省エネ型・オール電化の注文住宅を購入するメリットとは?長期的に住み続ける価値や注意点を解説
世界的な気候変動や資源枯渇への対策として、住宅にも省エネ仕様やオール電化設備の導入が求められつつあります。
こうした住宅は、住む人にとっても生活費や快適性の面で多くのメリットがあります。
一方で、家族構成やライフスタイルによっては、かえって暮らしにくくなる可能性もあるでしょう。
この記事では、省エネ型やオール電化の注文住宅を購入するメリットや注意点、省エネ住宅に向いている方の特徴について解説します。
これから注文住宅を購入する予定の方や、省エネ型住宅・オール電化住宅に関心がある方は、ぜひ最後までご覧ください。
省エネ型・オール電化の注文住宅とは?
そもそも、省エネ型住宅やオール電化住宅とはどのような住宅を指すのでしょうか。
省エネ型住宅やオール電化住宅には、性能や設備に関するさまざまな条件があります。
どのような住宅がそう呼ばれるのかを知っておけば、注文住宅を購入する際の参考になるでしょう。
省エネ型住宅の特徴
省エネ型住宅とは、冷暖房効率を高め、住宅内で消費されるエネルギーを抑えられる住宅のことです。
一般家庭におけるエネルギー消費のうち、冷暖房は約30%を占めるとされています。そのため、冷暖房にかかるエネルギーを削減できれば、省資源や電気料金の節約にも大きく影響します。住宅の省エネ性能を高める主な要素は、断熱・日射・気密の3つです。
断熱とは、住宅の内外における熱の移動を防ぐ性能を指します。住宅は、壁や床、屋根、窓などの「外皮」や「開口部」を通じて外部と熱をやり取りするため、断熱性能が低いと移動する熱の量が多くなりやすいです。
断熱性能を高めることで、夏は外の熱が室内に入り込むのを防ぎ、冬は室内の熱が外へ逃げるのを抑えられるため、冷暖房を効率よく使用できます。
日射とは、太陽から届く放射エネルギーのことです。日射は熱エネルギーを持ち、屋根や外壁を温めるため、夏場は室内温度が上昇する原因になります。
この日射による熱の影響を抑える性能を日射遮蔽性能といい、この性能を高めることで冷房効率の向上が期待できます。
気密とは、住宅のすき間を減らして、空気の出入りを抑える考え方です。窓やドアなどの開口部だけでなく、建材同士のすき間があると空気が出入りし、熱が逃げやすくなります。
住宅の気密性を高めることで、こうした空気の出入りを減らし、熱が逃げるのを防げます。
省エネ型住宅には、ZEH、長期優良住宅、低炭素住宅、LCCM住宅、スマートハウスなどの種類があり、それぞれ基準や利用できる制度が異なるのが特徴です。
オール電化住宅の仕組み
オール電化住宅とは、家庭内で使用するエネルギーをすべて電力でまかなう住宅のことです。
従来の一般的な住宅では、照明やエアコンなどの家電には電気を使い、コンロや給湯器にはガスを使うというように、用途によってエネルギーを使い分けています。
これに対してオール電化住宅は、ガスの使用をやめて電力に一本化することで、光熱費の支払いを電気料金のみにまとめられるのが特徴です。
ガスを使わない代わりに、電気で加熱する調理設備や、空気の熱を利用してお湯を沸かす設備を導入します。
そのため、電気の使用量が多くなりやすく、専用の電気料金プランが必要になる場合もあります。
注文住宅で取り入れやすい代表的な設備
注文住宅を建てる際は、導入する設備に応じて、省エネ型住宅やオール電化住宅にできます。
省エネ型住宅として重要なのは、高断熱・高気密仕様であることです。断熱材の活用や建材の工夫によって、熱が出入りしにくい住宅をつくることで、各種認定の取得を目指せます。
オール電化住宅では、ガスを使用する設備を使わずに生活する必要があります。そのため、調理にはIHクッキングヒーターを利用し、給湯器にはエコキュートを導入することが一般的です。
このような設備を導入すると、電気の使用量が増える傾向があります。そのため、オール電化向けの料金プランを選択したうえで、太陽光発電や蓄電池などの設備を導入するのもおすすめです。
自宅で発電したり、余った電気をためて使ったりすることで、電力会社から供給される電気の量を抑えられます。
省エネ型・オール電化の注文住宅を購入するメリット
続いて、省エネ型住宅やオール電化の注文住宅を購入する主なメリットを見ていきましょう。
