民泊運営で怖い「光熱費の使い過ぎ」リスクとは?原因・損失・今すぐできる防止策を徹底解説

  • 更新日:2026/03/19

民泊を運営していると、利益を得られる一方で、さまざまな出費も発生します。こうした出費をいかに抑えるかが利益を高めるポイントですが、その中でもネックになりやすいのが光熱費です。

利用者がどれだけ設備を使うかによって変動する光熱費は、運営側で管理しにくい費用の一つです。この記事では、民泊運営において光熱費の使いすぎが問題になる理由や運営者にとってのリスク、光熱費がかさみやすい物件の特徴、具体的な対策についてご紹介します。民泊を運営していて光熱費に悩んでいる方、これから民泊を始めようと考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。

目次

民泊運営で光熱費の使い過ぎが発生する理由

まずは、民泊の運営で光熱費の使い過ぎが発生する理由について見ていきましょう。

光熱費の使い過ぎに関する問題は、民泊の利用者と運営側の意識の乖離によって発生します。また、民泊の設備ならではの原因もあるため、それぞれの理由を把握しておくことが大切です。

宿泊者は光熱費を自分ごととして意識しにくい

民泊の宿泊者にとって、利用する施設は自宅ではありません。自宅であれば光熱費を支払うのは自分自身ですが、民泊では宿泊者が直接光熱費を負担しないため、「自分ごと」として認識しにくい傾向があります。

そのため、照明や空調をつけっぱなしにしたままにすることもあり、光熱費がかさむ原因になっています。とくに海外からのゲストは、日本人以上に冷暖房を長時間稼働させる傾向があり、稼働率が高いほど光熱費も高くなりやすい状況に陥りがちです。

複数人利用で電気・ガス・水道の使用量が増えやすい

民泊に一度に複数の宿泊者が泊まる場合、光熱費は上がりやすい傾向があります。

複数の部屋で空調や照明を使ったり、何度もシャワーや洗面台を使ったりすることで、電気・ガス・水道を使用する機会が増えるためです。したがって、宿泊者の人数が多くなるほど、宿泊料金に対する光熱費の割合も大きくなると考えておいたほうが良いでしょう。

無人運営・遠隔運営では異常使用に気付きにくい

民泊では、運営側が長期間施設を不在にすることも少なくありません。そのため、利用者がどのような使い方をしているかを把握しきれない傾向があります。

利用者の多くは、室温を快適に保つためにエアコンを長時間稼働させるため、その分の電気代がかかります。また、Wi-Fiルーターやセキュリティカメラ、センサーなど、設備によっては24時間稼働が必要なものもあり、これも光熱費が上がる原因になります。

民泊運営者にとって光熱費の使い過ぎがリスクになる理由

続いて、民泊運営者にとって、利用者による光熱費の使いすぎがリスクになる理由について見ていきましょう。

基本的に、光熱費は民泊の運営側が負担します。そのため、光熱費の使いすぎは、民泊経営に大きな影響を与える点に注意が必要です。

利益率が低下しやすい

民泊における光熱費の使いすぎの大きなリスクは、利益率が低下しやすいことです。

利用者が支払う宿泊費用のすべてが、運営者の利益になるわけではありません。初期費用の回収に加え、光熱費、消耗品代、リネン交換費用、清掃費、広告宣伝費などのランニングコストがかかるため、これらを差し引いた残りが利益になります。

したがって、光熱費が高額になると、その分だけ利益率は低下します。

繁忙期でも思ったほど利益が残らないことがある

民泊の光熱費が上がると、繁忙期であっても思ったほど利益が残らない可能性があります。

繁忙期は、本来であれば宿泊料金を値上げしても利用者が集まりやすい時期です。しかし、この時期に利用者を呼び込みすぎると、その分だけ設備が過剰に使われる可能性も高まります。結果として光熱費の割合が上がり、利益率が下がる傾向があるのです。

