LEDは照明だけじゃない!医療分野での驚きの活用シーンを解説
電力の消費を抑えられ、寿命が長く明るいLEDは、照明として家庭やさまざまな場所で使用されています。
そのほか、パソコンやテレビの画面、イルミネーション、信号機、電光掲示板など、日常生活で目にするさまざまなものにもLEDが使用されているのです。
近年では、医療機関においてもLED活用が広がっています。治療中の照明だけでなく、LED自体が治療を行う器具まであり、その範囲は非常に幅広くなっています。
この記事では、LEDの医療分野での活用について、具体的な例とともにご紹介します。
LED治療とは?
そもそも、LEDとは「発光ダイオード」と呼ばれる半導体のことです。一般的な電球で使われているフィラメントよりも消費電力が少なく、寿命が長い、応答が速いという特徴を持っています。
また、LEDが発する光には紫外線や赤外線がほとんど含まれず、原料に水銀や鉛といった特定有害物質を使用しないため、非常に安全です。
LED治療は、こうしたLEDならではの特徴を用いて患部にアプローチし、治療を行う方法です。特定の波長を制御して照射することにより、歯や皮膚など体のさまざまな部分の状態を改善することを目的としています。
近年の医療現場では、LEDを照明として用いるだけでなく、治療器具としても用いる傾向にあるのです。
LED治療の仕組み:光の波長が鍵
LEDが治療に用いられる大きな理由は、さまざまな波長の光を活用できるためです。
光は、色によって波長が決まっており、通常はさまざまな色が混ざることで白い光が作り出されています。LEDでは、その光の中から特定の波長を、患部にピンポイントで照射できる仕組みを実現できるのです。
たとえば、415nm(ナノメートル)の波長を持つ青色LEDは、ニキビ菌の殺菌などに使われます。
633nmの赤色LEDは、新陳代謝を促進し血流の循環を改善する目的で用いられる場合が多いです。また、830nmの近赤外線を用いた白色LEDは、肌のターンオーバーを促進できます。
このように、光の波長ごとにさまざまな効果が期待でき、治療によって使い分けられているのです。
医療分野での利用が進む理由
LEDが医療分野で利用されているのは、人体への負担が比較的少ないためです。LEDは冷光源と呼ばれるタイプの光源であり、使い続けてもほとんど熱が発生しません。
そのため、ランプが熱くなりすぎて人や器具を傷つける可能性が高い手術室や特別治療室などでは、LEDを使った照明が導入される傾向にあります。低エネルギーで十分な明るさを確保できるため、作業のしやすさにもつながります。
また、LEDで人の皮膚などに特定の波長の光を照射することにより、一定の健康効果があることが認められており、とくに美容医療での活用が進んでいます。体に薬剤やメスを使用するよりも負担が少なくて済む治療として注目を集めています。
LED治療の具体的な治療法
続いて、LEDを用いた具体的な治療方法について見ていきましょう。現在、LEDを用いた医療分野での治療方法には以下のようなものがあります。
- 歯の治療
- 皮膚の治療
- 疼痛緩和と炎症抑制
- 睡眠改善と精神的健康
それぞれの治療について、詳しく見ていきましょう。
1. 歯の治療
LEDによる光は、歯科医療での治療に用いられています。
たとえば、虫歯を削って詰め物を使用する際、レジンを使用する場合はLEDで青色の光を当てて硬化させることが多いです。ホワイトニングやセラミックの接着でも、青いLEDを使用します。
また、LEDの光が持つ殺菌効果は、歯や歯肉の治療にも役立てられています。出力が高く人体を傷つける可能性があるレーザー治療の代替として、普及しつつあるようです。
2. 皮膚の治療
皮膚の治療では、LEDライトが頻繁に用いられています。
すでに挙げたニキビの治療やターンオーバーの促進など、光の殺菌効果などを活用した治療方法が多いです。また、ニキビ跡へのアプローチもあり色素沈着などの改善も行われています。
美肌やアンチエイジングのための治療のほか、手術を行ったときにできた傷を早めに治すためにも役立てられているのが特徴です。