こうした住宅の大きな魅力は、生活費を抑えられる可能性があることです。また、安全性への配慮や、非常時への備えにつながる点も見逃せません。さらに、購入時に金銭面でのメリットを得られる場合もあります。
それぞれのメリットを詳しくご紹介します。
毎月の光熱費を抑えやすい
省エネ型住宅やオール電化の注文住宅のメリットの一つは、毎月の光熱費を抑えやすいことです。
省エネ型住宅は、断熱性能や気密性が高くなるよう設計されており、外気の影響を受けにくくなっています。そのため、冷暖房効率が高く、室温を一定に保つために必要なエネルギーを抑えやすいです。
また、オール電化設備を導入し、オール電化向けの電気料金プランを契約している場合は、電気料金を抑えられる可能性があります。
オール電化向けのプランは、電気料金が安い時間帯と高い時間帯が分かれていることが多く、エコキュートなどを電気料金の安い時間帯に稼働させるよう設定すれば、トータルの料金を抑えやすくなるでしょう。
太陽光発電や蓄電池などの設備を導入していれば、自宅で電気を生み出せるため、さらに電気料金の削減が期待できます。
エネルギーコストを一元管理しやすい
省エネ型住宅やオール電化の注文住宅には、エネルギーコストを一元管理しやすいというメリットもあります。
オール電化住宅ではガスを使用しないため、ガス契約が不要です。電気とガスの両方を契約していると、どちらかをほとんど使わなくても一定の基本料金がかかりますが、電気契約のみにまとめれば、ガスの基本料金を支払う必要がありません。
支払い窓口も一本化されるため、料金管理がしやすくなるでしょう。
火を使わず安全性に配慮しやすい
省エネ型住宅やオール電化の注文住宅のメリットとして、火を使わず安全性に配慮しやすい点も挙げられます。
オール電化設備を導入している場合、調理はIHクッキングヒーターで行います。そのため、ガスや火を使わずに、安全に配慮した生活を送りやすくなります。小さな子どもや高齢者がいる家庭でも、火災への不安を軽減しやすいでしょう。
暖房もエアコンや電気式床暖房にすることで、灯油やガスを利用したファンヒーターを使わずに済みます。
室内環境を清潔に保ちやすい
省エネ型住宅やオール電化の注文住宅は、室内環境を清潔に保ちやすい点もメリットです。
省エネ型住宅は室内の温度差が少ないため、結露が発生しにくい傾向があります。その結果、建材の劣化やカビの発生を抑えやすく、室内環境を清潔に保ちやすくなります。
また、IHクッキングヒーターは天板が平らで、簡単な拭き掃除で汚れを取り除きやすいのが特徴です。調理器具の焦げ付きも起こりにくいため、キッチンまわりをきれいに保ちやすいメリットがあります。
設備の組み合わせ次第で非常時にも備えやすい
省エネ型住宅やオール電化の注文住宅は、設備の組み合わせによって非常時にも備えやすくなります。
太陽光発電を取り入れれば、電力会社からの電気に頼りすぎず、自宅で発電した電気を活用して生活できます。
さらに、蓄電池を導入していれば、余った電気を必要なときまでためておくことも可能です。また、EVのバッテリーと電気をやり取りできる設備を導入できる場合もあります。
こうした設備があれば、災害によって停電が発生した場合でも、しばらくは通常に近い生活を送れる可能性があります。
電気はほかのライフラインと比べて復旧が早いとされており、普段の生活に戻るまでの時間を短縮できる可能性もあるでしょう。
補助金や優遇制度を活用できる可能性がある
省エネ型住宅やオール電化の注文住宅には、補助金や優遇制度を活用できる可能性もあります。
省エネ型住宅にはいくつかの種類があり、国や自治体が定める条件を満たすと、購入時に補助金や優遇制度を利用できることがあります。
所得税に関わる住宅ローン減税が有利に働く場合もあり、住宅購入時の負担軽減につながるのがメリットです。
また、オール電化設備を導入していると、火災保険加入時に保険料の割引を受けられる可能性があります。注文住宅を購入する際は、オール電化住宅向けの割引を取り扱っている保険会社があるか確認してみるとよいでしょう。
長期的に住むことで実感しやすいメリット
省エネ型住宅やオール電化住宅には、長く住むことでより実感しやすくなるメリットもあります。
