エコキュートの設定温度はどれくらい?温度の目安や見直したほうが良いケースをご紹介
エコキュートは、夜間の安い電気で効率的にお湯を沸かし、貯湯タンクにためて日中も使える便利な給湯器です。設定温度を適切に管理することで、快適なお湯を安定して供給しながら、電気代の節約効果も高められます。
この記事では、エコキュートの主な設定温度の目安や調整のポイントをご紹介したうえで、設定温度を低くしすぎないほうがよい理由や季節ごとのおすすめ設定温度を解説します。状況に応じて設定温度を見直し、エコキュートの性能を最大限に引き出しましょう。
エコキュートの設定温度は?
エコキュートの設定温度は、単にキッチンやお風呂で使うお湯の熱さを決めるだけのものではありません。リモコンで調整できる温度は大きく4つあり、それぞれ役割が異なります。まずは、エコキュートの設定温度の種類や仕組みを確認し、利便性や経済性を高めましょう。
調整する温度は4つ
エコキュートで調整する温度は、主に次の4つです。
<エコキュートで調整する温度>
- 給湯温度…エコキュートから蛇口やシャワーに送られるお湯の温度
- 沸き上げ温度…エコキュートがお湯を沸かすときの温度
- ふろ温度…お湯はりをする際に浴槽へ送るお湯の温度
- 混合水栓の温度…蛇口やシャワーの手元で調整する温度
このうち、日常的に操作する機会が多いのは給湯温度です。これはシャワーや蛇口から出るお湯の温度に関わる設定で、リモコンを使って調整できます。一般的には50~60℃程度に設定されることが多いものの、後述する理由により、実際に使うお湯の温度は設定値より低くなることがあります。
沸き上げ温度は、ヒートポンプユニットで貯湯タンク内のお湯を沸かす際の目標温度で、65~90℃程度に設定されます。機種によっては「おまかせモード」で自動調整が可能です。
ふろ温度は、浴槽に張るお湯の目標温度で、給湯温度とは別の設定です。一般的には40~42℃程度に設定されますが、好みに応じて調整する家庭も少なくありません。混合水栓の温度は、サーモスタット式混合水栓を使う場合に、蛇口側で最終的に調整する温度を指します。
ダイキン、コロナ、三菱、パナソニックなど、エコキュートのメーカーによって名称が異なる場合があります。取扱説明書も参照しながら、どの温度を調整しているのか確認しておきましょう。
「本体の設定温度」と「実際に使うお湯の温度」が違う理由
エコキュートでは、本体の設定温度と実際に使うお湯の温度が異なることがあります。
その理由の一つは、タンクから配管を通ってお湯が供給される過程で、放熱によって温度が3~5℃程度下がることがあるためです。特に、配管が長い場合や冬場・寒冷地など外気温が低い環境では、実際に使うお湯の温度が下がりやすくなります。
また、多くの家庭で採用されているサーモスタット混合水栓は、お湯と水を混ぜて温度を調整する仕組みです。設定温度のお湯をそのまま出すのではなく、水と混ぜて適温に調整してから供給するため、本体で設定した温度と実際に使うお湯の温度に差が生じるのです。
エコキュートの設定温度は50〜60℃が目安
エコキュートの給湯温度は、一般的に50~60℃が目安とされています。この範囲に設定しておくと、お湯のロスを抑えやすく、電気代の節約にもつながります。実際に使用する温度よりも高めに設定しておくとよい理由について、さらに詳しく見ていきましょう。
普段使いは50℃前後が選ばれやすい理由
50℃前後の設定が選ばれやすいのは、お湯のロスや電気代の上昇を防ぎやすいためです。
必要以上に設定温度が低いと、調理中や入浴中にお湯がぬるく感じられ、温度を上げるためにお湯を出し直す必要が出てくることがあります。その結果、余分に電気や水を使うことになり、電気代や水道代が高くなる可能性があります。
東京都水道局によると、シャワーを3分間流しっぱなしにした場合の水道使用量は約36リットルです。ぬるいお湯を家族4人がそれぞれ30秒ずつ無駄に流した場合、約24リットルの水を無駄にしてしまいます。こうしたロスを防ぐためにも、エコキュートの温度は50℃前後に設定されることが多いのです。
設定温度を低くしすぎないほうがよい理由
エコキュートの設定温度を50℃前後に設定したほうがよい理由として、先ほどは電気代や水道代の削減という観点を紹介しました。しかし、それ以外にも、設定温度を低くしすぎないほうがよい理由があります。ここでは、主な4つのポイントを見ていきましょう。
シャワーや蛇口の湯温が安定しにくくなる
給湯温度を45℃以下など低めに設定すると、配管を通る間に温度が下がりやすくなり、シャワーや蛇口から出るお湯の温度が不安定になりがちです。特に、キッチンや浴室などで同時にお湯を使う場合や冬場のように外気温が低い時期には、温度調整を繰り返す場面が増えることがあります。
追い焚きや足し湯が増えて、かえって効率が落ちることがある
設定温度が低いと、浴槽のお湯がぬるくなりやすく、追い焚きや足し湯の回数が増えることがあります。こうした運転が増えると消費電力も増えやすくなり、結果として電気代が上がる可能性があります。
一方で、50~60℃程度に設定しておくと、お湯の温度が安定しやすくなり、追い焚きや足し湯の回数を抑えやすくなります。そのため、エコキュートをより効率良く使いやすくなるでしょう。
混合水栓が使いにくくなる場合がある
サーモスタット混合水栓は、お湯と水の温度差がある程度あるほうが、温度を調整しやすい傾向があります。反対に、エコキュートの設定温度が低すぎると、温度調整がしにくくなり、使い勝手が悪く感じられることがあります。混合水栓の性能を十分に発揮させるためにも、設定温度は低くしすぎないようにしましょう。