民泊には年間宿泊日数180日の規制もあるため、あとから利益を取り返すのが難しい場合もあるでしょう。

長期的な運営コスト全体のバランスが崩れる

民泊を運営する際は、長期的な視点で運営計画を立てる必要があります。単に利益を得るだけでなく、開業にかかった初期費用を時間をかけて回収しなければならないためです。

しかし、設備の使いすぎによって当初の想定よりも光熱費が上がってしまうと、長期的な運営コスト全体のバランスが崩れ、計画に影響が出ます。予定していた期間内に初期費用を回収しきれない可能性もあるため、注意が必要です。

設備負荷や物件価値の低下につながる可能性がある

民泊物件は、最終的に売却することを見越して運営している人も多いでしょう。しかし、光熱費がかさむ物件は、高値で売却しにくくなる可能性があります。

売却しやすい民泊物件は、収益性が高く、設備にかかるコストが低い物件です。光熱費が高い物件は、まず収益性の面で価値を下げる可能性があります。

さらに、利用者が設備を長時間稼働させるなどして過剰に使っている場合、設備自体にも負荷がかかり、修繕や買い替えが必要になる可能性があります。このような物件は維持コストがかかるため、買い手から敬遠されやすいでしょう。

光熱費が膨らみやすい民泊物件の特徴

続いて、光熱費が膨らみやすい民泊物件の特徴について見ていきましょう。

光熱費が上がる原因は、利用者による使いすぎだけではありません。民泊物件そのものが抱える問題によって、光熱費が高くなることもあります。

対策を考えるためにも、光熱費が膨らむ条件に当てはまっていないか、しっかり確認しておきましょう。

築古物件・空き家活用物件

建物の築年数が古いと、光熱費が膨らみやすい傾向があります。

築古物件や空き家活用物件は、設備が古く、エネルギー効率が低いことが多いです。そのため、同じ広さの部屋を暖めたり冷やしたりするにも、最新の設備より時間もエネルギーもかかります。利用者が快適だと感じる環境になるまでに時間がかかるため、極端な温度設定をされるなどして、光熱費がかさみやすくなるのです。

断熱性・気密性が低い物件

建物そのものの断熱性能が低い場合も、光熱費が膨らみやすくなります。

断熱性や気密性が低い建物は、外気の影響を受けて室温が変動しやすくなっています。つまり、夏は外気や日差しの影響で暑くなりやすく、冬は室内の熱が外へ逃げやすいのです。

そのため、快適な室内環境を維持するには、エアコンを強めに、あるいは長時間稼働させなければならず、その分の光熱費が高くなります。

ファミリー・グループ向けの大型物件

ファミリーやグループ向けの大型物件は、1泊あたりの利用人数が多いため、光熱費が高くなりがちです。

利用者の人数が増えると、水道や電気の使用量が増えるため、光熱費も上がります。使い方によっては、1泊あたり500円ほど光熱費が上がることもあるでしょう。仮に同じグループが6泊7日で宿泊した場合、3,000円分の光熱費が余分にかかる計算になります。

長期滞在・連泊が多い物件

1グループあたりの宿泊日数も、民泊の光熱費に影響を与えます。

長期滞在で連泊する場合、その分空調をつけっぱなしにする人が多くなります。外出中もエアコンをつけたままにされると、その分光熱費がかさんでしまいます。

利用者による光熱費の使い過ぎを防ぐ方法

続いて、民泊の利用者による光熱費の使いすぎを防ぐための対策について見ていきましょう。

光熱費を削減するには、利用者の意識を高めるとともに、設備そのものの性能を改善しておく必要があります。また、運営側の体制を見直すことも大切です。

ハウスルールで利用方法を明確にする

利用者側の節電意識を高めてもらうには、運営側で利用ルール、すなわちハウスルールを定めることが効果的です。

ハウスルールにはさまざまなものがありますが、光熱費削減の観点では、エアコンや照明、家電の利用ルール、給湯や水回りの利用ルールを設けると良いでしょう。

エアコンのルールとしては、冷房や暖房の適切な温度設定を示すことが挙げられます。たとえば、冷房は28℃、暖房は20℃を目安にしておくと、光熱費を抑えやすくなります。