こうした住宅は、長期にわたって住み続けることを前提に建てられることが多いため、短期的には分かりにくい魅力も、暮らしが長くなるほど感じやすくなります。
それぞれのメリットを見ていきましょう。
住み続けるほど断熱・省エネ性能の価値を感じやすい
省エネ型住宅やオール電化住宅は、住み続けるほど、断熱・省エネ性能の価値を実感しやすい傾向があります。
断熱性能が高く、省エネ性に優れた住宅は、夏は涼しく冬は暖かい、過ごしやすい環境を保ちやすいです。そのため、空調に過度に頼らなくても、身体への負担が少ない状態で過ごせる期間が長くなります。
また、室内全体の温度差が小さいため、ヒートショックなどの健康リスクも抑えやすいです。長く住み続けるのであれば、長期的な健康にも配慮した住宅を選ぶことが大切です。
光熱費の変動リスクに備えやすい
省エネ型住宅やオール電化住宅には、光熱費の変動リスクに備えやすいというメリットもあります。
冷暖房効率を高めて消費電力を削減することで、電気料金が上昇した場合でも、トータルの負担増を抑えやすくなります。
また、太陽光発電や蓄電池などを導入して、自宅で発電した電力を消費すれば、市場における光熱費変動の影響も受けにくくなるでしょう。
定期的なメンテナンスをすれば突発的な出費を防げる
省エネ型住宅やオール電化住宅は、定期的なメンテナンスによって突発的な出費を防ぎやすい点もメリットです。
省エネ型住宅の性能を長期間維持するためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。一般的な目安としては、外壁や屋根は10〜15年、窓やシーリング材は10〜20年程度で点検・補修を行うのが望ましいとされています。
こうした定期的なメンテナンスを行えば、住宅の機能を長く維持しやすくなり、突発的な故障などによる出費も防ぎやすくなります。あらかじめ家計にメンテナンス費用を組み込んでおくことで、家計管理もしやすくなるでしょう。
年齢を重ねても暮らしやすい安全な住環境をつくりやすい
省エネ型住宅やオール電化住宅には、年齢を重ねても暮らしやすい安全な住環境をつくりやすいというメリットがあります。
IHクッキングヒーターや電気式床暖房など、火を使わずに生活できるため、年齢を重ねても火事のリスクが高まりにくい傾向があります。また、室内の温度が一定に保たれやすいため、ヒートショックも起こりにくいです。
高齢になっても安全に暮らせる住環境づくりという点で、省エネ型住宅やオール電化住宅には大きなメリットがあります。
将来的な売却や資産価値の面でも評価されやすい可能性がある
省エネ型住宅やオール電化住宅には、将来的な売却や資産価値の面でも評価されやすい可能性があります。
省エネ型住宅は長期間住み続けることを前提とした住宅ですが、実際に住み続けるのが建てた本人とは限りません。ライフステージの変化による住み替えなどを理由に、注文住宅を将来的に売却することも十分に考えられます。
省エネ型住宅であれば、売却時に省エネ性能が評価され、一般的な住宅より資産価値が高く見られる可能性があります。
適切なメンテナンスを行い、売却時のアピールポイントを明確にしておくことで、購入時からの価値の下落を抑えやすくなるでしょう。
省エネ型・オール電化の注文住宅で注意したい点
続いて、省エネ型住宅やオール電化住宅を購入するうえでの注意点も見ていきましょう。
短期・長期の両面でメリットの多い省エネ型・オール電化住宅ですが、購入にあたってはいくつか注意しておきたい点もあります。どのような点に気を付けるべきかを事前に把握し、十分に検討することが大切です。
それぞれの注意点を詳しく見ていきましょう。
初期費用が高くなりやすい
省エネ型住宅やオール電化住宅を購入するうえでの注意点は、初期費用が高くなりやすいことです。
省エネ住宅としての性能を確保するには、断熱性能や気密性能を高めるための建材や設備を導入する必要があります。
そのため、一般的な住宅と比べると建築費用が高くなりやすいです。また、対応できる施工会社が限られる可能性もあります。
さらに、オール電化設備は導入費用も高く、エコキュートやIHクッキングヒーターの本体価格に加え、設置工事費もかかります。
注文住宅であれば最初から組み込めるため、リフォームほど導入の手間はかからない可能性がありますが、初期費用には注意が必要です。
