エアコンの電気代を節約する方法|冷房・暖房の節電術、つけっぱなしの判断基準も解説
電気代を節約するためには、家電一つひとつの性質や使い方を理解したうえで対策することが大切です。エアコンは家庭での消費電力の約30%を占めており、電気代の負担が大きい家電の一つとなっています。
この記事では、エアコンの電気代を削減するための節電方法をご紹介します。電気代の削減に関心がある方は、ぜひ最後までご覧ください。
エアコンの電気代が気になる人へ|まず知っておきたい基本
まずは、エアコンの電気代に関する基本的な情報を見ていきましょう。
エアコンの電気代の決まり方や機能による違いなどを理解しておくと、節約のための対策を考えやすくなります。
エアコンの電気代は何で決まる?
エアコンの電気代は、どれだけの電力をどのくらいの時間使ったかによって決まります。つまり、消費電力を用いて計算できるのです。
エアコンのカタログには、そのエアコンの消費電力が記載されています。これに使用時間や契約している料金プランの料金単価をかけることで、電気代を計算できます。実際の計算式は、以下の通りです。
電気代=消費電力(W)÷1000×使用時間(h)×料金単価(円/kWh)
例えば、消費電力が500Wで、1kWhあたり31円の料金プランを利用して8時間稼働する場合は、「500W÷1000×8h×31円/kWh=124円」となります。
冷房・暖房・除湿で電気代が変わる理由
エアコンの電気代は、冷房・暖房・除湿のどの機能を使うかによって異なります。これは、機能ごとに空調を行う仕組みが異なり、消費電力も変わるためです。
冷房は、室内の空気をエアコン内の熱交換器と冷媒で冷やして部屋に戻します。冷媒が吸収した室内の熱が、室外機から排出される仕組みです。
暖房は、室外機のヒートポンプを用いて外気から熱を取り込み、冷媒に乗せて室内に送り込みます。室内機では、冷媒が運んだ熱を使って空気を暖めるのです。
除湿には、冷房除湿と再熱除湿の2種類があります。冷房除湿では微弱な冷房運転を継続して湿度を下げます。一方、再熱除湿は室内の空気を冷やして水分を取り除いたあと、冷えすぎた空気を暖め直して送り出すのが特徴です。
暖房のほうが電気代が高くなりやすいのはなぜ?
冷房と比べて、暖房は電気代が高くなりやすい傾向があります。
これは、日本では夏よりも冬のほうが室温と設定温度の差が大きくなりやすいためです。例えば、夏に室温30℃の状態で設定温度を28℃にする場合と、冬に室温6℃の状態で設定温度を20℃にする場合では、冬のほうが温度差が大きいことがわかります。冬は設定温度に近づけるために、より多くの時間とエネルギーが必要になるのです。
とくに暖房では、外気中のわずかな熱を取り出して圧縮することで高温にしています。そのため、外気温が低いほど熱を取り出すのに多くの電力が必要になります。
また、除湿機能のうち冷房除湿と再熱除湿を比べると、空気を再加熱する工程がある分、再熱除湿のほうが電気代は高くなりやすいです。
エアコンの節電方法12選
ここからは、実際にエアコンの電気代を削減するための節電方法を12個ご紹介します。
簡単にできるものから、根本的にエアコンの使い方を見直すものまでさまざまな対策があるため、自宅での利用状況に合わせて実践してみてください。
設定温度を見直す
エアコンにかかる電気代を節約するためには、設定温度を見直すことが大切です。
温度を上げすぎたり下げすぎたりして、もともとの室温や外気温とかけ離れすぎると、設定温度に近づけたり、その温度を維持したりするために大量のエネルギーが必要になります。そのため、快適さと消費エネルギーのバランスが取れた温度に設定することが大切です。
冷房時は28℃を目安に設定すると良いでしょう。暖房時は20℃を目安にするのがおすすめです。ただし、これらはあくまでも目安であるため、実際の気温や体感に合わせて無理のない範囲で調整してください。
風量は自動運転を基本にする
エアコンには自動運転機能があり、これを活用することで電気代の削減が期待できます。
自動運転機能は、室内の温度に合わせて自動で風量を切り替えてくれる機能です。設定温度になるまでは強風で運転し、設定温度に達したあとは、その温度を維持するために微風や弱風へ切り替えてくれるため、状況に応じた最適な運転ができます。手動で風量を切り替えるよりも手間が少なく、的確に電気代の削減につながります。
風向きを調整して冷気・暖気を循環させる
エアコンにかかる電気代を削減するためには、室内の温度ムラをなくすことが大切です。温度ムラがあると、エアコンが「設定温度に達していない」と判断して多くの電気を使うため、風向きを調整してムラを解消する必要があります。