雑菌が繁殖することがある
エコキュートの設定温度が低い場合は、衛生面にも注意が必要です。例えば、レジオネラ菌は20~45℃程度の環境で増殖しやすいとされており、配管内や貯湯タンク内の衛生管理が重要になります。設定温度を適切に保つことは、こうしたリスクを抑えるうえでも大切です。
【季節別】エコキュートのおすすめ設定温度
外気温や水温は季節によって大きく変わります。そのため、エコキュートの設定温度は、季節に応じて柔軟に調整すると効果的です。基本となる50~60℃を基準に、季節ごとの特徴を踏まえて設定しましょう。
春・秋は50℃前後を基準に調整
春と秋は外気温が比較的安定し、放熱ロスも少なめの季節です。お湯はり温度を40℃程度に設定すれば、快適さを保ちながら無駄なエネルギー消費を抑えやすくなります。給湯温度は50℃前後を基準にし、朝晩の冷え込みが気になる日は52~55℃程度に上げると良いでしょう。
夏は使いすぎを防ぎながら快適さを保つ設定に
夏は外気温が高く、水道水の温度も上がるため、配管での放熱ロスが少なく、消費電力を抑えやすい季節です。温度調整がしやすく、お湯や水の無駄も防ぎやすい点がメリットです。
給湯温度を50℃程度に設定しておけば、シャワーや手洗いでも快適に使いやすく、水や電気の使いすぎも防ぎやすくなります。ただし、食器洗いなどで熱めのお湯が必要な場合は、その都度温度を上げるなどの対応をすると良いでしょう。
冬は55〜60℃を目安にして湯切れやぬるさを防ぐ
冬は外気温が低く、配管での放熱ロスが大きくなりやすい季節です。ある程度高めの温度に設定しておくことで、安定してお湯を供給しやすくなります。給湯温度は55~60℃程度を目安にするとよいでしょう。
やや高めに設定しておくと、配管を通る間の温度低下をカバーしやすくなり、蛇口やシャワーでお湯がぬるく感じにくくなります。その結果、お湯を長く出し続けることを防ぎやすくなり、湯切れの予防にもつながります。
家族構成や入浴時間帯によって微調整するコツ
家族の人数が多い場合は、給湯温度をやや高めに設定するとよいでしょう。家族の入浴時間があまり離れていなければ、最後の人が入浴する時間まで浴槽の温度を保ちやすくなります。これにより、追い焚きや足し湯の回数を減らし、電気代の節約にもつながります。
また、保温時間を短くすることでも、電気代を抑えやすくなります。細かな工夫を積み重ねることで、毎月の光熱費の節約につながるでしょう。
設定温度の見直しが必要なケース
エコキュートの設定温度が適切でないと、お湯の使い勝手が悪くなるだけでなく、効率的な節電もしにくくなります。ここでは、設定温度の見直しを検討したい主なケースを紹介します。ご家庭の状況に当てはまるものがあれば、一度設定を確認してみましょう。
設定温度よりお湯がぬるく感じる
リモコンで設定した温度より、実際のお湯が明らかにぬるい場合は、設定温度の見直しが必要かもしれません。配管での放熱や、季節による水温低下などの影響で、使いたい温度のお湯が十分に出ていない可能性があります。特に、秋から冬への切り替わりなど、季節の変わり目に起こりやすい傾向があります。
「寒くなってからお湯が冷たく感じる」「設定温度を変えていないのにぬるくなった」と感じる場合は、給湯温度を5~10℃程度上げて様子を見ましょう。また、タンクの湯量が少なくなっている場合も、お湯がぬるく感じやすくなります。温度とあわせて貯湯タンク内の湯量も確認し、必要に応じて沸き増しを行ってください。
温度を変更しても反映されない
温度を変更してもお湯の温度が変わらない場合は、混合水栓の不具合や配管の詰まり、センサー異常などのトラブルが起きている可能性があります。リモコン操作で温度が反映されない場合は、専門業者への点検依頼を検討しましょう。エコキュートを長年使っている場合は、部品の劣化も考えられます。
また、蛇口の経年劣化が原因になっていることもあります。たとえば、キッチンでは問題がないのに浴室のお湯だけがぬるい場合は、浴室のシャワーや蛇口の故障も疑われます。蛇口は劣化しやすい消耗品でもあるため、どこか1か所に異常が見つかった場合は、ほかの箇所もあわせて点検すると安心です。
お湯はりやシャワーの温度が安定しない
お湯はりやシャワーの温度が上下しやすい場合は、設定温度が低すぎるか、湯量不足が起きている可能性があります。まずは給湯温度を50~60℃程度に上げて、症状が改善するか確認してみましょう。同時に貯湯タンクの湯量も確認し、不足している場合は沸き上げを行ってください。
それでも安定しない状態が続く場合は、循環ポンプやセンサーなどの部品に不具合が生じている可能性があります。この場合は、自力での改善が難しいため、早めに専門業者へ点検を依頼することをおすすめします。
まとめ
エコキュートの設定温度には、「給湯温度」や「ふろ温度」など主に4種類があります。なかでも給湯温度は50~60℃程度が一般的な目安で、季節や家族構成に応じて調整することが大切です。
設定温度を低くしすぎると、お湯の温度が安定しにくくなったり、効率が下がったりすることがあります。快適さと省エネの両立のためにも、適切な温度設定を心がけましょう。正しく温度管理を行うことで、快適で経済的な暮らしにつながります。
エコモは各地を飛び回って、電力・エネルギーや地球環境についてお勉強中なんだモ!色んな人に電気/ガスのことをお伝えし、エネルギーをもっと身近に感じてもらいたモ!


