照明や家電のルールとしては、外出時にはスイッチをオフにしてもらうよう案内するのがおすすめです。不要な電気を消すよう促しておけば、使っていない部屋の照明や空調を止めてもらえる可能性が高まります。

給湯や水回りのルールとしては、シャワーやトイレの使い方を記載しておくと良いでしょう。シャワー1回あたりの目安時間を書いておくのもおすすめです。

なお、これらのルールは「省エネルギーのためのルール」であることを伝え、ポジティブな言い回しにすると守ってもらいやすくなります。

チェックイン前後の案内を徹底する

作成したハウスルールは、利用者に把握してもらわなければ守ってもらえません。そのため、チェックイン前後に、口頭や書面でしっかり説明しておくことが大切です。

紙や電子メールなどで情報を提供するだけでなく、オーナーやスタッフが直接足を運び、書類や設備と照らし合わせながら説明したほうが効果的です。スタッフと直接コミュニケーションを取ることで、利用者側にも民泊への愛着が生まれ、ルールを守ってもらいやすくなります。

室内掲示や多言語案内を用意する

ハウスルールは一度説明するだけでなく、室内の目につきやすい場所にポスターなどで掲示しておくのもおすすめです。

家電や照明のスイッチの近くなど、設備を使うときに自然と目に入る位置に掲示すると良いでしょう。海外からの利用者も想定されるため、英語や中国語、韓国語など、多言語対応の案内書を用意しておくと、より親切です。

海外からの利用者は、日本とは異なる文化や生活習慣の中で暮らしているため、施設側から明確にルールを示したほうがトラブルの発生を防ぎやすくなります。

省エネ性能の高い設備に切り替える

民泊の設備を改善して光熱費を削減するには、省エネ性能の高い設備を導入するのがおすすめです。

たとえば、照明をLEDにするとエネルギー効率が高く、消費電力を抑えられます。また、LED照明は寿命が長いため、メンテナンスコストの削減にもつながります。

エアコンや冷蔵庫、洗濯機などの大型家電についても、エコモードや省エネ機能が備わっているものを選ぶと良いでしょう。サーキュレーターや床暖房など、室温調整を助ける設備を導入するのも効果的です。

家電だけでなく、壁や床に断熱材を入れるリフォームを行うのも有効です。

スマート家電や遠隔管理システムを活用する

光熱費削減を進めるには、スマート家電や遠隔管理システムの導入もおすすめです。

エネルギーの使用量が視覚的に分かりやすくなれば、より効率良く電気料金を抑えられます。EMS(Energy Management System)を導入すれば、電気だけでなく、ガスや水道の使用量もリアルタイムで把握できます。

また、電力会社やガス会社によっては、契約者専用のマイページでエネルギー使用量を確認できるサービスを提供している場合もあるため、積極的に活用すると良いでしょう。

人数や季節に応じた料金設計を行う

利益率を改善したいのであれば、利用料金そのものを見直すことも大切です。

光熱費は、施設の利用人数や季節によって変動します。とくに夏や冬は、空調費用が高くなりやすい時期です。寒冷地では、冬場の暖房費用が大きな負担になることもあります。

そのため、こうした要素に応じて宿泊料金をこまめに見直すのがおすすめです。なお、あまり宿泊料金を上げたくない場合は、電気やガスの料金プランを見直し、エネルギー事業者との契約を変更する方法もあります。

民泊の光熱費対策でやってはいけないこと

光熱費対策は、民泊オーナーにとって急務です。しかし、見切り発車でやりすぎると、かえって経営が不安定になる可能性があります。ここからは、光熱費対策でやってはいけない注意点について見ていきましょう。

快適性を損なうほど設備利用を制限する

光熱費対策で気をつけたいのは、ハウスルールの厳しさです。

ハウスルールで家電などの使い方を定めることは、光熱費削減に効果的です。しかし、やりすぎると滞在中の快適性を損なう可能性があります。利用者の快適性を損なうほど厳しいルールで設備利用を制限すると、レビューで低評価をつけられる可能性が高まります。