空気には、暖かい空気は上に、冷たい空気は下に移動する性質があります。そのため、エアコンを使用する際は、運転モードに応じて風向きを切り替えることが大切です。
暖房のときは下向きに、冷房のときは上向きに設定しておくと、空気が循環しやすくなり、温度ムラの解消につながります。
サーキュレーターや扇風機を併用する
室内の温度をムラなく一定に保つには、エアコンだけでなくサーキュレーターや扇風機を併用するのがおすすめです。
これらは自ら温度を調整する家電ではなく、送風によって空気の循環を助ける家電です。そのため、エアコンの風を部屋の隅々まで行き渡らせるのに役立ちます。
エアコンからの風に背を向けるように置き、風が届きにくい方向へ送風することで、空気の循環をサポートできます。
フィルターをこまめに掃除する
エアコンの節電には、フィルターのこまめな掃除も大切です。
エアコンは、室内のホコリを空気と一緒に吸い込んでおり、フィルターがそのホコリをキャッチしています。そのため、使い続けるとフィルターが目詰まりしてしまいます。
フィルターが目詰まりしていると空気がうまく通らず、効率的に空気を暖めたり冷やしたりできません。これにより消費電力が大きくなり、電気代がかさみます。
フィルターをきれいにしておくと、暖房で約6%、冷房で約4%の消費電力を削減できるとされているため、2週間を目安にフィルター掃除をするのがおすすめです。なお、自動清掃機能が付いている場合でも、油汚れやペットの毛などを除去するために、月に1〜2度は水洗いすると良いでしょう。
室外機の周囲に物を置かない
エアコンは室内機だけでなく、室外機の管理も節電には重要です。
室外機には、空気中の熱を取り込んだり、逆に熱を放出したりして温度を調節する役割があります。そのため、室外機の周囲に物を置くと、この機能が妨げられる可能性があります。
室外機の周辺には物を置かず、機能を妨げないように注意しましょう。
室外機の直射日光や熱ごもりを防ぐ
エアコンの室外機は、直射日光の影響も受けやすいです。
とくに夏は、室外機から熱を放出することで冷房機能が成り立っているため、直射日光が当たって熱ごもりが発生すると、うまく排熱できず冷房効率が落ちます。冷房効率が下がると、設定温度まで室内を冷やすのにより多くの電気が必要です。
そのため、日よけカバーを設置する、植木などで影を作るといった対策を行い、直射日光が当たらないようにすると良いでしょう。
カーテン・断熱シートで外気の影響を減らす
エアコンの電気代を削減するためには、室内の断熱性能を高めることも大切です。
建物の断熱性能が低いと、せっかく温度を調節した空気が外気の影響を受けて元の温度に戻りやすくなります。そのため、設定温度に到達したあとも、その温度を維持するための消費電力が大きくなります。
手軽に部屋の断熱性能を高めるには、窓への対策が欠かせません。住宅における熱の出入りは、窓などの開口部が半分以上を占めているためです。
窓の断熱性能を高めるには、カーテンや断熱シートを使うと良いでしょう。カーテンは直射日光を遮るだけでなく、厚手のものは熱の出入りも抑えてくれます。断熱機能付きのものを選ぶと、より効果的です。
断熱シートは窓ガラスに貼ることができ、熱の出入りを抑えてくれます。夏はすだれなどを活用するのも良いでしょう。
暖房時は加湿を取り入れて体感温度を上げる
人の体感温度は、実際の温度だけでなく湿度によっても変化します。湿度が高いほど暖かく感じやすいため、暖房時は加湿を取り入れるのがおすすめです。
加湿器などを用いて湿度を高めれば、設定温度を極端に高くしなくても暖かく過ごせる可能性があります。湿度を適切に保つことで、冬に流行しやすいインフルエンザなどへの対策にもつながります。
部屋の広さに合った能力のエアコンを使う
エアコンにかかる電気代を削減するためには、部屋の広さに合った機種を選ぶことが大切です。
エアコンには、10畳用や14畳用など、部屋の広さに応じた能力が設定されています。適切な畳数のエアコンを設置しないと効率が悪くなり、電気代が高くなりやすくなります。
また、部屋が10畳だから10畳用を購入するというように、余裕のない性能のエアコンを選ぶのもあまり望ましくありません。実際の部屋の広さよりも少し余裕のある能力のエアコンを選んだほうが、より効率的に室内の温度を管理できます。
古いエアコンは省エネ機種への買い替えも検討する
使用しているエアコンが古い場合は、エアコンそのものの買い替えを検討するのもおすすめです。