3. 疼痛緩和と炎症抑制
830nmの近赤外線を照射する白色LEDは、疼痛の緩和や炎症の抑制にもつながります。
皮膚の下の血行を改善することにより、痛みの解消に役立つのです。また、白色LEDは抗炎症作用もあるため、不快な症状を和らげられる可能性があります。
4. 睡眠改善と精神的健康
LEDには、睡眠の改善や精神的な健康につながる効果も期待できます。照明の種類を特殊なLEDに変更することにより、睡眠の質が改善されたという実験結果もあるのです。
また、光度が高くなくても、照明の種類によっては日中の作業効率が良いともされており、仕事がスムーズに進むことで精神的な健康につながることも期待できます。
LED治療のメリットと課題
医療分野で普及しつつあるLED治療ですが、メリットもあれば課題や注意点も存在します。しっかりと把握したうえで、治療方法を選ぶ必要があるでしょう。
なお、LEDを用いた医療行為は現在も研究が盛んな分野ですので、今後の技術の発達により課題は解消される可能性もあります。
LED治療のメリット
LED治療のメリットは、使用するエネルギーが少なく、あまり電気代がかからないことです。
病院といえども、電気を使用して治療用の機器を動かすからには電気代が発生します。LEDを用いれば、通常のランプなどより電気代がかかりません。
また、LEDは寿命が長く壊れにくいです。そのため長期間使用することができ、治療にかかるコストを大幅に下げられます。
さらに、発熱しないことから人体にも優しいため医療の現場でも広く活用されているのです。
今後の課題と注意点
LED治療は人体に対して低侵襲な傾向にありますが、中にはLEDを使用できないケースも存在します。光線過敏症と呼ばれる症状を発症している患者さんには使用できません。
可視光線によって症状のトリガーを引いてしまう日光蕁麻疹、ポルフィリア、慢性光線性皮膚炎などを発症している場合は、症状が悪化するためLEDは使えないのです。
また、LEDの治療機器には高輝度製品の開発という課題もあります。LEDは自身も発熱しにくいですが、そもそも熱に弱いという弱点を抱えているのです。
輝度を上げるためには大量の電気を流す必要がありますが、LEDでそれを実行に移すと機器が壊れてしまう可能性が高まります。
無理にでも高輝度の製品を作ると壊れやすく価格が高いという状態になってしまうため、今後の改善が望まれるでしょう。
LED治療はこれからどう進化する?
続いて、LED治療の今後の展望について見ていきましょう。
現在は、糖尿病による神経障害の改善、網膜障害による視力低下の改善や花粉症などの改善など、さまざまな分野におけるLED技術の応用の研究が進められています。
LEDは年々色数が増え、小型化も進んでいるためさまざまな活用方法が期待できるでしょう。
今後の市場における動向
LED治療など、LEDに関する動向で重要なのはLEDを生産するための材料についてです。LEDには、半導体のほか樹脂や鋼材などの素材が使われています。
こうした素材は国内では輸入している場合が多く、価格に対する国際情勢の影響が大きいです。
そのため、素材の価格高騰が続くとLEDの価格も上昇してしまいます。安定して医療用のLEDを供給するためには、技術だけでなく素材の問題も解決しなければなりません。
まとめ
LEDは、照明としてだけでなくさまざまな症状への治療機器として医療現場でも使われています。とくに歯科や皮膚科、美容外科での活用事例が多く、炎症の抑制や殺菌に役立っているのです。
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また、体への負担が少ないLEDライトを照射するため、痛みを抑えたホワイトニングが可能です。
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エコモは各地を飛び回って、電力・エネルギーや地球環境についてお勉強中なんだモ!色んな人に電気/ガスのことをお伝えし、エネルギーをもっと身近に感じてもらいたモ!