また、利用者の健康を損なうおそれもあるため、注意が必要です。

コスト増を放置したまま料金を見直さない

利益率を改善するために宿泊料金を見直すことは大切ですが、根本的な部分を改善しないままだと、値上げのいたちごっこになる可能性があります。

利用者の設備利用を制限したり、宿泊料金を引き上げて利益を確保しようとしたりしても、電気やガスの料金単価自体が上がっている場合は、根本的な改善にはつながりません。料金を改定してもコスト自体は減っておらず、さらに値上がりすれば再び宿泊料金を上げるという悪循環に陥り、利用者が減ってしまう可能性もあります。

電気料金やガス料金は、契約する会社や料金プランを見直すことで、単価を下げられる可能性があります。民泊の設備や利用形態に合ったプランに変更すれば、コストそのものを抑え、利益率を改善できるでしょう。

利用実績を記録せず感覚で判断する

光熱費の削減には、エネルギーの利用実績を把握することも重要です。

季節や時間帯、利用人数など、さまざまな条件ごとのエネルギー使用量や光熱費を記録し、それをもとに具体的な対策を考えることが大切です。傾向を把握できていないにもかかわらず、感覚だけで対策しようとすると、実態に合わない料金設定や設備導入をしてしまい、利益率の低下や利用者満足度の低下につながるおそれがあります。

民泊運営者が光熱費管理で確認すべきポイント

民泊オーナーは、光熱費を管理するうえで、いくつかの情報を把握しておくことが大切です。

詳しい条件を把握していれば、運営中の民泊に適した形で光熱費対策を進められます。それぞれのポイントについて見ていきましょう。

宿泊人数あたりの光熱費

光熱費対策では、宿泊人数によってどの程度の光熱費がかかるのかを把握しておくことが大切です。

1人で泊まる場合と複数人で泊まる場合では、空調や照明を使う部屋の数も、シャワーなどで水道やお湯を使う時間や量も異なります。これまでの利用実績から、運営中の民泊における人数ごとの光熱費の傾向を把握しておきましょう。

季節ごとの変動幅

光熱費は、季節によって総額が変動します。そのため、民泊がある地域における季節ごとの光熱費の変動幅を把握しておくことが大切です。

暑い地域では夏場の冷房費用が、寒冷地では冬場の暖房費用が高額になりやすい傾向があります。この傾向に応じて、季節ごとの料金設定を行うなどの工夫が求められるでしょう。

連泊と単泊のコスト差

宿泊人数だけでなく、1グループがその民泊に何泊するかもコスト差に関わってきます。

単泊の利用者であれば、空調や照明を使うのは1日のうち限られた時間のみですが、連泊になると長時間稼働させたままにする傾向があるためです。そのため、宿泊日数に応じてどれだけコストがかかっているかを確認しながら、対策を考える必要があります。

設備更新による費用対効果

設備を新しくすると省エネ性能は向上しますが、それがどれだけの効果をもたらすのかも事前に確認しておく必要があります。

一口に省エネ家電といっても、グレードはさまざまです。民泊の建物に対してオーバースペックな設備を導入すると、費用だけがかさみ、十分な費用対効果を得られない可能性があります。

運営している民泊にどの程度の機能が必要なのか、その金額に見合う効果が得られるのかを、しっかり確認しておくことが大切です。

まとめ

民泊で利用者が家電や水道を使いすぎると、光熱費が膨れ上がり、オーナーの利益を圧迫する可能性があります。施設内の設備を省エネ仕様にし、ルールを明示することで、利用者の省エネ意識を高める施策が求められるでしょう。

「Plays(プレイズ)」では、今ある不動産を民泊として活用する文化を作り上げるためのサービスを提供しています。民泊の管理代行や清掃、コンサルティング、リノベーションなどさまざまな業務を行っていますので、民泊経営に関心がある方はぜひ利用してみてください。

<この記事を書いた人>
エコモ博士

RAUL株式会社 電気プラン乗換コム運営事務局
エコモ博士のエコらいふナビ

エコモは各地を飛び回って、電力・エネルギーや地球環境についてお勉強中なんだモ!色んな人に電気/ガスのことをお伝えし、エネルギーをもっと身近に感じてもらいたモ!

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