 初期費用をエコキュートの半額程度に抑えられる
- コンパクトで設置しやすい
- お湯切れのリスクがない
- 必要なときに必要な分のお湯を沸かせる
エコジョーズのデメリット
エコジョーズのデメリットは、次のとおりです。
<エコジョーズのデメリット>
- ランニングコストがエコキュートよりも高い
- 停電時は運転できない場合が多い
- お湯を沸かすときに酸性の排水が発生するため、排水処理工事が必要
エコキュートが向いている人
エコキュートの特徴やメリット・デメリットから、エコキュートの導入が向いている人をご紹介します。ランニングコストを抑えたい人や、災害対策を視野に入れている人などにはエコキュートがおすすめです。
ランニングコストを安く抑えたい人
エコキュートのコストパフォーマンスが高い理由は、時間帯別の料金プランを利用できるためです。時間帯別料金プランとは、電気を使う時間帯によって、電力量料金(従量料金)が変わるプランです。
一例として、東京電力の料金プランを見てみましょう。
【スマートライフSの料金プラン】
| 基本料金(10Aにつき) | 電力量料金(1kwh) | |
|---|---|---|
| 311.75円 | 午前6時~翌午前1時 | 午前1時~午前6時 |
| 35.76円 | 27.86円 | |
※すべて税込み
このように、午前1時~6時までの電力量料金は、その他の時間帯と比べて1kwhあたり7.9円も安く設定されています。エコキュートでは、電気代が安い時間帯に沸かしたお湯を貯湯タンクに貯められるため、1日あたりの電気代を削減しやすいです。
オール電化の暮らしを考えている人
エコキュートは、ガス設備を使わないオール電化住宅にぴったりです。エコキュートは、ガスによる火を使わないため安全性が高く、CO2排出量も抑えられます。
また、エコキュートは太陽光発電・蓄電池との相性が抜群で、自家発電した電力を無駄なく有効活用できます。
家族でお湯の使用量が多い人
4人以上の家族や、シャワー・お風呂・洗い物で1日に使うお湯の量が多いご家庭には、エコキュートがおすすめです。
大容量の貯湯タンクに大量のお湯を貯められるため、効率的にお湯を使えます。また、使用量が多いほど深夜電力のメリットが活かしやすく、ランニングコストの削減効果が大きいでしょう。
災害対策も視野に入れている人
停電や断水が起きた場合、タンク内に貯めた数百リットルのお湯を生活用水として取り出せるため、非常時の備えとしてもエコキュートが便利です。
飲用水以外の生活用水を確保できることがエコキュートの魅力であり、地震や台風が多い日本では、大きな安心材料になるでしょう。
エコジョーズが向いている人
エコジョーズのメリット・デメリットを考慮したうえで、エコジョーズが向いている人の特徴をご紹介します。導入コストを抑えたい人や、お湯切れの心配をせずにお湯を使いたい人は、エコジョーズの導入を検討しましょう。
初期費用を安く抑えたい人
エコジョーズは、本体価格+工事費で15〜25万円程度と、エコキュートの半額程度で導入できます。初期コストを抑えたい人にとって、現実的な選択肢といえるでしょう。
将来的には自宅の売却も想定している場合など、ランニングコストに重きを置かない方にも、エコジョーズがおすすめです。
お湯切れの心配をしたくない人
エコジョーズは瞬間湯沸かし式のため、いつでも必要な量のお湯を沸かせます。そのため、エコキュートとは違い、つくったお湯を日中に使い果たしてしまう「お湯切れ」の心配がありません。タンク容量を気にせず使えるため、ライフスタイルが不規則なご家庭にもエコジョーズが適しています。
設置スペースが限られている人
エコジョーズは本体1台のコンパクト設計で、エコキュートの約1/10のスペースで設置できます。マンションや狭小住宅、屋外スペースが少ない住宅でも、エコジョーズを設置できる可能性が高いです。
スペースの問題でエコキュートを設置できなかった人も、エコジョーズの導入を検討すると良いでしょう。
ガス中心の暮らしを続けたい人
既存のガス設備をそのまま利用できるため、エコジョーズの導入にあわせた配管工事が不要です。ガス会社との契約を継続したい人や、愛着のあるガス調理器具を使い続けたい人も、エコジョーズとの相性が良いでしょう。高効率でガス代を節約しながら、従来のガス給湯器の使い勝手を維持できます。
エコキュート・エコジョーズを導入する際の注意点
エコキュート・エコジョーズを導入する際に、共通の注意点となるのは次の3つです。給湯器の購入で失敗しないように、それぞれのポイントを確認しましょう。
家族人数とお湯の使用量を考える
家族構成や1日の給湯量を事前に把握することが重要です。4人以上の家族で、1日にお湯を大量に使う場合は、貯湯式のエコキュートが有効です。2人暮らしや使用量が少ない場合は、即時性が高いエコジョーズを選んだほうが便利でしょう。
初期費用だけでなくトータルコストで考える
初期費用だけでなく、10~15年のランニングコストを合計したトータルコストでお得かどうかを考えましょう。
エコジョーズの場合、初期費用が安くても、10年以上使い続けるうちにトータルコストが割高になる場合があります。また、エコキュートには補助金を活用できる場合もあるため、割引額もトータルコストに含めましょう。
住まいの設備スペースを確認する
エコキュートは、タンクとヒートポンプの2台を設置しなければなりません。一方のエコジョーズはコンパクトですが、ドレン排水工事のスペースも考慮する必要があります。
迷った場合は業者に現地調査を依頼して、それぞれの設備を無理なく設置できるか調べてもらいましょう。
まとめ
エコキュートとエコジョーズの違いをあらためて整理します。
【エコキュートとエコジョーズの比較表】
| 項目 | エコキュート | エコジョーズ |
|---|---|---|
| 給湯の仕組み | 電気+ヒートポンプ | ガス+排気熱再利用 |
| お湯の使い方 | タンクに貯めて使う貯湯式 | 必要なときに必要な量を沸かす |
| 初期費用 | 40万円~60万円 | 15万円~25万円 |
| ランニングコスト | 安め | 高め |
| 設置スペース | 広い | コンパクト |
| 災害時の使い勝手 | タンクのお湯が生活用水になる | 停電すると運転が停止する |
エコキュートとエコジョーズには異なるメリット・デメリットがあり、向いているご家庭にも違いがあります。ライフスタイルや理想の暮らしに合った給湯器を選び、これまで以上に快適で経済的な生活を送りましょう。
エコモは各地を飛び回って、電力・エネルギーや地球環境についてお勉強中なんだモ!色んな人に電気/ガスのことをお伝えし、エネルギーをもっと身近に感じてもらいたモ!


