新しいエアコンは省エネ性能が向上しており、10年前の機種と比較すると約17%省エネ性能が高くなっているとされています。また、家電は使い続けることで性能が落ちていくため、古いエアコンを使い続けるよりも、新しく買い替えたほうがランニングコストの改善が期待できるでしょう。エアコンの寿命は10年程度とされているため、購入時期と照らし合わせて検討してみてください。
電気料金プランも合わせて見直す
電気料金が高いと感じる場合は、現在契約している電気料金プランが生活スタイルに合っていない可能性があります。
電力会社や料金プランは消費者が自由に見直せるため、生活に合った料金プランを選ぶことが大切です。基本料金や電力量料金の単価、付随するサービスなど、さまざまな条件を比較してプランを選びましょう。
冷房・暖房・除湿で変わる節電のコツ
エアコンは、機能によって節電のコツが異なります。
冷房・暖房・除湿それぞれでどのような工夫が必要なのか、詳しく見ていきましょう。
冷房運転で電気代を抑えるポイント
冷房を使用するときは、効率的に室内を冷やせる環境づくりが大切です。
設定温度を低くしすぎないように心掛け、薄手の服を着るなど、28℃前後でも過ごしやすい工夫をすると良いでしょう。体感温度を下げるために、除湿機能を活用して湿度を下げるのもおすすめです。
また、室外機や室内に直射日光が当たるのを防ぐために、日よけやすだれなどを利用するのも効果的です。
暖房運転で電気代を抑えるポイント
暖房を使用する場合は、冷房とは逆に、効率良く早く暖められる室内環境を整えることが大切です。
暖かい空気は上に向かって移動するため、床暖房などと併用して足元から暖めていくと、効率良く室内全体を暖められます。設定温度を高くしすぎると消費電力が大きくなるため、注意が必要です。
服装も、厚手の暖かい衣類を着用し、太い血管が通る部分を覆うようにすると良いでしょう。
除湿(ドライ)は本当に節電になる?
除湿は冷房と比べて節電になると言われることがありますが、使用する除湿方式によっては必ずしもそうとは限りません。
すでに述べた通り、除湿には冷房除湿と再熱除湿があり、それぞれ仕組みが異なります。その性質上、一般的には冷房除湿、冷房、再熱除湿の順に電気代が高くなりやすい傾向があるのです。再熱除湿の場合は、使い方によっては冷房よりも電気代が高くなることもあります。
除湿を使うべきなのは、基本的に室内の湿度が高いときです。冷房除湿は、室温も気温も高くて蒸し暑い梅雨の時期におすすめです。一方、再熱除湿は冷風が出にくいため、室温を下げずに湿度だけを下げたい日や身体を冷やしたくない日に向いています。
エアコンはつけっぱなしのほうが安い?
エアコンの節電について、「電源のオン・オフを繰り返すよりも、つけっぱなしのほうが電気代が安くなる」と聞いたことがある方もいるでしょう。実際、エアコンはつけっぱなしのほうが安くなるのでしょうか。
つけっぱなしのほうが安くなるかどうかは、エアコンの利用状況によります。どのような条件であれば電気代を抑えやすいのか、詳しく見ていきましょう。
つけっぱなしが有利になりやすいケース
エアコンをつけっぱなしにしておくのが有利なのは、短時間の外出で、かつ外気温との差が大きいときです。
エアコンは起動時と温度を調節している間に最も多くの電気を消費するため、30分程度の外出であれば、電源をつけたり消したりするより、つけっぱなしのほうが電気代を抑えられる場合があります。また、外との気温差が大きいと、外出から戻ってきて再び温度を調節する際にも電気代がかかるため、つけっぱなしが有利になりやすいです。
こまめに消したほうがよいケース
こまめに電源を切ったほうが良いのは、外出が長時間にわたる場合や外気温との差が小さい場合です。
1時間以上外出する場合は、つけっぱなしにしているほうが1日の電気代が高くなることがあります。また、外気温との差が小さいのであれば、再び室温を調整する際の電力消費もそれほど大きくないため、つけっぱなしにしないほうが良いでしょう。
夏の夜は昼間と比べて外気温が下がることが多いため、外出時にはエアコンを切るほうが合理的な場合があります。
「つけっぱなし=常に節電」ではない
あまり頻繁に電源を切ったり入れたりするのはよくありませんが、だからといって、つけっぱなしが必ず節電になるとは限りません。
家を空ける時間や室温を調整するのにかかる負荷を考えて、つけっぱなしにするかどうかを決めることが大切です。また、長時間使い続ける場合は、内部クリーン機能の活用や定期的なお手入れも意識しましょう。
やってはいけないエアコンの節電NG行動