停電時は設備利用に制約が出る
省エネ型住宅やオール電化住宅を購入するうえでの注意点は、停電時に設備利用の制約が出ることです。
地震や台風などで停電が発生すると、電力会社からの電力供給が一時的に途絶えます。このとき、太陽光発電設備や蓄電池がない場合、オール電化住宅では多くの設備が使えなくなってしまいます。
そのため、持ち運び式のカセットコンロなど、別のエネルギー源で使える非常用の備えが必要です。
とくに夏や冬など、気温の変化が厳しい時期には、暮らしに大きな支障が出る可能性があるでしょう。
ライフスタイルによっては電気代が割高になることもある
省エネ型住宅やオール電化住宅を購入するうえでの注意点は、ライフスタイルによっては電気代が割高になる場合があることです。
オール電化設備を導入すると、電力会社とオール電化向けの電気料金プランを契約することが多いでしょう。
このプランは、夜間の料金が安く、昼間の料金が高くなるよう設定されている傾向があります。
そのため、昼間の在宅時間が長く、日中に多くの電気を使うライフスタイルの場合は、かえって電気料金が高くなる可能性があります。
電力会社によっては、料金単価が安くなる時間帯を選べる場合もありますが、必ずしもライフスタイルに合ったプランがあるとは限らないため、注意が必要です。
どんな人に向いている?省エネ型・オール電化住宅の相性チェック
省エネ型住宅やオール電化住宅には、向いている家庭と慎重に検討したい家庭があります。
とくにオール電化設備を取り入れるにあたっては、家族構成やライフスタイルを踏まえ、本当に自分たちに合っているかをよく検討することが大切です。
それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
向いている家庭の特徴
省エネ型住宅やオール電化住宅に向いているのは、日中の在宅時間が比較的短い家庭です。このような住宅では、電気の利用を料金の安い夜間に集めることで、光熱費の削減を図りやすくなります。
そのため、電気料金の高い昼間にあまり電気を使わずに済むライフスタイルの家庭に向いているでしょう。
また、設備の安全性という点から、子育て世帯や高齢者と暮らす家庭にも向いています。火災が起こりにくく、子どもや高齢者のやけどのリスクも抑えやすいためです。
さらに、その住宅に長く住む前提で、住宅性能を重視したい家庭にもおすすめです。
断熱性能や気密性の高さによって過ごしやすい環境を実現しやすく、長期的な観点でのメリットも大きくなります。
オール電化にするのであれば、日常的な電気料金の削減や非常時の電源確保のために、太陽光発電や蓄電池の導入も検討している家庭に向いているでしょう。
慎重に検討したい家庭の特徴
省エネ型住宅やオール電化住宅を慎重に検討したいのは、昼間の電力使用量が多い家庭です。オール電化住宅で利用する電気料金プランは、昼間の料金単価が高く設定されている傾向があります。
そのため、在宅勤務などで昼間に家にいる時間が長く、電気を使う量が多い家庭には向かない場合があります。
また、初期費用をできるだけ抑えたい家庭にも向かない可能性があります。
省エネ型住宅やオール電化設備は、建築費用や導入費用が高くなりやすいため、住宅購入費用をできるだけ抑えたい場合は、希望する設備を十分に導入できない可能性があるためです。
さらに、ガス機器の使い勝手を重視したい家庭にも向かないでしょう。IHクッキングヒーターは使用できる調理器具が限られるうえ、火力の感じ方に違いがあるため、調理時の使い勝手を重視したい場合は注意が必要です。
まとめ
省エネ型住宅やオール電化住宅を注文住宅として購入すると、快適な住環境を実現しやすく、生活費を抑えられる可能性があります。
一方で、ライフスタイルによっては電気料金が上がることもあり、初期費用も高くなりやすいため、事前によく検討することが大切です。
「HEARTFUL HOME」では、湘南エリアに根差した住宅づくりを手がけています。施工事例も公式ホームページに掲載していますので、神奈川県内で注文住宅の購入を検討している方は、ぜひご覧ください。
エコモは各地を飛び回って、電力・エネルギーや地球環境についてお勉強中なんだモ!色んな人に電気/ガスのことをお伝えし、エネルギーをもっと身近に感じてもらいたモ!