エアコンの電気代を節約しようとして、ついやってしまいがちな行動のなかには、かえって電気代が高くなるNG行動もあります。また、エアコンのお手入れを後回しにするのも良くありません。
電気代の節約における注意点について、詳しく見ていきましょう。
頻繁にオン・オフを繰り返す
「節電」を「電気を使わないこと」だと考え、エアコンの電源を頻繁にオン・オフする方もいます。しかし、エアコンは運転開始から設定温度に達するまでの間に多くの電気を消費するため、何度もつけたり消したりするほうが、電気代がかかる可能性が高いです。
涼しくなったから、暖かくなったからと電源を消してしまい、再び室温が外気温に近づいたらつけ直すといった使い方をしていると、かえって電気代がかさむため注意が必要です。
最初から弱運転にしてしまう
風量が大きいと消費電力も大きくなりますが、最初から弱運転にしてしまうと、設定温度になるまでに時間がかかり、かえって電気代がかかってしまいます。
そのため、設定温度になるまでは強風で運転するのがおすすめです。自分で風量を切り替えるタイミングを見極めるのは難しいため、自動運転に設定してエアコンに任せると良いでしょう。
フィルター掃除を後回しにする
フィルターの掃除を後回しにしてエアコンを運転し続けるのも良くありません。
フィルターの目詰まりは冷暖房効率の低下につながり、より多くの電気代がかかります。そのため、2週間に1度を目安にエアコンを止める機会を作り、フィルターを取り外して掃除をするようにしましょう。
室外機の吹き出し口をふさいでしまう
ベランダなどに置かれた室外機の周辺に、さまざまな荷物を置くのもNGです。
室外機は熱がこもるとうまく機能せず、空調効率が落ちてしまいます。周囲に多くの荷物を置くと吹き出し口がふさがれ、さらに排熱しにくくなるのです。
室外機の周辺には物を置かないように気をつけ、吹き出し口をふさがないようにしましょう。
無理な温度設定で快適性を下げる
部屋を早く冷やそう、あるいは早く暖めようとして、無理な温度設定をするのもよくありません。
極端な温度設定をすると、消費電力が増えるだけでなく、コンプレッサーの負荷も高まります。負荷が高すぎると故障の原因にもなるため、注意が必要です。
また、極端な温度設定は体調にも影響します。冷えすぎや乾燥に気を付け、快適性を損なわない範囲で運用することをおすすめします。
エアコンの節電効果を高める生活の工夫
エアコンの節電効果を高めるためには、生活上の工夫も大切です。どのような工夫が効果的なのか、詳しく見ていきましょう。
日差し対策で冷房効率を上げる
冷房の効率を高めるためには、夏の日差し対策が重要です。
日よけ用のカーテンやすだれなどを設置して、直射日光が室内に入り込まないようにする必要があります。室外機の直射日光対策と合わせて行うと、より効果的です。
すき間風対策で暖房効率を上げる
暖房の効率を高めるためには、建物のすき間風対策をするのがおすすめです。
すき間風があると、室内の熱が逃げてしまい、なかなか部屋が暖まりません。窓やドアをしっかり閉める、壁に空いたすき間はコーキングで埋めるなど、室内の熱が外に逃げないようにするための対策が必要です。
在宅時間に合わせて無理なく運転する
エアコンを効率良く稼働させるためには、在宅時間に合わせた運用が重要です。
長時間家を空けるのであれば、外出時にエアコンの電源を切るなどして、電気を使いすぎないようにする必要があります。タイマー機能を使用し、帰宅する少し前に電源が入るように工夫するのも良いでしょう。
家族構成や部屋の使い方に合わせて調整する
エアコンの効率を高めるためには、家族構成や部屋の使い方に合わせた使い分けが大切です。
一人暮らしで部屋が狭い場合は、コンパクトな省エネモデルでも十分な効果を発揮します。一方で、家族の人数が多く部屋が広い場合は、より高性能なエアコンが必要です。
リビングと個室が分かれているのであれば、リビングには広い部屋向けの高性能モデル、個室にはコンパクトモデルを配置するなどの工夫も有効です。
まとめ
エアコンの電気代を節約するためには、エアコンを効率よく使うことが大切です。そのためには、室内の空気を循環させ、エアコンの機能を妨げる要素を減らすことが求められます。
「建築リペアガイド」では、エアコン選びで失敗しないためのコツについてご紹介しています。エアコン選びに悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
エコモは各地を飛び回って、電力・エネルギーや地球環境についてお勉強中なんだモ!色んな人に電気/ガスのことをお伝えし、エネルギーをもっと身近に感じてもらいたモ!

